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水産物 医食同源
お茶の子さいさい、茶の湯でチャチャチャ!/1
掲載日:2008年05月14日 
 
 まいど、まいど、イダテンのゲンさんです!
 お客さんがた、ゴールデンウイークは如何お過ごしだったかい? あっしは昨年に引き続き、クラシックの音楽祭「熱狂の日」に行ってきたよ。毎年、有楽町の国際フォーラムで行われているんだが、ガラにもなく何だかクセになっちまってよ。
 今年はシューベルトさんの年だそうだが、あっしが聞いたのはベートーベンさんのピアノ何とかだ。カナダ生まれの黒人指揮者とフレンチのオーケストラ、それに小山実稚恵さんていうピアニストが、格調高く音を鳴らす凄え音楽だったよ。寝ると思ったが、寝なかったな〜。
 普段、ガチャガチャした人生を送ってるあっしだが、たまにクラシック音楽で心を洗うのも良いもんさね。
 だが、ゴールデンウィークが終れば、次はいよいよ夏の商戦。さっそくあっしは来週、サイクロンを免れた東インドはオリッサに食材の仕入に行かないとならねえ。安くて旨いもん、いっぱい取りそろえておくもんで・・・どうぞ、みなさん! ご注文のほど、お待ちいたしやすぜ!
   
  茶の湯で健康! お茶の子さいさい、と来たもんでい♪
   夏も近づく八十八夜♪ これから初夏を迎え、だんだんにノドの渇く季節になっていくが・・・いや〜、新茶の旨い季節になってきたよな〜。
 昨年の今ごろは季節に合わせて「ヒヤッとビヤっとビールだぜ」のシリーズをお送りしたが、「私は飲めません」という声もあったもんで・・・今年はそんな下戸のお客さんがたのことを考えて「お茶」の特集を組むことにいたしやした。
 これで世の中、上戸にとっても下戸にとってもお茶くらい重宝な飲み物はないだろう。 
 甘〜いまんじゅうのお供に良し、飲み過ぎた翌朝の酔い醒ましに良し。朝の一杯。ご飯と一緒に一杯。仕事の合間に一杯。みなで集まって一杯。いつどこで飲もうと、お茶は人間の生活を潤してくれる。
  写真
   その上、お茶はほとんどノンカロリーで、さまざまなビタミン&ミネラル分が豊富に含まれている健康飲料だ。ジュースやお酒を飲み過ぎれば体に支障をきたすけど、その点お茶は1日何杯飲もうと大丈夫! それどころか毎日のお茶は体のバランスを良くし、心身の健康を与えてくれる有難いものなのさ。3千年以上にもわたって飲み続けられてきたお茶は、副作用の心配も少なく、その昔は薬として用いられていた。
 また、お茶はその成分に効能があるだけでなく、”お茶を飲む”という行為自体に意味を見出してきた。日本で生まれた「茶道」は、その最たるものだが、それもこれもお茶という素晴らしい飲み物があったからこそ出来たのさ。
 今回は、そんなお茶の魅力と健康効果について探ってみよう!
  お茶は「お茶の木」から作られる
   ところで玄人衆のみなさんにはバカみたいな質問かもしれないが、お茶の葉っぱに使われる植物の正体・・・いったい何だか知っているかい?
 バカにするな、ゲンさん。「お茶の木」に決まっているだろうって?
 おや。そちらのお客さんは、ハーブティーなんぞはカモミールやハイビスカスなど、さまざまな香草を使うんだから、色々な種類の植物を使うんじゃないってか?
  写真
   なるほど、どちらの答えも間違いではないが、基本的には「お茶は”お茶の木”から摘採した葉から作られる」というのが正解だ。
 お茶は学名「カメリア・シネンシス」(直訳すると”中国の椿”)と呼ばれるツバキ科の常緑低木から作られる。日本の緑茶も、ウーロン茶などの中国茶も、紅茶も、すべてはカメリア・シネンシスの葉が原材料となっており、それらは摘み取ったあとの加工法によって違いが出るっていうわけさね。
 ただ一方で、お茶の葉っぱ以外の植物からも「お茶」と呼ばれるものが作られる場合も少なくない。カモミールティーやハイビスカスティーといったハーブティーや、ドクダミ茶や杜仲茶、柚子茶など、特定の植物の名を冠したお茶は、みな「お茶以外の”お茶”」に分類されるわけさね。だが、これらはちょっくら「お茶」のカテゴリーとは分けて考えた方が良いだろう。
 なに、日本茶も中国茶も紅茶も、たった1種類の植物から作られるというのは意外だったかい? だが、たとえば日本のお茶の木からも紅茶を作ることは出来るが、良いものは出来上がらない。セイロン紅茶やダージリンティー以上の紅茶を作ることができないんだ。
 同じカメリア・シネンシスでもワインのブドウのように、地域や製法によってまったく違うものが作られるわけだが、適材適所というのがあるってわけなんだな。
  中国茶、6つのカテゴリー
  イラスト
 

写真 ときにお客さん。
 日本の緑茶、中国のウーロン茶、西洋の紅茶。この3つの違いって何だか、わかるかい?
 そう、発酵の度合いの違いだな。
 摘み取ったお茶の葉をすぐに火入れをして、発酵を止めたのが日本の緑茶。半発酵した段階で火を入れ、発酵を止めたのが中国のウーロン茶。そして、とことん発酵させたのが西洋の紅茶ってワケよ。
 もっとも、お茶は酒やヨーグルトのように、かならずしも酵母などの菌で熟成するわけではない。だから”発酵”という言葉は、実は正確じゃないんだ。お茶の熟成は、正確に言うと”酸化”なのだが、それだとあまり言葉のイメージが良くないので、大抵の資料には発酵と書かれている。このシリーズもそれに準じて発酵、あるいは熟成という表現を使うので、どうぞご了承いただきてえもんで・・・。
 今申し上げた緑茶、ウーロン茶、紅茶の3種類は、もっともわかりやすいお茶の分類だが、当然お茶の種類はそんなモンじゃない。特にお茶の故郷・中国では長い歴史と広い国土に育まれ、その数は数千種類以上にも及ぶんだが、そんな膨大なお茶の種類はわずか6つのカテゴリー分けることができる。
 それは緑茶、白茶、黄茶、青茶、紅茶、黒茶の6種類。それがどんなモンだか、ちょっくらご紹介していくことにいたしやしょう。

 
緑茶の写真

緑茶

 緑茶は摘み取ったあと、すぐに火入れをすることで、茶葉の主成分であるカテキンを発酵させずに残したものだ。そのため、摘んだ直後の鮮やかな緑が、そのままお茶の色に復元される。
 日本茶の火入れは蒸すことによって濃厚な味わいを引き出すんだが、中国緑茶の場合は、釜で煎るために緑色も淡く、渋味の少ないアッサリした味わいになるというわけだ。
 ところで日本で中国茶といえばウーロン茶だが、実際に中国でいちばん飲まれているのは緑茶で、全体の7割ほどを占める。歴史的にも古く、3000年前のお茶は緑茶だったと考えられているんだ。

  • こちらは有名な西湖龍井茶です。不酸化発酵な点は同じですが、見た目は日本茶とだいぶ違いますね。

白茶の写真

白茶

 茶葉を摘み取ったあと日光や月光に晒し、さらに乾燥させた微発酵茶が白茶だ。新芽の白毛が多い品種を使うことが多く、中でも白毫銀針(はくごうぎんしん)は有名。
 ウーロン茶が体を温める効果があるのに対し、白茶は散熱効果があり、主に夏に飲む茶とされる。

  • 白いうぶ毛が見えるお茶です。

黄茶の写真

黄茶

 こちらは仕上げの前に菌をつけて、本当の意味での「発酵」をさせる微発酵茶だ。味わいは緑茶に近いが、あっしの感覚だと蕎麦茶みたいな味わいかな〜。
 手間が異様にかかるので価格も高く、余程の通でないと好まないことから、生産量は減る一方のお茶だ。

  • 製造工程は中国緑茶に似ていますが、最後の段階で菌をつけて実際に発酵させる点が大きな特徴です。

青茶の写真

青茶

 中国茶といえばウーロン茶だが、これは青茶のカテゴリーに入る。先程も申し上げたように、発酵を途中で止めた半発酵茶が青茶だ。歴史は比較的新しく、清代に製法が確立されたらしい。
 大陸では広東省、福建省。そして台湾で生産されるお茶で、華僑が好むことから世界に広まったようだ。
 台湾では文山包種茶(ぶんさんほうしゅちゃ)、凍頂烏龍茶、高山茶。福建省の武夷山茶(ぶいさんちゃ)、鐵観音、黄金桂など、名品は枚挙にいとまないので、このあとの号でゆっくりお聞かせいたしやしょう。

  • こちらは台湾産の阿里山烏龍茶です。烏龍茶は香りが素晴らしいのが魅力でもあります。

紅茶の写真

紅茶

 酸化酵素の働きを十分発揮させたお茶で、コーヒーとともに、世界でもっとも大勢の人に飲まれている飲み物が紅茶だ。
 イギリスが紅茶文化を発展させたことから、船の輸送中にお茶が熟成して紅茶になったという俗説があるが、あれは間違い。もとは明の時代に、お茶を熟成させる試みから完成されたのが紅茶なんだな。
 イギリスは当時植民地だったインドに栽培の場を移し、莫大な富を得たが、ボストン茶会事件やアヘン戦争など、紅茶でトラブルを数多く起こしていることも加えておこう。

  • 完全に酸化発酵させるお茶です。中国の紅茶は質が高いことでも知られています。

黒茶の写真

黒茶

 こちらは黄茶と同様、菌をつけて本当の意味での「発酵」をさせる後発酵茶だが、とことん熟成させるのが特徴で、代表的なのが雲南省のプーアル茶だ。
 その昔モンゴルやチベットなどに搬送する際、レンガのように固めて運んだのが、この黒茶の類だ。ねかせるほどに味がまろやかに美味しくなるといわれ、数10年もののプーアル茶はオークションで取引されるほどの人気。
 痩身効果があるとされているため、女性に人気のお茶でもある。

  • 写真は雲南省のプーアル茶です。

 

 以上がお茶の6つの分類だが、ほかにもジャスミン茶のように、お茶にジャスミンの花を混ぜた「花茶」なども有名だ。これらについては、時間の許す限りご紹介していくことにいたしやしょう。
 さーて、時間が来やがった。
 それじゃ、お客さん! 次回をお楽しみに!

   
 
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