| 掲載日:2008年02月14日 |
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| ポトフはフランス料理の原点でい! | ||||||||||||
| 今回の「ナベ奉行」は冬の寒い時期にはピッタリ! お子さまも大好きな「ポトフ」とやらを取り上げてみよう。 ポトフとは肉の塊をコトコト煮込んでから、大きく荒く切ったニンジン、タマネギ、カブ、セロリなどの野菜類を入れ、さらにやわらかく煮るという料理だ。レシピはシンプルだが、これでなかなか奥が深く、肉・野菜・スープという3つの要素を一つの鍋で満たしてしまう、いわばフランス料理の原点とも言われている一皿さね。 ところでフランス料理の原点――そう聞けば、お客さんがたの中には、“フォン・ド・ヴォー”を思い出す玄人衆も少なくないだろう。 |
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フォン・ド・ヴォーと言えば、先刻ご承知のようにフランス料理・ソースの基本だ。仔牛などの骨やスジを焼き色がつくまで炒め、水に入れ、さらには炒めた香味野菜とともに弱火でゆっくり煮込んだもので、アク取りや煮込みに何10時間とかかる場合がある、とてつもなく手のかかるシロモノ※1だが、こういったソースは、フランス料理にとって“命”であることは申し上げるまでもない。 そして、もう一方でフランス料理の命といえるものに、スープに使われるブイヨンがある。さきほど、あっしは“ポトフはフランス料理の原点”と申し上げたが、それはなぜか? これはあっしの考えだが、フレンチにおいてフォン・ド・ヴォーがソースの基本であるならば、スープの基本はブイヨン、そしてポトフにあると言えるからさね。 では、ちょっくらポトフのレシピをご覧いただいて、続きはその後でお話いたしやしょう。 |
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| フランス宮廷料理vs家庭料理 | ||||||||||||
| さーて、さきほどフォン・ド・ヴォーのレシピをご説明したが、おおまかなところでコイツはブイヨンの作り方とよく似ているんだ。 ソースの素になるフォン・ド・ヴォーは、香味野菜も加えるが、骨や肉から出る旨味を基調にしているのが特徴だ。 |
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| 一方でスープの素になるブイヨンは肉や魚の旨味を基調にしてはいるが、香味野菜の果たす役割が大きいのが特徴だ。野菜の甘味はスープベースにした場合、素晴らしい旨味を出すのだが、ソースとして使うと濃厚なフランス料理の食材に負けてしまうのさ。 そんなフレンチというのは究極の美食であり、特に宮廷料理はその極致だ。 |
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最近でこそ健康嗜好にシフトしてきたフランス料理だが、ルイ14世の時代に完成した時のフレンチは、“これでもか!”といわんばかりの肉や山海の珍味を、濃厚なソースによって極限まで彩る贅沢料理だったのさ(まあ、フランスの貴族に痛風が多かったってえのも、うなずける話さね〜)。ところがこういった究極の美食は、王様や貴族に限ってできたシロモノだ。かのマリー・アントワネットが時の宰相に「国民はパンに飢えておりますぞ」と進言された際、「それじゃ、ケーキを食べればいいじゃないの」と答えたというのは、有名なエピソードだが※2、当時の農民にとって、肉など滅多に食べられるものではなかったのさ。 一頭の豚を潰したら、血の一滴まで腸詰めや塩漬けにして、一家族でひと冬を過ごす。それが当時のフランス庶民の食生活だったわけだ。 塩漬けにした貴重な肉のかけらを、野菜とともにコトコト煮込んで出来た料理・・・それが「ポトフ」であり、スープだけをとり出したものが「ブイヨン」だったというわけさ。ポトフがフランス料理の原点といわれるのは、そんな理由があると、あっしはそんな風に考えているのさ。 |
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| ポトフとポテは兄弟か? | ||||||||||||
| 塩漬け肉を、野菜とともにコトコト煮込んだ料理。ポトフによく似たフランス家庭料理に「ポテ」と呼ばれるものがある。 え? ゲンさん、いったいそれがポトフと、どう違うんだって? いやいや、お客さんの言う通り。両者は作り方はもちろん味も名前ともよく似た、まるで双子のような料理なんだ。ただ、ポテは塩漬けにした豚肉を使うという違いはあるが、作り方はおおむねポトフと同じ。ポトフも塩漬け肉を使うことがあるから、ちょっくらややこしい。 ポテは豚バラ肉の塊に岩塩をタップリ擦り込んで、1週間ほど寝かして味を濃縮させたものを、また塩抜きしてから何時間も煮込んで作るのが特徴さね。 |
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一方、ポトフの場合に使われる肉は融通無碍だ。牛肉や豚肉の塊、骨付きの鶏肉はもちろん、ソーセージやベーコンもOK。先程のレシピでは、うちの山の神が”主婦の手抜き料理”とやらをお見せしているが、それでも十分美味しいのがポトフの利点さね。 それじゃ、ゲンさん。ポトフとポテは兄弟どうしっていうわけだね、ってか? うーん・・・そいつはどうかな〜。 先程申し上げたように、フォン・ド・ヴォーとブイヨンは、似たようなレシピをしてるけど、両者のモトをただすと、フォン・ド・ヴォーは貴族料理のレシピであり、一方でブイヨンのルーツは、家庭料理のポトフにさかのぼる可能性がある。 また見た目や味が同じようなものでも、イタリアンの乾燥パスタと手打ちパスタのように、ルーツがまったく違う場合がある。 だからポトフとポテが兄弟に当たるかどうかは、何とも言えないのさ。 とはいえ、フランスの各地方にはさまざまなポトフがあるだけでなく、ドイツ料理にも「アイントプフ」と呼ばれるポトフがあって、こいつはレンズ豆が加えられているのが特徴だ。ともかくも肉・野菜。スープの三位一体を一度にいただけるポトフは、栄養バランスも良い上、暖まることこの上ない。 また、これからの春先――体調が変わる季節には、新ジャガや春キャベツ、菜の花などの“春野菜”を使って体調を整えてみよう。みなさまの健康がさらに増進されること、受け合いさね。 さーて、時間が来やがった。 それじゃ、お客さん! 次回をお楽しみに! |
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