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水産物 医食同源
冬将軍にゃあ、「ナベ奉行」のあったか裁きが一番でぃ! 7
掲載日:2007年02月28日
 
 とうふアイコンまいど、まいど、イダテンのゲンさんです!
 時に、お客さん。先日の東京マラソンの時は、いかがお過ごしだったかい? あっしは仕事で会社に行ったついでに銀座立ち寄ったんだが、雨だというのに沿道はえらい人垣だったな〜。
 天気に恵まれなかったとか、トイレやランナーの雨合羽が足りなかったなど、いくつか問題はあったものの、大きな混乱もなく無事に済んだのは何よりだった。まったく日本人ってやつは、先日の納豆騒ぎみたいに付和雷同なところがあるかと思えば、こういう大イベントを涼しい顔で済ませちまうんだから面白いやね。
 まあ迷惑した小売店さんも多かったろうけど、こういうイベントは国全体で見れば、そうわるいことでもねえ。長い目で見れば、世の活気にも景気にもプラスになるはずさ。
 だからってワケじゃねえが、おかげさまで食材仕入ドットコムさんの商売も順調に流れてきた。東京マラソンのランナーたちに負けず、こちらも商売のマラソン全開でひた走るつもりでさあ!
 ご注文のほど、お待ちいたしやすぜ!
   
  湯豆腐が食べたい!
  豆腐なイラスト
   さ〜て、今回の「ナベ奉行のあったか裁き」は、鍋料理界・最大の大立者、湯豆腐さまを取り上げてみることにしよう。周知のように「湯豆腐」は、文字通り、鍋にお湯と昆布を張って豆腐を暖めただけの食べ物だ。
 シンプルなだけにゴマカシが利かず、使う素材ひとつひとつを吟味しないといけない。主役の豆腐はもちろん、水や昆布に良いものを使うのが肝心な料理だ。
 とはいえ豆腐も水も特別なものを除けば、そんなに高いものではない。湯豆腐ってやつは、そこそこの材料費を出して正しく調理すれば、驚くような至福の贅沢を味わえる鍋料理の王様と言えるだろう。
 暖冬とはいえ、日によっては朝夕の冷え込みが堪えるこの頃だ。ひとつシンプルかつ贅沢な湯豆腐で、長い夜を楽しんでみてはいかがかな?
  湯豆腐レシピ
  絹ごし、木綿はどう違う?
   誰が決めたか、巷じゃ「豆腐の通は木綿」なんて言われることがあるが、こと湯豆腐に関して言えば絹ごしに勝るものはない。ほんのり暖まった絹ごしの上品で滑らかな食感は、木綿では味わえないものがある(まあ、冷や奴なら木綿に限るがね〜)。
 江戸時代は豆腐が崩れやすかったためか、昆布ダシのかわりに葛湯をひいて、芯までようやく暖まった塩梅を見て食べるのが良し、とされたそうだ。あまり熱くすると豆腐が固くなったり、スが入ったりと、絹ごしの持つふるふるとした食感が失われてしまうからなんだろう。
 ところで絹ごし豆腐と木綿豆腐は、どこがどう違うかご存知かな?
 玄人のみなさんには失礼な質問かもしれないが、両者が豆腐の製法による違いってことは、意外に知られてないようなので、ちょっくら図を使ってご説明いたしやしょう。細かい部分で微妙に違うところもあるが、理解しやすくするためなんで、どうぞ真っ平御免なすっておくんなせえ。
  絹ごし&木綿豆腐の豆腐製法
   この図を見ればわかるだろうけど、2の呉汁を作る過程では、柔らかい絹ごしの方が水の量が少ない。「絹ごし豆腐」ってえのは、穴の開いてない型箱に流してから凝固剤を入れ、そのまま固めたものだ。水切りをしないので、水分が多くなめらかな食感になるわけだが、その分、濃い豆乳が必要になるってワケさね。
 一方「木綿豆腐」の場合、最初に豆乳を固めてから、もう一度そいつを崩して型箱に入れて押し固める。型箱には水切り用の穴が開いていて、木綿をひいて使う。この時、布目が豆腐の表面にそのままつくんで、文字通り「木綿豆腐」になるって寸法さ※1
 
   
※1 箱に入れず、そのまま掬ったものが「寄せ豆腐」。ザルにあげて自然に水切りをしたものが「ザル豆腐」になる。
   
  今や”Tofu”は世界の健康食でい!
   豆腐の起源は古く、漢の高祖として知られる劉邦の孫にあたる、劉安が発明したという俗説が知られている。真偽のほどは定かでないが、2千年前ほどから中国で作られていたようだ。
 日本に伝わったのは平安時代(中国では唐の時代)頃。遣唐使や留学僧が持ち帰り※2、鎌倉時代までは精進料理として、お坊さんたちが自分たちで作って食べていたそうだ。室町時代になると、下々の者も食べるようになり、さらに江戸時代には「豆腐百珍」のベストセラーも相まって、江戸料理の王座に相応しい地位を築くようになったんだ。
 肉食が禁じられていたお江戸の当時は、当然ながら貴重なタンパク源だったわけだ。今に至っては、世界の健康食”Tofu”として、その栄養価の高さは誰もが賞賛するところになっている。
 豆腐はタンパク質や必須アミノ酸が豊富な上、それらが吸収されやすい形になっているので、老若男女どのご仁にも勧められる食品といって良いだろう。さらにリノール酸やリノレン酸などの必須脂肪酸。ビタミンB1やビタミンE、鉄や亜鉛、 カルシウムなどのミネラル分など、人間が生きるために欠かせない大事な成分が豊富に含まれている。
 湯豆腐ってえのは、そんな栄養満点のお豆腐さまを主食に据えて、腹いっぱい食べられるように工夫した素晴らしい一品ってわけさね。
  写真
 
   
※2 遣唐使以外のルートとしては、琉球と中国との貿易ルートや、朝鮮から土佐への入植など、それぞれ独自のルートで伝えらたと考えられている。
   
  豆腐が納豆で、納豆が豆腐だったのは本当?
  写真 ところで余談ながら、こんな話を聞いたことがあるかい?
「豆腐と納豆は日本に伝わった時、字が取り違えられて伝わったんだ。なぜなら、豆をらせる(醗酵させる)のが納豆で、豆乳をめるのが豆腐だからね」
 いやはや、字を見るとなるほどその通りなんで、あっしも長いこと、この話を鵜呑みにしていたんだが、どうやらそんなことはないらしい。
 豆腐の「腐」の字は、本来の中国語では「くさる」という意味ではなく、「固まる」とか「柔らかい塊」という意味だそうだ。
 一方、納豆の語源は中国の僧院で作られていた「納所大豆」だという説がある。納所とは、お坊さんのお布施や食料を入れておく場所なんだそうだ。この説がウソか真かわからないが、複数のルートで※2渡ってきた豆腐と納豆が、そんなに簡単に意味を取り違えられるわけはない。まあ、話としちゃ単純で面白くはあるけどね。
 さーて、時間が来やがった。
 それじゃお客さん、次回をお楽しみに!
   
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