| 掲載日:2007年06月27日 |
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| エールとラガー、どう違うの? | ||
| ご好評いただいてる「ヒヤッとビヤっとビールだぜ!」のシリーズも早や第4回め。前回はバイエルン王国が定めた「ビール純粋令」の材料、麦芽・ホップ・水という3つについてお話をしたが、今回はその製法について少し細かくお聞かせいたしやしょう。 よくイギリスの年寄は、 「世界のビールには2種類しかない、イギリスのビールとそれ以外のビールだ」 なんてことを言うが、まったく世界有数の味覚音痴大国のくせに、聞いた風なことを抜かすもんだ。まあ、そこは世界に冠たる大英帝国を築いた連中・・・ヤツらのいうことにも一理ある。 それが上面醗酵ビールと、下面醗酵ビールの違いなんだ。 上面醗酵ビールは「エール」と呼ばれ、下面醗酵ビールは「ラガー」と呼ばれるんだ。よく言う、エールとラガーってえのは醗酵の違いによる呼び名なんだな。 |
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これをもっと具体的に突き詰めて言うと、ビールを醗酵させる酵母・・・つまりイーストの違いだってことさね。一口にイーストと言っても、さまざまな種類があるわけだが、主なビール酵母は上面醗酵酵母の「エール・イースト」と、下面醗酵酵母の「ラガー・イースト」のどちらかに属するんだ。 |
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| ぬるいビールも旨えもんだ! | ||
| 歴史的に見ると、実は上面醗酵の方が比較にならないくらい古い。何と言ってもビールの誕生当時は上面醗酵ビールだったんだから、おのずとその歴史がわかるというものだろう。その起源は6000年前とも8000年前とも言われているが、メソポタミアやエジプト文明のビールは間違いなく上面醗酵だったわけさね。 | ||
といっても、はじめは酒類の起源がどれも偶然の醗酵によるように、ビールも自然界に浮遊していた野生酵母によって、ほぼ偶然生まれたものと考えられる。一度生まれた酵母くんは、ビールをかき混ぜる櫂や蔵、壺などの中に棲みつくようになり、そのおかげでビールが安定的に造られるようになったってわけさね。目に見えないほど小さな生物がいる・・・なんて知らなかった時代だから、当時の人は蔵の中に神さまが棲みついたとしか思えなかったろうな。 上面醗酵酵母の場合、醗酵温度は16〜20度と高めで、発酵時間も3日〜1週間ほどと短いのが特徴だ。こうして出来上がったビールの成分には副産物が多く、香りが強い。飲み頃温度も10〜20度くらいで飲むこともあるほどぬるい。よく、日本人が「イギリスのビールはぬるい」なんてことを言うのは、このためなんだ。 |
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| 一方、下面醗酵のビールの発見は15世紀のドイツだった。4〜10度くらいの低温でも活動できるラガー・イーストが見つかり、今のラガータイプのビールが完成した。 下の方に酵母が溜まるため、ビールの中にある副産物は少なく、全体に澄んでいるのが特徴だ。飲み口に切れと爽快感があり、現在、世界のビールのほとんどは、このラガーが主流だ。 あのイギリスですら、若者はラガーを好む傾向にあるそうで・・・そう言われると、あっしなんぞは、あのリッチでコクのあるエール・ビールも口にしたい、そんなふうに思うんだが、そいつは天の邪鬼ってもんかねえ。 |
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| 自然醗酵ビールもお忘れなく | ||
| 余談ながら、実は上面醗酵ビールと下面醗酵ビール以外に、もうひとつ「自然醗酵ビール」というものがある。培養管理されていない野生の酵母を使った別の分野なんだがね。 先に申し上げたメソポタミアやエジプトのビールは、上面醗酵というよりも、むしろこの自然醗酵の範疇にはいるかもしれない。 ただ現在、自然醗酵ビールはベルギーのランビックというブランドが知られる程度になっているようだ。日本では味噌蔵や醤油樽に、醗酵の酵母が棲みついているケースが多いが、ビールというのは樽を徹底的に洗浄しないと雑味が出てくるケースがほとんどなので、現在においては、かえって自然醗酵の管理は難しいと言える。 |
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| このブランドではホップも(通常は新鮮なものを使うのに)3年以上も寝かせて酸化したものを使う。香りづけでなく、あくまで酸化防止に使うんだ。 通常の何倍もの時間をかけて煮込んだ麦汁は、屋根裏みたいな場所に設置された、浅くフタのない樽に入れられる。野生酵母をそのままにするため、掃除もせず、それどころかショウジョウバエよけに樽にクモの巣が張られいるという、ある意味徹底した自然管理がなされている。そいつを2〜3年以上熟成させて出来上がりってえんだから、ビールというよりはワインみたいな話じゃねえか。 まあ、考えてみりゃ、そんな環境を維持するのはかえって手間のかかる話だ。大量生産は絶対にできないし、昨日今日でそんな工場ができるはずもない。まあ、そのあたりがヨーロッパビールの伝統ってワケなんだろうな〜。 おっと、時間がきやがった! それじゃ、お客さん! 次回をお楽しみに! |
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