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水産物 医食同源
冬将軍にゃあ、「ナベ奉行」のあったか裁きが一番でぃ!/2-5
掲載日:2008年02月14日 
 
 まいど、まいど、イダテンのゲンさんです!
 いやあ、3連休の初日。天気予報じゃあ雪が降るなんて行ってたけど、本当に降ってきやがったよな〜。東京じゃあ湿気の多いボタ雪だったから、幸い積もることもなく、翌日は気持ち良く晴れてくれたけど、あっしの自宅の近所では、ここんとこの寒さで長老たちが体調をくずしてしまい、そろって寝込んでいるところだ。
 先日の雪では青梅マラソンが中止になってしまい、アテにしていたお客さん方からため息が聞こえてきたが、今度の東京マラソンではどうなることやら(沿道の飲食店さんは、迷惑なんだそうだがね)。
 おかげで鍋の具材は好調そのもの。せいぜい、もう一踏ん張りと考えてる最中さね!
 風邪が流行るばかりでなく、そろそろ花粉も舞い始める季節だ。どうぞお体に気をつけて商売に励んでくだせえよ!
   
  ポトフはフランス料理の原点でい!
   今回の「ナベ奉行」は冬の寒い時期にはピッタリ! お子さまも大好きな「ポトフ」とやらを取り上げてみよう。
 ポトフとは肉の塊をコトコト煮込んでから、大きく荒く切ったニンジン、タマネギ、カブ、セロリなどの野菜類を入れ、さらにやわらかく煮るという料理だ。レシピはシンプルだが、これでなかなか奥が深く、肉・野菜・スープという3つの要素を一つの鍋で満たしてしまう、いわばフランス料理の原点とも言われている一皿さね。
 ところでフランス料理の原点――そう聞けば、お客さんがたの中には、“フォン・ド・ヴォー”を思い出す玄人衆も少なくないだろう。
  写真
   フォン・ド・ヴォーと言えば、先刻ご承知のようにフランス料理・ソースの基本だ。仔牛などの骨やスジを焼き色がつくまで炒め、水に入れ、さらには炒めた香味野菜とともに弱火でゆっくり煮込んだもので、アク取りや煮込みに何10時間とかかる場合がある、とてつもなく手のかかるシロモノ※1だが、こういったソースは、フランス料理にとって“命”であることは申し上げるまでもない。
 そして、もう一方でフランス料理の命といえるものに、スープに使われるブイヨンがある。さきほど、あっしは“ポトフはフランス料理の原点”と申し上げたが、それはなぜか?
 これはあっしの考えだが、フレンチにおいてフォン・ド・ヴォーがソースの基本であるならば、スープの基本はブイヨン、そしてポトフにあると言えるからさね。
 では、ちょっくらポトフのレシピをご覧いただいて、続きはその後でお話いたしやしょう。
 
   
※1

仔牛の代わりに子羊を使ったり、鶏を使う場合もある。ジビエには褐色系のフォンを使い、鶏や魚には白いフォンを使うなど、そのレシピは千変万化である。

   
 
簡単・洋風鍋 ポトフのレシピ
イラストポトフは凝って作ろうと思えば「男の料理」として楽しめるし、簡単に美味しく「主婦の味方料理」としても楽しめる便利な一品。
まさに寒いこの冬にはピッタリの鍋料理です!
1.
鍋にスープの素を入れ、煮えにくい野菜を入れる。
岩塩大さじ一杯も肉に合う塩味でイケます!
  1. 白ワインカップ半分
  2. ジャガイモを丸ごと
  3. 面取りしたお大根(面取りは必ずしたい)
  4. タテに切ったニンジン

を入れる。

レシピ写真
聖護院ダイコンのイラストポトフに大根。これが味がしみてバツグン!
手に入れば煮くずれに強い聖護院ダイコンを入れる。
2.
肉を入れ、キャベツ類を入れる。
  1. 鶏肉
    あるいは、食材仕入ドットコムさんの手羽先などを入れても美味♪
  2. ソーセージを入れても美味しい。 
    食材仕入ドットコムさんのシャウエッセンなどでも美味しいですよ。
  3. キャベツは1/4〜1/8に切ったものを入れる。
    キャベツはホコホコして芯まで美味しく食べられます。
レシピ写真
レシピ写真
料理のポイント
イラスト
  1. こまめにアクをとる。
  2. 具はなるべく動かさないこと。
  3. 煮立たせない。
  4. ベイリーフやブーケガルニなどの香草類をいれても美味しいが、その際に大根は入れない方がよい。変わりにセロリやリーキ(ポロネギ)を入れてください。
レシピ写真
   
  フランス宮廷料理vs家庭料理
   さーて、さきほどフォン・ド・ヴォーのレシピをご説明したが、おおまかなところでコイツはブイヨンの作り方とよく似ているんだ。
 ソースの素になるフォン・ド・ヴォーは、香味野菜も加えるが、骨や肉から出る旨味を基調にしているのが特徴だ。
  写真
   一方でスープの素になるブイヨンは肉や魚の旨味を基調にしてはいるが、香味野菜の果たす役割が大きいのが特徴だ。野菜の甘味はスープベースにした場合、素晴らしい旨味を出すのだが、ソースとして使うと濃厚なフランス料理の食材に負けてしまうのさ。
 そんなフレンチというのは究極の美食であり、特に宮廷料理はその極致だ。
  写真 最近でこそ健康嗜好にシフトしてきたフランス料理だが、ルイ14世の時代に完成した時のフレンチは、“これでもか!”といわんばかりの肉や山海の珍味を、濃厚なソースによって極限まで彩る贅沢料理だったのさ(まあ、フランスの貴族に痛風が多かったってえのも、うなずける話さね〜)。
 ところがこういった究極の美食は、王様や貴族に限ってできたシロモノだ。かのマリー・アントワネットが時の宰相に「国民はパンに飢えておりますぞ」と進言された際、「それじゃ、ケーキを食べればいいじゃないの」と答えたというのは、有名なエピソードだが※2、当時の農民にとって、肉など滅多に食べられるものではなかったのさ。
 一頭の豚を潰したら、血の一滴まで腸詰めや塩漬けにして、一家族でひと冬を過ごす。それが当時のフランス庶民の食生活だったわけだ。
 塩漬けにした貴重な肉のかけらを、野菜とともにコトコト煮込んで出来た料理・・・それが「ポトフ」であり、スープだけをとり出したものが「ブイヨン」だったというわけさ。ポトフがフランス料理の原点といわれるのは、そんな理由があると、あっしはそんな風に考えているのさ。
 
   
※2

実際には国民を怒らせて扇動させるためのプロパガンダだった、という説もある。ただ、このマリー・アントワネットの言葉もあながち嘘とも言えないところはあり、真実は薮の中である。

   
  ポトフとポテは兄弟か?
   塩漬け肉を、野菜とともにコトコト煮込んだ料理。ポトフによく似たフランス家庭料理に「ポテ」と呼ばれるものがある。
 え? ゲンさん、いったいそれがポトフと、どう違うんだって?
 いやいや、お客さんの言う通り。両者は作り方はもちろん味も名前ともよく似た、まるで双子のような料理なんだ。ただ、ポテは塩漬けにした豚肉を使うという違いはあるが、作り方はおおむねポトフと同じ。ポトフも塩漬け肉を使うことがあるから、ちょっくらややこしい。
 ポテは豚バラ肉の塊に岩塩をタップリ擦り込んで、1週間ほど寝かして味を濃縮させたものを、また塩抜きしてから何時間も煮込んで作るのが特徴さね。
  写真
   一方、ポトフの場合に使われる肉は融通無碍だ。牛肉や豚肉の塊、骨付きの鶏肉はもちろん、ソーセージやベーコンもOK。先程のレシピでは、うちの山の神が”主婦の手抜き料理”とやらをお見せしているが、それでも十分美味しいのがポトフの利点さね。
 それじゃ、ゲンさん。ポトフとポテは兄弟どうしっていうわけだね、ってか?
 うーん・・・そいつはどうかな〜。
 先程申し上げたように、フォン・ド・ヴォーとブイヨンは、似たようなレシピをしてるけど、両者のモトをただすと、フォン・ド・ヴォーは貴族料理のレシピであり、一方でブイヨンのルーツは、家庭料理のポトフにさかのぼる可能性がある。
 また見た目や味が同じようなものでも、イタリアンの乾燥パスタと手打ちパスタのように、ルーツがまったく違う場合がある
 だからポトフとポテが兄弟に当たるかどうかは、何とも言えないのさ。
 とはいえ、フランスの各地方にはさまざまなポトフがあるだけでなく、ドイツ料理にも「アイントプフ」と呼ばれるポトフがあって、こいつはレンズ豆が加えられているのが特徴だ。ともかくも肉・野菜。スープの三位一体を一度にいただけるポトフは、栄養バランスも良い上、暖まることこの上ない。
 また、これからの春先――体調が変わる季節には、新ジャガや春キャベツ、菜の花などの“春野菜”を使って体調を整えてみよう。みなさまの健康がさらに増進されること、受け合いさね。
 さーて、時間が来やがった。
 それじゃ、お客さん! 次回をお楽しみに!
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