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水産物 医食同源
ヒヤッとビヤっとビールだぜ! 2
掲載日:2007年05月30日
 
アイコン まいど、まいど、イダテンのゲンさんです!
 いやあ、最近大学がはしかによる休校が続いているとかで、あっしのように古い世代の人間は、ちょっと信じられないニュースにびっくりしているところさね。
 あっしらの時代には、初恋の失恋なんぞを「はしかみたいなもんだ」と呼んでたもんだが、どうやら免疫のない大人にとっては、そんな軽い病気じゃないようだな。何でも、はしかってえのは、実はすれ違っただけでうつるほど感染力が強く、また成人してから発病しした時の症状は、相当に重くなるモンらしい。
 そういえば、昔あっしのバアさんが「大人になって、はしかになったら大変だ」なんて言ってたのを聞いたことがあるが、それは今、大学が休校しているようなことなんだろう。それにしても時代が変わったもんだ。
 まあ、何といっても、この世の中は体が資本だ。はしかに限らず、病気をせずに元気で過ごしたいもんだ。どうぞみなさんも、五月晴れのこの良い季節(沖縄地方はそろそろ梅雨入りかい? だったら、真っ平御免なすっておくんな)・・・食材仕入ドットコムさんの食い物で、無病息災で過ごしたいもんさね〜!
   
  ヨーロッパ、修道院ビールは如何?
  ゲンさんイラスト
   今回は新シリーズ、「ヒヤッとビヤっとビールだぜ!」の第2回めだ。前回はビールの起源がメソポタミアとエジプトと申し上げたが、今回はビールがヨーロッパに伝わってから、どう変わって行ったかをお話ししよう。
 古代オリエントで生まれ育ったおビールさまは、やがて北上してヨーロッパに伝わっていった。時代と位置を考えると、ギリシャやローマを経由していったことは間違いないが、古代ギリシャ人やローマ人は、ビールよりもワインを好んだのだろう。おビールさまが本格的に欧州で定着したのは、当時はブドウの栽培が難しかった北ヨーロッパ・・・現在のドイツやベルギー、チェコなどの地域だったというワケさね。
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   これはワインでもそうなんだが、ビール製法に大きく貢献したのはキリスト教だった。
 イスラム教はもちろん、仏教やヒンドゥー教など、宗教は基本的に飲酒を禁じるのが一般的だが※1、キリスト教はアルコールに寛容な宗教だ。なんせ、ワインを「キリストの血」と位置づけるくらいだから、寛容というよりは、お酒を神聖視する教えと見てよいだろう。(日本神道もお酒を神聖視するけど、いや、そんな意味じゃいい宗教だよな〜♪)
 キリスト教の布教を目的に作られた修道院では、自給自足を基本につつましく規則正しい生活が営まれていたが、修道士とてカスミを食って生きていけるわけじゃない。そこで自前の農園で耕作をし、農作物と一緒にワインやビールなどのリキュール類を醸造していたってワケさね。
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   ビールじゃないが、フランスのシャルトリューズなんてリキュールは、今でも同じ名前の修道院で、製法秘伝で作られている。ビールは、そんなリキュール類のひとつだったんだろうが、小麦の生産地となった北部では作りやすかったんだろう。
 6世紀になって、ビールは「グルート」と呼ばれるスパイスやハーブ、果実などを混ぜて醗酵をさせる技法が次第に確立されていった。アクや雑味を抑え、香りを良くし、保存を良くするのに、グルートの存在は欠かせない。クローブやアニス、ミントやフェンネル、コリアンダー、ブラックベリーやチェリーなど、それはさまざまな種類のグルートが試行錯誤されていった。
 こうしたグルートビールの技法は、前回申し上げたようにエジプトより伝わったものだったが、ヨーロッパの修道院で成熟し洗練されていったというわけだ。
 
   
※1

日本ではお坊さんも「般若湯」と呼んで、お酒を平気で飲むが、タイやスリランカなどの僧侶は飲まないのが普通です。

   
  ベルギービールを飲んでシメイなさい!
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   やがて修道院で作られたビールは一般市民にも人気を集めるようになった。最初は物々交換されていた修道院ビールは、やがて市販されるようになり、修道院の大切な財源となっていったワケさね。
 世のため、人のため、神さまのためと、修道士たちは懸命にビール造りに取り組んでいった。もともと一途な人たちが、神さまのためとビール造りを始めたんだから、そら進歩が早いのは理の当然。8世紀にはスイスのザンクト・ガレン修道院で、ヨーロッパで最初のビール工場が誕生し量産されるようになった。そのビール工場は倉庫や脱穀所を設け、仕込み・醗酵・冷却といった工程ごとに部屋が分かれているといった充実ぶりで、当時から高い水準のビール醸造を行っていたことを伺わせる。
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   12世紀頃になると、北ヨーロッパ一帯で農作物の生産量が飛躍的の伸び、ビール造りは大きく広がりを見せていったんだ。
 今でもベルギーでは、「シメイ・ビール」のように未だに修道院で作られたものが市販されて、世界中に出荷されているものが少なくない。また、同じベルギービールの「ヒューガルデン・グランクリュ」のように、麦芽とホップ以外に、原材料としてオレンジピール、コリアンダーなどのグルートを混ぜている。さまざまな種類のグルートを使うベルギービールは、巷でも人気だが、それにはビールの源流といえるものが脈々と流れていると言えるのさ。
  ヴィルヘルム4世のビール純粋令
  ポップイラスト 現在でもベルギービールには、ホップの代わりにこうした香草を用いるものが少なくないが・・・おっと! 歴史的に言えば逆だな。色んな種類のグルートを試していった結果、たどりついたのがホップだという寸法よ。
 ビールがビールの味わいを生み出す所以は、ホップにあり。
 ビールの泡立ちを良くし、苦味とともにあの喉ごしに来る爽快感を与え、さらには雑菌の繁殖を抑える、この素晴らしいグルートは、12世紀頃から徐々に生産者の間で高く評価されるようになっていった。
 野生のホップはエジプト時代からあったそうだが、ビールの広まりとともに全ヨーロッパに広まっていったわけさね。
 そして1516年。現在の南ドイツにあたる、バイエルン王国の君主ヴィルヘルム4世がビールの歴史に決定的な影響を与えるおふれを出した。
「ビールハ麦芽・ホップ・水ノミヲ原料トス」と定めた、あの「ビール純粋令」だ。
 当時は妙な混ぜ物を加えた粗悪品が多かったというのが、その理由だろうが、このおふれは確実にビールの味わいを決定づけた。日本でもあっしの大好きなエビスビールのように、このビール純粋令を遵守している銘柄があるが、そういったビールは旨いものが多いからな〜。ともかくもビールを突き詰めていったところ、麦芽とホップ、水というシンプルな原材料に辿り着いたんだろうよ。
 さーて、時間が来やがった。
 それじゃ、お客さん! 次回をお楽しみに!
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