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水産物 医食同源
冬将軍にゃあ、「ナベ奉行」のあったか裁きが一番でぃ! 1
掲載日:2006年11月29日
 
 ナベアイコンまいど、まいど、イダテンのゲンさんです!
 スイサンドンヤ・ドットコムさんが「食材仕入ドットコム」に名前を変え、グレードアップをして早や2か月。気がついたら2006年もいよいよ年の瀬に押し迫っちまった。
 今年は、食材仕入ドットコムさんのリニューアルに関わる一方で、水産物の値上がりから、さまざまな販売調整にてんやわんやだったが、その甲斐あってか、御陰さまで売り上げは順調そのもの! 良い1年に仕上げたく、東奔西走に励む毎日さ。
 先日も長野県は戸隠の蕎麦屋さんに立ち寄ったところ、さる名店に「食材仕入ドットコム」と書かれた段ボール箱を見かけて、ちょっくら嬉しくなっちまったところさね。
 そこの店は、蕎麦粉十対つなぎ一の手打ちをウリにしており、蕎麦にうるさい江戸っ子のゲンさんも納得のソバだったが、食材仕入ドットコムさんのエビを使った天ぷらが、何とも絶妙なバランスだったな〜。このエビは、あっしのお客さんのエビだって言いたかったところを、グッと堪えて勘定を済ませたもんだ。後でご挨拶をしないとね〜♪
 2006年も残り少なくなっちまったが、来年、再来年に向けて、もうひとふんばりってトコさね。残り年末商戦、どうぞ「食材仕入ドットコム」さんの商品で勝ち残っておくんなせえよ!
   
  冬将軍にゃあ、「ナベ奉行」のあったか裁きが一番でぃ!
  長谷川家の土鍋 さーて、今回からはこの冬いっぱい、新シリーズとして「鍋もの」とやらのはじまりだ。世の中にレシピの種類は数あれど、鍋ものくらい自由度の高い料理は珍しいだろう。みなさま先刻ご承知のように、鍋にはこれといった決まりごとはない。肉や魚、野菜といった食材を使い、コンブやかつお節、味噌やしょうゆなど、さまざまなスープを組み合わせてできる自由闊達な料理が「鍋もの」なんだ。
 だが、ルールがないとは言っても、当然ながら鍋に使う食材にはどれも一定の性質がある。カキには味噌が合うとか、ダイコンは出し汁をしみ込ませた方が旨い、などといった当たり前のことなんだが、そいつを無視して料理を作れば、美味しいものは期待できないわけさね。
 そんな誰でもできる料理でありながら、作り手によって味に大きな違いが出てくるのが、「鍋もの」の大きな特徴といえるだろう。
  築地フォト
  「おうおう、ネギを先に入れる奴があるかい! ネギは後だと決まってるだろう。
 何だ何でえ、大根を後から入れやがって。味の滲みてねえ、スジだらけの大根なんて食えるかよ。
 ああああ、こんな良い和牛をいつまで火の中入れてやがるんだい。牛肉なんて中が赤いくらいで丁度いいんだぜ。こんな勿体ないことをしてバチがあたるよ、お前さん。
 おいおい、シイタケを水洗いしてどうすんだい。キノコってえのは水に弱いんだよ。乾いた布で拭くくらいでちょうどいいのに、せっかくの肉厚のシイタケが台無しじゃねえか。
 困ったもんだねえ、ものを知らないってえのは〜」
 
 ま、ここまで言えばどなたさんにも嫌われるだろうが、鍋ものをつつく時に、一人や二人は必ずいる小うるさい親爺を俗に「ナベ奉行」なんて呼ぶのも、自由度の高い鍋料理ならではの存在だ。
 なに。これを言ってるのはゲンさん自身だろうって?
 へっへっへ。ま、当たらずしも遠からずかな〜。ともかくも、これから冬将軍とやらを「ナベ奉行」のあったか裁きで、出迎えるとしようかい。
  聖徳太子も鍋をつついたって?
  ナベの解説イラスト
   ウソか誠かわからねえが、鍋はもともと肴瓮(なへ)と書いたなんて説がある。肴(な)は文字通りサカナを意味し、瓮(へ)は土焼きの瓶を意味したそうなんだ。それが、奈良時代になって土焼きの瓮から、中国から渡ってきた金属製の容器に移り変わったというんだから話は古い。早い話、鍋料理は奈良時代以前からあったということになるわけさね。
 もしかすると、あの聖徳太子さまも素瓶に鍋をつついた、なんて考えるとワクワクするところだよな〜。
 中国から渡ってきた鍋は、青銅でできた鼎(かなえ)という、三本脚の容器だったそうだが、それが鉄製の鍋で作られるようになったものが、現在に至ってるそうなんだ。
 今でも鍋といえば陶器で作られた土鍋と、鉄や銅で作られた金属製のものが主流。まあ調理器具全般に言えることだが、料理みたいな究極のアナログの世界は、使う食器なんか今も昔も変わらないってことなんだろう。
  土鍋と鉄鍋、軍配やいかに?
   鍋料理は用途に応じて、素材や料理に合った「鍋」があった方が良いんだが、その中で2大勢力といえるのが、土鍋と鉄鍋だ。
 土鍋の良いところは、何と言っても素材に化学変化の影響を与えないことだ。ゴボウを鉄鍋で似ると、汁まで黒くなってしまうが、土鍋だったらそんな心配は御無用だ。
 保温性にすぐれ、材料の持ち味を損なわないので、肉でも魚、野菜など、どんな素材でも対応できるのが魅力だ。鍋のあとの雑炊やお粥なんぞは、土鍋にまさるものはないと言って過言ではないだろう。
 ただ、気をつけなくちゃいけないのは、土鍋の場合、タップリの汁で煮込んだ「汁もの」に限るってことだな。湯豆腐、タラちり、ふぐ鍋、水炊き、しゃぶしゃぶなどには最高だが、すき焼きのように汁の少ない料理では、鍋にヒビが入る心配がある※1
 常に鍋を汁で満たすってえのが、土鍋の掟って寸法さね
  ナベの写真
   一方で鉄鍋は、土鍋に向かないすき焼きに最適の食器だ。鉄の熱伝導率は銅より落ちるものの、反面、いったん暖まってからの保温力はバツグンだ。加えて油との相性が良いので、煮物はもちろん、揚げ物に良し、焼き物に良しといった、土鍋にできない料理を網羅することができるってワケよ。鉄鍋は煮詰まって鍋底が焼けてしまっても、割れたりする心配がないからね〜。
 底の浅い鉄鍋は、汁が少ないすき焼きなどの鍋にピッタリ。鉄の深鍋が、鴨すきなど野趣あふれる料理に向いているってところかな。

  ナベの写真 え、ゲンさん。それじゃホウロウ鍋※2はどうなんだって?
 うーん、ホウロウかい? そらホウロウはいいよ。酸には強いし、保温力にも優れているし、鍋の性能として言うことはねえ。
 困ったことにあっしの長谷川家じゃ、鍋は土鍋じゃなく、おフランス製のホウロウ鍋なのさ。長谷川家にはさる陶芸の大家による、数十万以上もする信楽焼の土鍋があるってえのに、うちのババアも息子の嫁も、そちらは恐くって使えないからホウロウ鍋の方がいいなんて言いやがるのさ。それがこいつで鍋ものを作ると、けっこう旨いと来てやがるんだから、シャクにさわる話じゃねえか。
 まあ「美味しんぼ」の雁屋哲先生も、高い土鍋を持っていながら女房と娘の許可がおりず、家では中国製の1個1000円の鍋を使ってらっしゃるそうで・・・あっしの家なんぞでは、言うに及ばずってところかもしれないよな〜。
 家は女のモンだとは、よく言ったもんさね。
 さーて、時間が来やがった。
 それじゃ、お客さん。次回をお楽しみに!
 
   
※1 万が一、土鍋にヒビが入った場合は、お粥を炊くと割れ目に粥が詰まって、また使えるようになる。
※2 琺瑯と書く。鉄や銅などの金属の上にガラス質の釉薬を塗って焼いたもの。宝飾品の七宝焼きも同じ製法で作られる。
   
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