| 掲載日:2007年10月17日 |
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ビールの祭典、オクトーバーフェストをご存知かい? |
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| 今回も前回に続いてビールとドイツ料理についてのお話だ。人によるとドイツは食べ物がまずいなんて言うけれど、決してそんなことはない。ただ、ドイツではジャガイモにライ麦パン、チーズ、ソーセージなど、毎日同じものばかり出てくることが多いので、飽きてしまうことはある。何といっても質実剛健なドイツ人だからな。 | |||||||
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| だが、そのドイツ人も季節の変わり目ごとにやってくる年中行事には、目一杯食べることを楽しむ。ビール祭りを筆頭に、ワイン祭り、タマネギ祭り、ソーセージ祭り、ケーキとクッキーのお祭りなど。その中でも、毎年ミュンヘンで行われる世界最大のビール祭り「オクトーバーフェスト」は、とりわけ盛大で華やかだ。 | |||||||
日本でも日独交流の一環として、東京の日比谷や横浜、仙台、松本、清水の5箇所でオクトーバーフェストが開かれるようになったが※1、本場のヤツはそれを遥かに凌駕する規模だ。こいつは毎年、9月下旬から10月上旬にかけて行われるイベントで、今年も世界中から600万人が集まったという、ドイツ中がビールの泡まみれになるような賑わいだ。フェスタ用に特別に作られた、6%ちょっとというアルコール高めのビールを、Mass(マス)と呼ばれる1リットルジョッキに並々と注いでグビグビと飲む。つまみはローストチキンにカマンベールチーズ、ドイツパンの特製プレッツェル、そして定番のソーセージ、ジャガイモが巨大な胃袋の中で消化されていくわけさ。 質実剛健を旨とドイツ人だが、実際には連中――意外に陽気で騒々しい。「Prost(プロースト」という乾杯のかけ声を繰り返し、机の上に登っては踊り、肩を組んで歌い出す。見知らぬ人どうしも、すぐに友達になって一緒に飲み出すんだそうさ。 |
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白ビールのヴァイス・ビアは如何? |
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| ドイツは全国で5000種類以上あるというビール大国で、醸造所も1200箇所ほどにのぼるそうだ。これは大手メーカー以外の地ビールが発達しているからなんだが、その半分がミュンヘンを中心にした南ドイツはバイエルン州に集まっている。何といってもバイエルン地方は、16世紀にはあの「ビール純粋令」のおふれが出されたところだからな。 ドイツは地方ごとにさまざまな地ビールあって、ケルン地方のケルシュや、ベルリン周辺の特産ベルリナー・ヴァイセのように、地方限定のビールが少なくない。 もちろん全国半数の醸造所は集めるバイエルン州も、当然ながらさまざまなビールがある。日本のビールの大半を占めるピルスナー・スタイルはもちろん、バイエルン州を中心にした南ドイツは「へレス」という、色の薄いほんのり甘いビールが主流。ピルスナーに比べて、ホップの苦味が控えめで味にコクがあるのが特徴だ。 |
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| だが、あっしのイチオシは何といっても、バイエルン州の特産「ヴァイス(weiss)」ビールだ。ヴァイスとは「白」を意味するドイツ語で、文字通り薄い琥珀色をしており、やや濁っているのが特徴だ。ヴァイスは、別名ヴァイツェン(Weizen)とも呼ばれるが、これは小麦という意味。ビールは通常、大麦麦芽を使用するんだが、ヴァイスの場合は小麦麦芽を半分以上使うことが条件だ。ヴァイスとヴァイツェン、言葉の持つ意味は違うんだが、どちらも同じ白ビールを指すんだな。発音が似てるんで、本場のドイツ人も混同しているそうだ。 小麦麦芽の味が利いているのか、ヴァイスは果実に似た独特の香りがする。またスパイスなど使っていないのに、コリアンダーのような香辛料に近い味わいがあるのが不思議なところだ。それを薬臭く感じて苦手というご仁もいるのだが、一旦この味に慣れるとハマること受け合いだ。 日本でも、あの地ビール人気ナンバーワンの「銀河高原ビール」は、製法といい味といい、まさにこのヴァイスビールの流れを組む逸品だ。本場のドイツ人も推奨するお品なもんで、ぜひ白ビールの入門として飲んでいただきてえ。 |
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白ビールには白ソーセージを! |
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ミュンヘンを中心にしたバイエルン州では、白ビールならぬ白ソーセージという名物がある。みなさん、お湯の中で茹だって出てくる白いソーセージを見たことはないかな? あれはミュンヒナー・ヴァイスヴルスト(Weisswurst)という、この地方の名産なんだ。ヴァイスは白、ヴルストとはドイツ語でソーセージのことで、文字通り”ミュンヘンの白ソーセージ”という意味さね。このヴァイスヴルストの特徴は、原料に仔牛肉を使うこと。もちろん豚肉だけだったり、牛肉を使ったりすることもあるが、仔牛の淡泊でくせのない肉質はヴァイスヴルストに最適だ。 もうひとつの特徴は、通常ソーセージは羊の腸に肉を詰めるんだが、ヴァイスヴルストはソーセージの皮に豚の腸を使う。そしてレシピも「焼く」のではなく、「茹でて」食べるということだ。 通常のソーセージとはちょいと違ったヴァイスヴルストだが、その誕生にはこんなエピソードがある。今を去ること150年前、時は2月のカーニバル。ミュンヘンの中心・マリエン広場にあった肉屋ゼップ・モーザーの店は、いつものカーニバルにも増し、飛ぶようにソーセージが売れていった。引きも切らない注文にホクホク顔のゼップだったが、仕入の見込みが甘かったのか、羊の腸をすでに使い切ったことにハタと気がついた。 |
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| こいつはイカン! 注文は受けてしまったものの、肉を詰める腸は無し。思案にくれるゼップだったが、とっさに豚の腸を代用することを思いつく。軽快に豚の腸に肉詰めするゼップだったが、ここで、そいつが通常の羊の腸に肉詰めするソーセージより太めなことに気がついた。こんな太さのヴルストだったら、焼いた時に中身がはじけて破れてしまうに違いない。 再び思案にくれる肉屋ゼップは、苦し紛れにお湯で茹でてお出ししたところ、こいつが、あに図らずや大好評。たちまちミュンヘン名物となっていったという寸法さ。 この話――どこまで真実かどうかはわからないが、実際にゼップ・モーザーなる肉屋は存在したそうで、名物に誕生秘話ありというところ・・・お話ができるほど、この地方では人気の一品というわけだな。 白ソーセージは日もちしないため「ヴァイスヴルストに正午の鐘を聞かせるな」という言葉があるほど、ミュンヘンでは朝食の定番だ。こいつのお供には甘いマスタードに加え、ヴァイス・ビアが何と言っても最高! 朝食の定番なんで、朝からヴァイスヴルストにヴァイス・ビアなんてミュンヒナーも少なくないとのこと。日本では考えられない話だが、何とも羨ましいような話だよな〜。 さーて、時間が来やがった。 それじゃ、お客さん! 次回をお楽しみに! |
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