| 掲載日:2007年11月14日 |
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ビールは涙かため息か |
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| そういえば、原油高のあおりを受けて、先日大手ビールメーカーが値上げを発表したなあ。前回、若者のビール離れの話をしたばかりだが――値上げをきっかけに、それがさらに加速される心配だってあるだろうけど、背に腹は代えられないってとこだろう。 まあ、美味しい地ビールやエビスビール、モルツなどの存在は、しっかりユーザーに浸透しつつある。発泡酒も以前より質は向上したとはいえ、味から言えば、こうした本格的なものにはどうしたって太刀打ちできない筈よ。 さらに、あっしに言わしてもらえりゃ、安いのが取り柄という半端なものばかり出荷すると、「ビールってえのはこの程度のモンか」と思われ、かえってビール離れを促すような気がするのさ(なに? ビールと発泡酒は違うって? ・・いやあ、一緒くたにするユーザーさんも多いんじゃないかな)。 |
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かつて日本酒においては合成酒が大量に出回り、はじめて飲んだ人に「日本酒とは甘ったるくて、二日酔いするもの」と思われたことはある。それが、未だに消費者の日本酒離れの一因となってることも考えられるわけで・・・そう思うと、なかなかオソロシイことよな〜。最近、ようやく日本酒の旨さを見直す傾向が、少しづつ芽生えてきたようだが、まだまだというのが現状だろう。 よほどの酒飲みでもない限り、一度アルコールでしくじると、多くの人はその酒を二度と口にしなくなる傾向がある。もともとお酒が好きでない人なら尚更だ。 そんな中、エビスのホップスなどは、あっし的には最近のお気に入りなんだが、今だからこそ腰をすえたビールを期待したいところさね。 |
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ビール純粋令ならぬ「ソーセージ純粋令」って? |
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ところで、そんな意味で”さすが”なのは、やっぱりドイツだな〜。1516年には、当時のバイエルン王国・ヴィルヘルム4世が、「ビールハ麦芽・ホップ・水ノミヲ原料トス」と定めた、あの「ビール純粋令」を制定したのは、以前にもお話した通りだが、ドイツ人の徹底主義というのは、それだけじゃなかったのさ。 先日、ワイマールの市政記録から発見された文書によって、1432年にチューリンゲン地方※1では、「ソーセージ純粋令」とやらが発布されていたことがわかったらしい。それによると、ビール純粋令に先んずること80年前(今から570年前)、「ソーセージは混じり気のない新鮮な肉で作ること」と定めるおふれが出されたんだそうだ。まったく連中の徹底癖には、呆れ返ったコンコンチキだが、このあたりは誠に立派と言えるだろう。 ビール純粋令のケースもそうだったが、当時のチューリンゲン地方でも、まがいものが横行していたんだろう。“脾臓や心臓、腎臓などの内臓も入れてはならない”としてあるところから、おふれはかなり徹底したものだったようだ。 そうは言っても、ソーセージってえのは、別の意味で添加物を入れずに作るのが難しい食べ物だ(おっと、添加物と一口言っても、塩やハーブ、スパイスなども含まれるから気をつけておくんなせえよ)。 |
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| たとえば、タンパク質は塩を混ぜて捏ねると固まる性質があるんだが、この塩梅が多すぎても少な過ぎてもいけない。丁度良い味付けで固めるためには、カッター補助剤と呼ばれるリン酸塩を主成分にしたものを入れるケースがある。 リン酸塩を多量に摂取した場合、健康への影響があるのかは、まだ未知数――だが、なかなか肉がまとまらないからと言って、塩分を多くしてソーセージをしょっぱくしたら、それこそ本末転倒な話だ。あちらを立てれば、こちらが立たずといったところで、そのあたりが加工食品の難しいところなんだね。 |
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イギリス食は体に良い? |
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余談ながら、リン酸塩といえばあっしの古い友だちに、人工透析を受けているAさんという女性がいる。人工透析というのは、周知のように腎不全になった人が、尿毒症にならないよう、人工的に血液の老廃物を除去し、電解質や水分量を維持する治療だ。当然ながら、透析を受けている人は食事制限も厳しく、特にタンパク質の多い食べ物や野菜類などはその対象なんだ。たとえば野菜の場合、そこに含まれるリン酸やカリウムがカルシウムを消費するため制限がある。カリウムの多いバナナなどは・・・食べていけないことはないそうだが、半分も摂取したら、その日の野菜や果物はもうNGなんだとか。 Aさんの場合、ほぼ2日に1回・4時間の透析を受けないといけないのだが・・・一病息災というのか割と元気で暮らしており、先日もイギリスとフランスに行ってきて楽しかったようだ。もちろん透析を受け入れてくれる病院をキチンと押えて行ったのだが、そこで驚いたのが英国の食事だったらしい。 いや、誤解しないでおくんな。不味いんで驚いたんじゃねえよ。実はAさん、3年ほどイギリス留学の経験があるんで、あそこの食事が旨くねえのは良ーくわかっている。 |
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それじゃ、何で驚いたのかといえば・・・食事制限のおかげで日本で外食はたまにしか摂らないAさんだったが、イギリスでは当然ながら三食すべて外食をしないといけない。ところが、5日ほど滞在した結果、血液の値がだんだん良くなって来たってえから驚きじゃねえか。 それこそ、イギリスのソーセージは色が良くない上、ダラッとして、ブニブニと柔らかいんだが、おそらくは着色剤や添加剤などを使ってないんだろう。透析を受けてる人なだけに、そのあたりは実に敏感に体に出たって寸法よ。 さまざまなものを味覚と引き換えにしている英国紳士たちだが、イギリス人が食品添加物を控えているとはねえ。せっかく添加物を控えてくれるのなら、もっと美味しくすれば良いのに・・というのがAさんの弁だが、そこが英国人の英国人たる所以なんだろう。 |
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クルーセには黒ビールを |
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| さきほど「ソーセージ純粋令」がドイツはチューリンゲン地方の話だと申し上げたが、あそこにはクルーセ(Kloesse)と呼ばれる名物料理がある。 | |||||||
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| クルーセは写真のようなでっかいジャガイモ団子なんだが、ポテト料理には珍しく、モチモチした食感が魅力の一品だ。ジャガイモを精進料理のようにすりおろし、いったん乾燥させて戻したものと、生のものとを合わせ団子にし、茹で上げた料理さね。 ジャーマンポテトやフライドポテトのように、ホコホコした食感ではなく、文字通り団子やお餅に似た感じがして、量の多さを別にすれば女性に人気のある品だ。 こいつに合うのが、チューリンゲン名物ケストリッツァーと呼ばれる黒ビール。ゲーテも愛飲したというビールで、濃厚なのに爽やかな苦味があって、あとを引く一杯だ。 |
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また、あっしの個人的好みで言うと、イギリスのガージェリー・スタウトという上面醗酵の黒ビールが合うと思う。ガージェリーは英国の文豪ディッケンズの小説に出てくる、頑固一徹な鍛冶屋だそうだが、そんな妥協しない姿勢がビールにもあらわれているわけだな。 まさにガージェリー・スタウトはローストした麦芽にフルーティーな香りが相まった、実に味わい深い一品だ。 さーて、時間が来やがった。 それじゃお客さん! 次回をお楽しみに! |
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