| 掲載日:2007年12月27日 |
|
||||||||||||||||||||||||
| 「カレー鍋」の原点はカレー南蛮にあり? | ||||||||||||||||||||||||
さーて、今年のシメになる医食同源。前回の火鍋に引き続き、今回も辛いモン繋がりってことで、今流行りの「カレー鍋」とやらを取り上げてみよう。流行りモノってこともあるから、みなさんお店ではすでにメニューに入れてるところもあるだろう。一方ではそんなモン聞いたこともない、なんてご仁もいることだろう。 かく言う、あっしイダテンのゲンさんはどうかというと、昨年はじめたことで知ったというのがホントのところで、それも「ナベ奉行」の連載をしていたから小耳にはさんだワケさね。 はじめてカレー鍋の話を聞いた時は「何でえ、そりゃ?」と思ったもんだ。このゴマ塩の古いアタマにとって、そんなモンは邪道中の邪道。近頃はプリンに醤油をかけて「ウニ」の味とか抜かす若者がいるって言うが、そんな邪道なモンを、築地40年のゲンさんが食えるかよ・・・なんて思ったりしたもんさ。 それが、近所の寄り合いで「ゲンさん、いいからダマされたと思って食べてごらんよ」ってえんで、嫌々口にしてみたところ、こいつがなかなかバカにならねえ味! それどころか妙に後をひく懐かしい味だったモンで、このシリーズで取り上げようとした次第だ。どうか節操のないヤツと笑っておくんな。 ともかくもお子さんを中心に、巷で大人気の「カレー鍋」! レシピをご紹介するもんで、どうぞおつきあいのホドを。 |
||||||||||||||||||||||||
|
||||||||||||||||||||||||
| 滋養強壮に火鍋は如何? | ||||||||||||||||||||||||
| レシピをご覧いただいて、玄人のみなさんはおわかりだろうが、ザックリ言うと、こいつはカレー南蛮、カレーうどん※1をお鍋さんにコンバートしたようなモンだ(まあ、厳密に言うと、けっこう違いはあるんだがね)。 これは個人的な意見だが、「一般的なカレー」と「カレー南蛮」との違いは、油を使うか使わないかにあると思う。 もちろん、みなさまの中には異論もあるだろう。江戸時代にはネギと唐辛子を使ったものを「南蛮」と呼んだそうで、タマネギを使ったものが「カレー」。ネギを使ったものが「カレー南蛮」だと分ける方もいる。だが、ここであっしは両者の油の使い方に注目したいと思うのさ。 |
||||||||||||||||||||||||
![]() |
||||||||||||||||||||||||
|
「かれーな印度カレーを召し上かれー♪」のシリーズでも申し上げたが、たいていのスパイスが持ってる香成分は油と相性が良い。水溶性の成分を持つ香辛料はサフランくらいのもので、コリアンダーやターメリックなど、スパイスパウダーを水に溶こうとすると、すぐに粉が浮いてきて、なかなか馴染んでくれない。小麦粉や片栗粉のようなデンプン質のものが、サッと水でとけるのとは対照的だ。 特にインドカレーのように、スパイスひとつひとつの立った香りを大切にするカレーの場合、油は必須材料だ。油でタマネギを炒めてスパイスを入れるという、インド料理独自の儀式も、香りを最大限に引き出す上で必要なことなんだな。 ところがカレー鍋やカレー南蛮の場合、カツオだしやコンブだしに醤油味をベースに、カレー粉や片栗粉を水に溶いて入れる。油を使ってスパイスの香りを立たせてしまうと、出し汁ベースの繊細な味わいはすべて掻き消され、まったく別の食べ物になってしまうんだ。 まあ、カレー鍋も和食のカレー同様、日本で生まれた日本料理ってことになるワケで、だからこそ老若男女の抵抗なく人気が出てきたってことなのさ。 |
||||||||||||||||||||||||
|
||||||||||||||||||||||||
| カレー鍋は”ちゃんこ”からはじまった? | ||||||||||||||||||||||||
| カレー南蛮のはじまりは意外に古く、明治時代に遡る。単純に蕎麦の出し汁にカレー粉を入れたというのが、その原点だそうだ。 明治といえばインドからイギリス経由でカレー粉が渡ってきた時期だから、一般的なカレーの出現とほぼ一緒だ。そいつは今のカレーライスの原点と言われている、あの海軍カレーより前の話だから、ある意味でカレー南蛮は、”和風カレーの完成”より話は古いってことになる。 一般的なカレーがさまざまな変化をとげたのに大して、カレー南蛮というのは昔と比べて、そんなに劇的な変化をしていない。南蛮さまが何となく懐かしい感じがするのは、昔からあまり変わってない食べ物だからなのかもしれない。 |
||||||||||||||||||||||||
![]() |
||||||||||||||||||||||||
| さて、われらが「カレー鍋」だが、そんな南蛮ソバをベースにしているかどうかは別にして、こいつらが限りなく似た食べ物だってえのは間違いない。 カレー鍋をはじめてお店で出したのは、兵庫県のさる和風居酒屋という話だ。まかない料理として出していたのを、お客さんに食べてもらったところ、こいつが大評判! ・・・という、ちょっくらマスコミ受けしそうなエピソードだ。あっしはまだ食べたことはないけど、そこの店のカレー鍋は鶏ガラベースで、なかなかイケるって評判だよ。 |
||||||||||||||||||||||||
ただ、その話にケチをつけるワケじゃねえが、あっしに言わせると、もっと早い時期にカレー鍋を食べていた人たちがいた。それが、おすもうさんなんだ。元・佐渡ケ嶽部屋の力士で、マンガ家の琴剣淳弥氏の著書に「マンガ・チャンコ入門」があるけど、そこにはカレー鍋のレシピと、若い力士たちがいかにカレーちゃんこが好きかということをこと細かに記してある。どうやら相撲部屋において、カレー鍋はごく当たり前に食べられてきたものらしい。 本によるとカレー鍋には、つくね鍋のような具材が合うとしている。力士たちは通常のソップちゃんこを平らげたあと、カレー粉を入れて「カレー鍋」に早変わりさせ、さらにモリモリ食べるんだそうだ。 若い力士の食欲を増進させ、力をつけさせるカレー鍋。食べると体がポカポカするのは受け合いだ。すり下ろしショウガなんぞを入れれば、その効果はなおさらだよ! 女性の冷えによし、お子さまの成長によし。そんなカレー鍋、みなさんもおひとつ如何かな? さーて、時間が来やがった。 それじゃ、お客さん! 次回をお楽しみに! |
| Presented by 食材仕入ドットコム All Rights Reserved. Copyright© 2006, Food's-Foo 推進機構All Rights Reserved. |