| 掲載日:2008年03月26日 |
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| 寒い国の温かい一皿は如何? | ||||||||||||||||||||
前回の「ナベ奉行」では”ちゃんこ”を取り上げてみたが、最近はモンゴルの両横綱を筆頭に、ロシアやグルジア、エストニアなどの旧ソビエト圏の力士たちの台頭が目覚ましい。ちゃんこもジンギスカンやボルシチなど、彼らの郷土料理が人気を集め、あらたなちゃんこメニューとして相撲部屋の定番になっているそうだ。 そんなワケで今回の「ナベ奉行」は、そのロシアおふくろの味・ボルシチとやらを取り上げてみよう。ロシアの人たちは、長い冬に鍋いっぱいのボルシチを作り、家族で3〜4日かけて食べるんだが、これくらい栄養満点で体を温めてくれる料理はない。 日本でボルシチといえば、おもに洋食メニューとして広く食べられている一品だが、どちらかといえば外食でいただくもので、一般的な家庭で料理されるものではない。 だが、もとは家庭の鍋料理だから、そのレシピは意外にシンプルなもの。簡単に作り方をご紹介するから、お時間のある方はぜひとも試しておくんなせえ。 これから春に向けて三寒四温の日々だが、こんな時期だからこそ、冷える一日はなおさら体に堪えるもの。ひとつ寒い国の一皿で、新しい年度に備えてはいかがかな。 |
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| 体を温めるボルシチの赤、その正体は? | ||||||||||||||||||||
| ボルシチといえば、赤いスープの中に肉や大きめの野菜がゴロッと入った洋食メニューとして知られている。だが、一般的な日本人で、あの赤い汁の正体が何だかわかっている人は、意外に少ないかもしれない。 なに、ゲンさん。ありゃ、トマトだろうってか? お客さん。失礼ながら、アンタ素人だね〜。日照時間が少ないロシアで、あんなに赤いトマトが採れるはずないだろう? それにトマトは茄子などと同様、漢方では体を冷やす働きのある食材だ。健康的な食材であるものの、マクロビオティックなどでは避けられている野菜だよ。そんな体を冷やす食材が、寒いロシアで広まるはずはないだろう? あの赤いスープ。みなさま先刻ご承知かもしれないが、あれはビート(ビーツ)と呼ばれる西洋赤カブだ。赤カブという名前で誤解されてしまうが、漬物などに使われる日本のカブや赤カブとは、まったく別物だ。 |
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カブはアブラナ科の植物だが、ビートはアカザ科という、まったく違う種類の植物なのさ。ボルシチに使われるのは、その中でもテーブルビートと呼ばれる食用に栽培されてきた種類で、日本でテンサイと呼ばれる砂糖大根に近い※1。お日さまをタップリ浴びて赤くなったトマトと違い、ビートの赤は、どちらかというと臙脂に近い赤紫※2をしていて、それがボルシチに色を添えているのさ。 漢方において根菜類は体を温める効果があるとされている。実際に中国人は冬に大量の大根を食べるが、ロシア人はボルシチを通してテーブルビートを大量に食べるんだが、この国において、それは実に理にかなっているわけだな。また、体を温めるばかりでなく、ビタミンやミネラルも豊富なテーブルビートは、まさにロシアの医食同源を地で行った食材というわけさね。 |
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| ボルシチのいろいろ | ||||||||||||||||||||
| あっしら日本人はロシア料理というと、ボルシチとピロシキ、それにキャビアくらいしか思いつかないが、広大な国土にさまざまな民族を抱えた国土だから、バラエティ豊かな食文化がある。 さまざまな国々と国境を接している関係で、中華やヨーロッパ料理がミックスされているものも多く、ピロシキなどは中華の春巻きや肉まんなどとの共通点も見出すことができる。カザフスタンやキルギスタン、ウズベキスタン※3など、中国との国境に接している地域はなおさらだ。イスラム教の多い地域では串焼きのカバブ料理――それも羊を使ったものが食べられている。それから美食の地として知られているアゼルバイジャンでは、あの世界三大珍味のひとつキャビアの特産地として有名だ。 |
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さて、ボルシチについても同様で、もともとはお隣のウクライナやグルジアの郷土料理だったといわれている。そのレシピは地域はもちろん、家庭によって違う。ただ、どのボルシチも必ずテーブルビートを使い、食べる前にサワークリームをかけるのが基本なんだな。 ウクライナのボルシチはインゲンなどのお豆さんを入れ、クヴァースというテーブルビートを使った発泡性飲料を入れる。肉は牛や豚、鶏、羊など、何を使ってもかまわないし、野菜も同様。 変わったところでは白ボルシチと呼ばれる、テーブルビートを使わないものもある。もっとも、あちらではジュレークといい、ボルシチとは呼ばないことが多いがね。こいつはポーランドやベラルーシ、リトアニアで食べられるお鍋さんで、ライ麦の粉と酢を湯で溶いて醗酵させたものを使うのが特徴だ。 さーて、時間が来やがった。 それじゃお客さん、次回をお楽しみに! |
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