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水産物 医食同源
冬将軍にゃあ、「ナベ奉行」のあったか裁きが一番でぃ! 2
掲載日:2006年12月13日
 
 アイコンまいど、まいど、イダテンのゲンさんです!
 いやはや、2006年も年の瀬に来て、セワしくなってきやがったな〜。先日、あっしはエビ太郎の作者先生が銀座の画廊で個展をしていたもんで、社員を連れて見にいったんだが、景気が良いのか銀座も何だか賑やかになったもんだ。
 道行く人の格好もそれなりに小ザッパリして、一時のどん底を知るものにとっちゃ、時代の流れを感じた次第さね。先生連れて、銀座の老舗で一席もうけた次第だが、2軒目にどこか行こうとした時に、どこも満席で入れずいや閉口したね〜。まあ、1ダースほどの人数だったから当たり前と言えば、当たり前だが、どうやら景気回復もウソじゃあなさそうだ。
 ついでを言わせてもらうと、2次会の新橋のさるお店で、食材仕入ドットコムさんのダンボールをまたも発見♪ 年末もここに来て、エンギが良いと嬉しくなっちまった次第さね。
 ともかくも、この年末年始商戦。例年にないカキ入れ時になることは間違いなさそうなもんで・・・ご注文のほど、お待ち申しあげやすぜ!
   
  今や「ウマミ」は国際語
   さーて、今回は「ナベ奉行のあったか裁き」第2弾として、ダシについてお話いたしやしょう。まあ、玄人のお客さんがたにダシの講釈なんて、釈迦に説法・孔子に語道(ごどう)のコンコンチキだが、食材仕入ドットコムさんのお客には脱サラ組で勉強中・・・なんてご仁も多いと聞く。
 料理に関しちゃ耳学問のイダテンのゲンさんだが、これでも食材に関しちゃ玄人さんなもんで、そんなに間違ったことは話してないハズだ。ちょっくら、みなさんお付き合いのホドを。
 ともかくもダシってえのは旨味の素であり、鍋に限らず日本料理の要に違いない。
 鍋に用いられるダシは、主にコンブとかつお節が中心になるが、どちらも旨味成分の代表格になる食材。この「ウマミ」という単語、みなさまご承知かもしれないが、外国でも「ツナミ」や「ジュードー」のように、同じ日本語の発音で定着している言葉なんだ。
  「だしの取り方」解説イラスト
   昔から言われてきた味の4要素、甘味、酸味、塩味、苦味に加わる、もうひとつの要素。
 それが旨味だってわけだ。
「旨味」は日本に限らず、中国から韓国、タイやベトナミなど東南アジア周辺の国々では、昔から大切な味の要素として認められてきた。だが、その存在をハッキリと突き止めたのは日本人だったんだ。
 名付け親は池田菊苗というお方で、最初に彼がコンブの旨味成分・グルタミン酸ナトリウムを発見した。続いて池田博士の高弟・小玉新太郎が、かつお節のイノシン酸 を「ウマミ」の成分として発見したってわけさね(そいつが戦前の1913年頃ってえんだから、いやはや日本人も大したもんじゃねえか)。
 グルタミン酸ナトリウムはアミノ酸の一種で、イノシン酸は糖の一種。物質的な分類で定義するのは難かしいが、味にコクと深みを与える成分と考えていただければ間違いないだろう。
  築地フォト
   
  出し汁、フレンチ&イタリアンを制す!
  長谷川家、ダシの取り方写真 ところで、ちょっと前まで欧米の学者たちの間では、旨味成分の実在について長らく疑問符が打たれていた。それというのも、あちらの料理では旨味が独立して考えられることがなかったからだ。フレンチでも、いわばダシ汁にあたるフォン※1はあったものの、あくまで "umami" は塩味や甘味の一部分として、味を増強するものに過ぎなかった。
 その後、 舌の味蕾にグルタミン酸を受け入れる感覚細胞が発見されたことで、旨味の実在が国際的に認められたという経緯があるのさ。
 あちらの店に入った方なら覚えがあるだろうが、フランスやイタリアのように食い物の美味い国であっても、総じてその料理の塩味は強い。よく日本料理は塩味が強いといわれるが、それは日本国内の西洋料理と比較した場合だ。
 本場の西欧料理ってえのは、フランスやイタリアに限らず、意外に塩味のキツいものだ。日本であちらと同じ塩味で営業したら、なかなか厳しいものがあると思うよ。
 あっしに言わせりゃ、日本料理ってえのは出し汁や砂糖を多く使う分、味にふくらみが出て、塩分の総使用量を抑えることができるもんさね。
 最近じゃ本場のフレンチでも、和食ブームに加えて健康を気づかう人が増えたことから、コンブやかつお節を使った料理が俄然、注目を浴びている。
 なんせ出し汁ってえのは、塩も砂糖も脂肪分も入れずに味を引き立てることが出来る重宝なものだ。塩分や脂肪分をカットするに、これ以上素晴らしいものはないからね。
 そんな意味でも、コンブとかつお節の鍋は究極の健康食と言えるかもしれないな〜。
 
   
※1 フランス料理のソースを作るのに用いられるダシ汁にあたるもので、たいへん手間のかかることで有名。仔牛の骨やスジを焼き色がつくまで炒め、香味野菜と香辛料、ブイヨンや水と一緒にゆっくり煮込んで作られる。
   
  鍋もの、3つのカテゴリーとは如何に?
  ところで鍋に使われるダシ汁には、おもに3つのカテゴリーに分けることができる。
 1つ目は水煮系の鍋で、汁に味をつけないものだ。水煮はかつお節のダシを用いない鍋なので、素材の味を最大限に引き出したい時に用いられる。
 湯豆腐や、フグやタラなどのちり鍋、水炊き、しゃぶしゃぶなど、素材そのものを生かし、シンプルに食べたい食材に最適だ。つけ汁はポン酢や土佐醤油などに、ネギやショウガなどの薬味を添えて食べる上品な食べ方が好ましい。
  鍋もの、3つのカテゴリー
    2つ目は汁もの系の鍋で、汁に味をつけて食べるもの。つくね鍋から寄せ鍋、おでん、ほうとうや石狩鍋など、鍋ものと呼ばれるものの大半が、この汁もの系になるといって良いだろう。
  1. 薄味の沢煮系は、お吸い物の味をベースに考えられる上品な味わいの鍋。かに鍋やつくね鍋、つみれ鍋、ハモ鍋などの身肉の白い食材に適している。
  2. 味の濃い八方汁系は蕎麦つゆくらいの味の濃さがベースで、いわば関東風の味だな。おでんや寄せ鍋、うどんすき、きりたんぽなどに向いている。
  3. そして味噌煮系は、土手鍋やほうとう鍋のように文字通り味噌を用いたもの。粕汁や胡麻汁など、味噌っぽい汁もこのカテゴリーに入れることができる。土手鍋や石狩鍋、ほうとうや薩摩汁などに向いている。
 3つ目はすき焼きの鍋で、こいつは浅い鉄板を用いたもの。少量の濃い汁で、煮る鍋ものがこのカテゴリーで、文字通り、すき焼きやとりすき、鴨すきなどが代表格だ。
 これ以外にも、鍋ものの種類は融通無碍にあるが、まあこんな感じで覚えていただけば、ほぼ間違いないだろう。詳しくは、おいおいお聞かせいたしやしょう。
 おっと、時間が来やがった。次回は鍋のレシピなどを交えてお話をいたしやしょう。
 それじゃ、お客さん! 次回をお楽しみに!
   
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