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水産物 医食同源
ヒヤッとビヤっとビールだぜ! 10
掲載日:2007年10月03日
 

 アイコンまいど、まいど、イダテンのゲンさんです!
 いやあ、東京じゃあ、9月下旬まで30度を超える日が続いてたと思いきや、いきなり涼しい日が続くこの頃だ。お客さんがた、体調管理はしっかりなさっているかい?
 俗に「暑さ寒さも彼岸まで」なんてことを言うけれど、そんな言葉が成り立たなくなる妙な時代がやってきたもんだ。これで人間、自分のまわりのことしかわからないモンだが、こと都心部に関していえば、20年前と今では明らかに気候の違いがある。
 ともかくも春と秋の期間が短くなる昨今、外食産業にとっては、なかなかお客のニーズを掴みにくい時代に来ているかもしれない。そんな時だからこそ、食材仕入ドットコムさんとあっしらは、さまざまな食材を提供し、ご提案をしていきたいと思ってる次第さね。この医食同源 もその一貫というわけだ。
 ともかくみなさん、何と言っても体が資本のこの世界・・・お体を大切に仕事に精を出しておくんなせえよ!

   
 

ビール、ソーセージ、ドイツ人!

   前回は、和食とビールの関係についてお話したが、今回はビールの本場とも言えるドイツ料理とビールについてお話いたしやしょう。
 ドイツといえば誰しもが頭に浮かぶのが、ビールとソーセージという組み合わせだが、当然ながら、どちらもドイツ人自身の発明ではない。ビールの紀元がエジプトやメソポタミアに遡るのは、以前にもお話しした通りだが、ソーセージもまた5000年前のメソポタミアにおいて、シュメール人が常食にしていた豚の詰め物といわれている。
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   もっともソーセージというのは、文字通り肉を腸詰めにして保存を良くしたもので、肉を常食にする民族なら、必然的に考える食べ物に違いない。フランスにはブーダン・ブランやブーダン・ノワール。イタリアにはサルシッチャ。スペイン語圏にはチョリソー。トルコのスジュク。そして中国には香腸(シェンチャン)、煙腸(イエンツアン)といった腸詰めが世界にはいひしめいている。
 その中で、腸詰めを徹底的に高めてきたのがドイツ人というわけだ。ソーは古代ドイツ語で牝豚を意味し、ほろ苦い香草のセージ(sage)と合わさって生まれたのが、ソーセージというわけだ※1
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   世界中に腸詰めは数あれど、ドイツ国内だけで何と1500種類ものソーセージがあるってえんだから、こいつは呆れ返ったコンコンチキだ。こいつは何でも突き詰めて極めないと気が済まないドイツ人気質によるものだが、それだけではなく、寒冷な北ヨーロッパの風土が、バラエティ豊かなソーセージを生み出したというのが実際のようだ。
 それには、次のような要因が考えられるのさ。
  1. ゲルマン民族は古代から狩猟に長け、それを生業としてきたこと。
  2. 北ヨーロッパが寒冷な乾燥した土地なため、肉の保存に都合良い温度管理ができたこと。
  3. 質実剛健な気風があること。
  4. 刃物が発達したおかげで、肉の裁断が容易にできたこと。
  5. 土地が痩せており、小麦の連作は2年が限度だったこと。そこで18世紀頃までは、3年に一度は休耕をさせ、土の力を回復させた。その期間は鶏や豚の放牧などにあてられたため、畜産が盛んになったこと。
 まあ、これらはソーセージだけでなく、連中の肉食全般に言える話ではあるんだがね。
 
   
※1

ラテン語で塩漬けを意味するsalsusから来たという説もあり、諸説紛々ではある。

   
 

ビールとソーセージの美味しい関係

   食べ物の歴史を繙いていくと、まずは人間にとって旨い不味いよりも、どうやって腹一杯になるかということが重要だったのは言うまでもない。ドイツにおけるソーセージというのも、食べ物の保存と確保という、切実な問題から発達したわけだ。
 ところが一方で、お酒というのはそんな意味で言えば大変な贅沢品だ。わが国の場合でも、食べるお米を酒にして飲むわけだから、蔵元といえば地元の豪農か大金持ちと相場が決まっていたわけさ。
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 ところがヨーロッパ人にとってビールというのは、それとはやや違った立場だったようだ。食べるための麦をお酒にするというよりは、麦をより栄養価の高い食べ物にするといった意味合いが高かったんだな。なんせ炊けばすぐ食べられるお米と違って、小麦の場合は粉に挽いてパンや麺に加工することが多い食品だ。
 もとより加工方法が確立されているビールのこと。イタリアやフランスのように、ブドウの栽培が難しい北ヨーロッパでは、肉との相性の抜群なビールが発達していったという寸法さ。
 前にも申し上げたように、ビールにはデキストリンや麦芽糖などの炭水化物を中心にし、グルタミン酸やグリコール、アラニンといったアミノ酸、ビタミンB1、B2などのビタミン&ミネラルなどの栄養分が豊富に含まれている。

 肉だけで足りないビタミン、ミネラル分は、ビールとジャガイモ、ザワークラウト(キャベツの酢漬け)、そしてチーズや豆で摂取する。何ともドイツらしい合理的な食事だってことさね。
 

奥が深いドイツ料理?

   とかくドイツ人というのは質実剛健で知られる国民性だが、それは食べ物によく表されている。昼食があっしら日本人の夕食にあたり、特に休日などは肉の煮込みや野菜、ジャガイモ、ソーセージなど、たっぷり時間をかけて食べるのだが、夕食はカルテス・エッセン(Kaltes Essen)と呼ばれる「冷たい食事」が一般的だ。
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   ライ麦パンにソーセージ、生ハム、チーズなど火を使わない食事がならび、家族はおのおのの木皿を出して、好きな分だけパンやソーセージを取る。食事が済めば、おのおの皿を拭いておしまいなので、主婦にとっては手間がかからないというわけだ(ビールは食後にいただくというパターンが多いらしい)。
 そんな、質素に毎日同じものばかり食べていると思われがちのドイツ人だが、だからといって食べるものの種類が少ないかといえば、そんなことはない。地方によっても、季節によっても、食のバラエティは意外に広いんだ。
 わりと最近、ドイツに行って驚いたのはKaDeWe(カーデーヴェー)という、ベルリンの代表的な百貨店で食べたグラタンだ。グラタンと思わず並べられているものを注文したら、マカロニの代わりにジャガイモを使っているほかは、日本のグラタンと同じ味ですこぶる旨いとくる。
 思わず「この店はフレンチか?」と尋ねたところ、巨体のシェフはムッとして「ノー、ドイツ料理だ」とふたつ返事。こいつにはあっしも驚いたね〜。
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 不思議なもので、グラタンというのは日本では冷凍で売られているほど一般的な食品なのに、本場と思われるフランスやイタリアに行っても、同じ料理に出会うことがトンとない。グラタンのベースになる、バターとクリームを使ったベシャメル・ソースの「ベシャメル」は、何でもルイ14世の料理人だったという説があるから、元はおそらくフランス料理なんだろうが、本国で似た料理を食べても、どこか日本のものと違う。
 それがドイツでそんなグラタンに似た料理に出会うとはね〜。ポルトガル生まれの天ぷらやカステラが、本国で廃れて日本で発展したように・・・グラタンもまた本国フランスではなく、日本やドイツで残っているのかもしれないわな。
 さーて、時間が来やがった。

 それじゃお客さん! 次回をお楽しみに!
 
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