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水産物 医食同源
ヒヤッとビヤっとビールだぜ! 12
掲載日:2007年10月31日
 

 アイコンまいど、まいど、イダテンのゲンさんです!
 いやあ、先日の赤福といい、秋田の比内地鶏といい、同じ食品業界で飯を食う人間としては、何とも歯がゆくって仕方ねえ事件が続くわなあ。真面目にやってる人間とすると、迷惑千万な話なもんで、ちょっくらグチを言わせていただきてえ。
 もちろん偽装工作は論外。そんなモン呆れて言う気もしねえが、実際には、当然ながら食品業界は真面目にやってるところの方が多いんだ。あっしが水産人だから言うわけじゃねえが、この世界は何だかんだと信用が第一。世界一厳しい日本の食品基準をクリアし、利幅の薄い中をコツコツと売り上げていく。それが日本の食品業界であり、水産人なわけだ。
 もちろん、食材仕入ドットコムさんでお売りしているものは、その世界一厳しい基準をクリアした安全な食材ばかり! 中国産の食材も扱っているが、それは日本人の常駐スタッフが「郷に入れども、郷に従うべからず」とばかり、日本基準で厳しく管理したものばかり扱っている。
 どうぞ、お客さんがた! 安心してご注文しておくんなせえよ!

   
 

ビールも選択肢の時代

   時にお客さん。聞くところによると、最近の若い人は昔ほどビールを飲まないそうだな〜。今年は記録的な猛暑だったわりに、ビールの伸びはそれほどでもなかったようで――それもこれも、昔と違って飲み物の選択肢が増えたってことなんだろう。
 ビールが「苦い」ってえのも、若者のビール離れをうながす一因だそうだ。苦味が好まれないってえのは、ある意味で若者の味覚がお子ちゃまになっていると考えられるし、もう一方で、日本のビールがあまりにピルスナー1種類に偏り過ぎたってことも言えるだろう。ビールは甘味のあるものや、酸味の強いもの、果実の香りのするものなど、もっと様々な種類があるのにねえ。いくら世界で一番飲まれているのがピルスナースタイルだからといって、それ1種類が殆どというのも芸のない話かもしれねえやな。
  写真_ドイツ
   前回もご紹介したように、ドイツには「ベルリナーヴァイセ」という女性向き甘口のビールがある。ベルリナーヴァイセには緑や赤の種類があって、アルコール分が2〜3%と低く、ワイングラス型のグラスに入れてストローで飲むという、それこそビール党には邪道中の邪道に思えるビールなんだ。ところが、そこは本場ドイツ! 最初は「何だ、これ?」と思うんだが、飲むとそのうちクセになるってえんだから、驚き、桃の木、山椒の木だ。飲み口がいいから、カクテルのベースにも人気の逸品さね。
 日本の大手ビール会社は、確かに旨いビールを製造しているが、多様化が進む今の世の中、いろんなビールを飲ませてくれたら良いなと思う次第さね。
  写真_ビール
   そんな意味で頑張っているのは、日本の地ビールだ。小回りが利き、コアなお客を狙って商売ができるためか、本場ドイツ人も唸らせるほど、本格的な旨いビールを提供してくれる。たとえば、銀河高原ビールは南ドイツ名物、小麦麦芽を使ったヴァイセン。Yona Yona ビールは上面醗酵のアメリカンエールといった具合に、こだわりを持ってしっかり作っているところが多い。
 こうした地ビールには、刺し身や煮物との相性がイマイチ※1というピルスナーと違って、日本食との食い合わせもバッチリというものが少なくない。
 今回は、そんな意味でビールの味わい方を考えてみよう。
 
   
※1

日本食(特に醤油)もビールもかすかな硫黄臭があるので、それが増幅されてしまう場合がある。

   
 

苦味のモト、ホップの味を探ってみよう!

   何度も申し上げているように、ビールとはピルスナーばかりではない。上面醗酵のエールもあれば、小麦を使ったヴァイセン、オレンジピールやコリアンダーを使ったヒューガルデンのようなベルギービールもある。
 「旨いな」とか、「変わった味だな」とか、飲めばさまざまな感想があるだろうが、飲みっぱなしじゃなく、ひとつテイスティングをされてみるといいやな。玄人のみなさんには河童に水練かもしれねえが、これらの味わいをわかるために一番良い方法は、実は言葉にしてみるのが良いのさ。
  写真_ドイツ
   ほら、ソムリエがワインを「重油の味わい」とか「落ち葉のたまった腐葉土の香り」、中には「猫のおしっこの匂い」なんて表現をすることがあるだろう。味や香りってえのは、言葉にするのが難しいもんなんだが、ビールについても言葉にしてみると、味わいがより深まるってわけよ。
 まずはビールの中に、どんな味があるのか探ってみると良い。ビールってえのは基本的に水と麦芽、ホップというシンプルな材料で出来ているから、味のキモになるのが苦味と甘味だ。特に苦味のモトになるホップの味ってえのは、旨いビールになるほど際立ってくるものが少なくない。若者のビール離れの一因になっている「苦味」だが、これぞビールの大切な要素だから、よーく味わっていただきてえもんだ。
  写真_ドイツ
   ホップの味なんて、何だかよくわかんないって初心者の方は、あのビール代用飲料「ホッピー」を飲んでみると良い。ホッピーってえのは、ビールと同じ製法で作ったノンアルコール飲料で、焼酎などで割って飲む清涼飲料水だ。コイツがなかなかよく出来た飲み物で、ドイツ産のホップを直輸入して使っているので、純粋にホップの味がよくわかる。
 はじめて飲んだ人は異口同音に「あ、ビールの味だ」とか、ホップの味なんざわからねえクセに「ホップの味がする」なんて言うくらい。ちょっくら試しておくんなせえ。
 そうやってホップの味を覚えたら、次のオススメは「よなよなビール」。こいつは、長野は軽井沢にあるヤッホー・ブルワーズという地ビールメーカーが作っているものだが、アメリカ産ホップの味が際立ったビールなんだ。オレンジとグレープフルーツを合わせたような柑橘系の香りが何ともいえない。ビアコンペの賞を総なめにしている逸品で、ホップの味わいを楽しむには最適なビールと言って良いだろう。
 だまされたと思って、おひとつ試しておくんなせえ。
 

ビールの甘味と酸味って?

   
  イラスト
   日本のビールで忘れがちなのが「甘味」ってやつだ。とかく飽食の時代、苦味以上に甘味ってやつは敬遠されがちだが、「甘い」は「旨い」で、昆虫からクマにかけて甘いものの嫌いな動物はいない。それほど生き物が生理的に欲する味覚が甘味だと思って良いだろう。
 ビールの場合も、麦芽の糖分をイーストが分解してアルコールにするわけだが、イーストは糖分すべてを食べてしまうわけでないので、当然ビールの中に糖分が残留する。イギリスのスイートスタウトのように、あらかじめ砂糖を入れて醗酵させる種類のビールもあるくらい、甘味ってえのはビールの大切な要素なんだな。ちなみにスイートスタウトはチョコレートのようなカラメルフレーバーが特徴のビールで、文字通りチョコレートのように甘いものと一緒に食べても美味しいビールさね。
  写真_ドイツ
 

 ところがその一方で、みなさまお馴染のドライビールってえのは、醗酵を高め、イーストさまに糖分をいっぱい食べていただいたおビールだ。甘味がとことん抑えられ、スッキリとした飲み口で一世を風靡したビールだが、今の若者には少々甘味が足りないのかもしれねえな〜。

 もうひとつ、ビールの味覚で大切なのが「酸味」ってやつだ。日本人の感覚では「ビールに酸味?」というご仁は多いかもしれないが、ヨーロッパでは酸味の強いビールはけっこうな人気。
 小麦を使った南ドイツのヴァイセン・ビールは、レモンとスパイスを入れたような酸味が魅力だし、ベルギーの自然醗酵ビール、ランビックはわざと古いホップを使い、醗酵したチーズの匂いがするビールを造っている。また同じベルギーのヒューガルテンは、オレンジピールやコリアンダーを入れることで、独特の酸味と薬くさいスパイス香をかもしているなど、こと個性的なビールには酸味は大切な要素になっているのさ。
 さーて、時間がきやがった。
 それじゃ、お客さん! 次回をお楽しみに!

 
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