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水産物 医食同源
冬将軍にゃあ、「ナベ奉行」のあったか裁きが一番でぃ!/2-8
掲載日:2008年03月26日 
 
 まいど、まいど、イダテンのゲンさんです!
 いやあ、ここんところの円高ドル安といい、株価の乱高下といい、いやはやアタマの痛い日が続くもんだな〜!
 素人衆の友だちからは、「ゲンさん。ドルが安くなりゃ、仕入れが安くなっていいじゃねえか」なんて言われるんだが、逆にいえば、前に仕入れた在庫が安くなるワケだから、あまり良いことはない。いずれにせよ、あまり激しく不安定な経済の動きは、歓迎できる話じゃないやね。
 それに加えて戦後初めてという日銀総裁空席という事態ってのは、どうにもね〜。”実務に支障はない”なんて言うけれど、こんな外聞のわるい話を内外にさらして、日本経済に良い影響があるとは思えないよな〜。まあ、与党と野党。どちらがどうとは言わないが、「いい加減にしやがれ、このヤロー!」なんて思うこの頃だ。
 だが、困った時にこそチャンスは訪れるもの!
 すでに食材仕入ドットコムさんは、このドル安を、みなさまに還元するキャンペーンをはじめている。また、これからのゴールデンウィーク商戦に入る上で、さまざまなサービスを考案中だ。こんな時期だからこそ、みなさまのお役に立てる食材を、イヤというほど仕入れてくるもんで・・・どうぞ楽しみにしておくんなせえ。
 ともかくもみなさま、ご注文のほど。お待ち申し上げやすぜ!
   
  寒い国の温かい一皿は如何?
  写真 前回の「ナベ奉行」では”ちゃんこ”を取り上げてみたが、最近はモンゴルの両横綱を筆頭に、ロシアやグルジア、エストニアなどの旧ソビエト圏の力士たちの台頭が目覚ましい。
 ちゃんこもジンギスカンやボルシチなど、彼らの郷土料理が人気を集め、あらたなちゃんこメニューとして相撲部屋の定番になっているそうだ。
 そんなワケで今回の「ナベ奉行」は、そのロシアおふくろの味・ボルシチとやらを取り上げてみよう。ロシアの人たちは、長い冬に鍋いっぱいのボルシチを作り、家族で3〜4日かけて食べるんだが、これくらい栄養満点で体を温めてくれる料理はない。
 日本でボルシチといえば、おもに洋食メニューとして広く食べられている一品だが、どちらかといえば外食でいただくもので、一般的な家庭で料理されるものではない。
 だが、もとは家庭の鍋料理だから、そのレシピは意外にシンプルなもの。簡単に作り方をご紹介するから、お時間のある方はぜひとも試しておくんなせえ。
 これから春に向けて三寒四温の日々だが、こんな時期だからこそ、冷える一日はなおさら体に堪えるもの。ひとつ寒い国の一皿で、新しい年度に備えてはいかがかな。
   
 
寒い国の暖かい鍋料理-ロシアボルシチの楽しみ方
ボルシチ
1.
鍋にサラダ油を入れて牛肉の表面を炒める。
レシピ写真
豚肉バラ肉
  • 牛ブロック角切り(オーストラリア産)
  • 牛スジ肉(スジ肉は和牛に限る)

食材仕入ドットコムさんなら牛肉
ナーベル(ともばら)か、ポイント(肩部肉)がオススメだが、現在入荷待ちなので、豚肉バラ肉がオススメ!!
分量は両方で、400g〜500gくらい。

2.
炒めた肉の表面を水で洗い、油を落とす。
そして、水2リットルを入れ、ローリエを入れ沸騰寸前で弱火にする。
アクを丁寧にすくう。

レシピ写真
3.
肉を煮込んでいる間だに野菜(玉ねぎ、ニンジン、ジャガイモ、キャベツ )を切る。
レシピ写真
4.
煮くずれしないよう野菜を炒めておく。
レシピ写真
5.
肉を中〜弱火で1時間半〜2時間煮込んでから、野菜を煮込む(約15分)
好みでワインを入れてもOK。
レシピ写真
6.
ビートを用意する。缶詰でもOK。
レシピ写真

7.
ビートを入れ5〜10分煮込む。ビートは独特の土臭さがあるので、気になる人は焼酎かウォトカを少量いれるとよい。

レシピ写真
10.
サワークリームを入れれば、できあがり。
レシピ写真
   
  体を温めるボルシチの赤、その正体は?
   ボルシチといえば、赤いスープの中に肉や大きめの野菜がゴロッと入った洋食メニューとして知られている。だが、一般的な日本人で、あの赤い汁の正体が何だかわかっている人は、意外に少ないかもしれない。
 なに、ゲンさん。ありゃ、トマトだろうってか?
 お客さん。失礼ながら、アンタ素人だね〜。日照時間が少ないロシアで、あんなに赤いトマトが採れるはずないだろう? それにトマトは茄子などと同様、漢方では体を冷やす働きのある食材だ。健康的な食材であるものの、マクロビオティックなどでは避けられている野菜だよ。そんな体を冷やす食材が、寒いロシアで広まるはずはないだろう?
 あの赤いスープ。みなさま先刻ご承知かもしれないが、あれはビート(ビーツ)と呼ばれる西洋赤カブだ。赤カブという名前で誤解されてしまうが、漬物などに使われる日本のカブや赤カブとは、まったく別物だ。
  写真
   カブはアブラナ科の植物だが、ビートはアカザ科という、まったく違う種類の植物なのさ。ボルシチに使われるのは、その中でもテーブルビートと呼ばれる食用に栽培されてきた種類で、日本でテンサイと呼ばれる砂糖大根に近い※1。お日さまをタップリ浴びて赤くなったトマトと違い、ビートの赤は、どちらかというと臙脂に近い赤紫※2をしていて、それがボルシチに色を添えているのさ。
 漢方において根菜類は体を温める効果があるとされている。実際に中国人は冬に大量の大根を食べるが、ロシア人はボルシチを通してテーブルビートを大量に食べるんだが、この国において、それは実に理にかなっているわけだな。また、体を温めるばかりでなく、ビタミンやミネラルも豊富なテーブルビートは、まさにロシアの医食同源を地で行った食材というわけさね。
 
   
※1

テーブルビートは、テンサイより糖分は少ないが、煮ると甘味が出るのが特徴。

※2 トマトの赤がリコピンという、いわばニンジンなどのカロチンに近い色素であるのに対し、ビートの赤はベタシアニンという色素で構成されている。
   
  ボルシチのいろいろ
   あっしら日本人はロシア料理というと、ボルシチとピロシキ、それにキャビアくらいしか思いつかないが、広大な国土にさまざまな民族を抱えた国土だから、バラエティ豊かな食文化がある。
 さまざまな国々と国境を接している関係で、中華やヨーロッパ料理がミックスされているものも多く、ピロシキなどは中華の春巻きや肉まんなどとの共通点も見出すことができる。カザフスタンやキルギスタン、ウズベキスタン※3など、中国との国境に接している地域はなおさらだ。イスラム教の多い地域では串焼きのカバブ料理――それも羊を使ったものが食べられている。それから美食の地として知られているアゼルバイジャンでは、あの世界三大珍味のひとつキャビアの特産地として有名だ。
  写真
   さて、ボルシチについても同様で、もともとはお隣のウクライナやグルジアの郷土料理だったといわれている。そのレシピは地域はもちろん、家庭によって違う。ただ、どのボルシチも必ずテーブルビートを使い、食べる前にサワークリームをかけるのが基本なんだな。
 ウクライナのボルシチはインゲンなどのお豆さんを入れ、クヴァースというテーブルビートを使った発泡性飲料を入れる。肉は牛や豚、鶏、羊など、何を使ってもかまわないし、野菜も同様。
 変わったところでは白ボルシチと呼ばれる、テーブルビートを使わないものもある。もっとも、あちらではジュレークといい、ボルシチとは呼ばないことが多いがね。こいつはポーランドやベラルーシ、リトアニアで食べられるお鍋さんで、ライ麦の粉と酢を湯で溶いて醗酵させたものを使うのが特徴だ。
 さーて、時間が来やがった。
 それじゃお客さん、次回をお楽しみに!
 
   
※3

これらの国々は、いずれもソビエト崩壊後に独立したロシアの近隣諸国だが、食文化的に線引きをするのは難しいので、ロシア料理の範疇に入れた。

   
 
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