| 掲載日:2005年8月3日 |
|
|||||||||
| サルディニアはイタリアの沖縄? | |||||||||
| ------------------------------------●サルディニア州 | |||||||||
さて、ご好評をいただいているマンマミーア・イタリアンも、いよいよ今回で最終回だ。え。何で29回なんて、中途半端な回数でおしまいにするんだって? そらお客さん、またイタリア料理の話をすることもあるからだよ。ものごと、あんまりキッチリ完結させちまうと、後が続かねえからな。やり残したくらいで丁度いいのさ。 てなもんで、しんがりはイタリア最後の秘境・サルディニアだ。 前回もお話した通り、石器時代から文明の続くサルディニア島だが、リゾート地として注目されたのは、ほんとうにごくごく最近のこと――1960年代になって、アラブの大富豪アガ・カーンによって開発されたのが、現在のコスタ・スメラルダ(エメラルド海岸)だったわけだ。 もとより、手つかずの自然に溢れたサルディニアだ。昔は敵が攻めてくるんで住まなかった海のそば※1も、今ではこの世の楽園として、世界中の大富豪がバカンスを楽しみにやってくる。 まあサルディニアてえのは、イタリア人が一番好きなイタリアのひとつだが、それは日本で言えば沖縄にあたるかもしれない。 イタリアでありながらイタリアではない。言葉もサルディニア方言という独特なもので、 スペインに近い北西部の都市アルゲーロでは、カタラン語※2が話されるという、ちょっくら特殊な地域なのさ。 マンマミーア・イタリアン、最終回はセレブにでもなった気分で、サルディニア料理とやらをお聞かせいたしやしょう。 |
|||||||||
|
|||||||||
| カース・マルツゥをご存じかい? | |||||||||
前回もお話したように、本格的なサルディニア料理――特に羊飼いの料理と呼ばれる山岳レシピには、一般の日本人にはキツく感じるものが少なくない。連中は匂いの強い野禽類や内臓を好んで食べるし、調理法も香りを強調する傾向にあるから、慣れてない人には、余計食べにくい。 極めつけは、生きたうじ虫入りチーズ「カース・マルツゥ」で、これは南フランスからコルシカ島、そしてサルディニアにかけて食べられる、珍味中の珍味だ。 |
|||||||||
こいつは食べるの相当な勇気がいるシロモノだが、サルディニアでは特別の席に欠かすことのできないもので、パーティーなどで食卓にあがれば、地元の人は喝采するそうだ(うじ虫というと聞こえはわるいが、生きたハチノコ入りチーズみたいなものなのかもしれねえな)。まあ、現在では保健衛生上の問題で販売はできない。だからこそ個人で作ったものには、プレミアがついて扱われているそうさね。 もっとも、そんな料理がリゾートに集まるセレブたちが喜ぶはずもなし――やはり人気なのは、四方を海に囲まれたサルディニアで採れる海の幸に、こだわりの農園で栽培された野菜や果実を、一流のシェフたちが手を加えたものに違いない。 日本からイタリアンの修行に来た料理人は、最後の数ケ月をサルディニアやシチリアで過ごす人が少なくない。それはこの地の持つ、豊かな食材に加え、本土のイタリア料理にはない不思議な魅力があるからなんだろう。 |
|||||||||
| ローマ人も愛したウニとイセエビ | |||||||||
サルディニアの食材といえば、何と言ってもカラスミ――ボッタルガというのは、前回お話した通りだが、日本人にお馴染みの食材はまだまだある。オススメなのが、イセエビやウニの類だろう。こいつらはローマ時代から高級食材として、連中が好んで食べていた食材だ。どちらも旨味タップリだから、そら、どこの国でも人気なのは当然の話だが、コスタ・スメラルダあたりのリゾート地では、さして高級店でなくとも、気軽に出される。 イセエビはナッセという、藁で編んだ籠で漁をするそうだが、こいつはサルディニアだけじゃなく、イタリア全土に出荷されてる島の名産品だ。まあ、ちょっと贅沢するくらいの感覚で食べられていると思えばいいやな。 |
|||||||||
イセエビはアラゴスタと呼ばれ、ラテン語で子馬を意味する(形が似てるからなのかな)。日本のものよりやや小ぶりだが、けっこう身が詰まっていて味は濃厚だ。新鮮さが売り物の食材だから、シンプルな食べ方が好まれる。茹でてレモンやオリーブオイル、マヨネーズなどに和えて食べることが多く、主にサラダやパスタなどにされることが多いんだ。 一方、ウニはリッチョ・ディ・マーレと呼ばれ、これはイタリア語では海のハリネズミを意味する。ウニは日本のもののように、コンブを食べて育ったわけじゃないから、旨味成分はやや足りない感じもするが、パスタや肉のソースなどにする分には、まったく問題ない。 ガーリックオイルをサッと混ぜて食べたり、ムースにしてアンティ・パストにするなど食べ方は色々だ。 ガーリックオイルなんていうと、何となくエスカルゴを思い出すが、やはり地形的に南仏やスペインが近いってこともあるんだろうな。 |
|||||||||
| アグリトゥリズモってご存じかい? | |||||||||
サルディニアで素晴らしいのは海の幸ばかりじゃない。ここで採れる果物や野菜は本当に旨いんだ。洋梨なんぞは形はよくねえが、甘くて濃厚で、そら旨いもんだぜ。形が良くなくて旨いもんってえのは、あまり人の手が加わってない分、いい知れぬ生命力を感じさせるもんだ。 イタリアではアグリトゥリズモ※3と呼ばれる、農村の中でワインや郷土料理を楽しむ、ちょっと小洒落た民宿が、全国で約1万軒以上もある。なんせ国土の半分が農地という国だから、人材と場所には事欠かないって寸法さ。 ホテルに比べると格安で、長期休暇が当たり前のヨーロッパではドイツやフランス、あるいはアメリカあたりから、田園生活とスローフードを楽しみにやって来るわけだが、イタリアの中でも人気なのが、ここサルディニアのアグリトゥリズモなんだ。 コスタ・スメラルダあたりのリゾート地と違って、便利さはもちろん期待できないが、そこはイタリア――新鮮なチーズや野菜を洗練された味付けで出してくれるとこも少なくない。自家製のオリーブオイルやレモン、アーティチョーク、ワインなどで、それはそれは歓迎してくれる。 その中には仔羊のパナーダなんて伝統料理がよく聞かれるが、こいつは日本人の口にも合うなかなかの逸品だ。仔羊の肉やジャガイモ、インゲン、ドライトマトなどをパイ生地に詰めて、オーブンで焼いたものだ。 仔羊の代わりに鶏や豚、ウナギを入れたり、反対に野菜しか入れないものなど、さまざまなバリエーションがあるそうだが、いずれにしても、こいつにはサルディニア特産のブドウ、カンノナウ種※4から作った、力強い野趣あふれる赤ワインが合う。 サルディニアの持つ大地の力を感じさせる逸品だ。 ともかくも最近流行りのアグリトゥリズモだ。サルディニアのリゾートには手が出ないが、時間に余裕があるなんて方にはオススメだ。一度試してみてはいかがかな? |
|||||||||
ところで、ここでちょっくら宣伝だ。サルディニアでもウナギは好まれている食材だが、やはり日本人ならウナギは蒲焼きで食べたいもの。そんな中、スイサンドンヤさんの新製品「麻布亭 略ポン」は、本当に素晴らしく美味しい蒲焼きなんだ。 こいつは、大きいウナギを裂いた後、カットして串打ちして焼いた商品だ。 太いウナギってえのは脂がのって旨いんだが、皮が厚いもんで、白焼きの段階でしっかりと焼かないと皮が固く感じて、どうにも塩梅が良くねえ。(だからガス焼きにした製品ではおいしく焼きあがらねえんだ。ガス焼きの下に炭火を置いただけだったり、タレの漬け焼きのときに炭火を申しわけ程度に使っただけの――炭火をうたう証拠作りをしただけ商品たあ、ワケが違うぜ!)。 だが、麻布亭ブランドは手焼き炭火で焼いているから、皮の固さが残ることはまったくない。この方法では、おそらく日本で唯一の蒲焼製品だろうな〜。 脂が乗って、身も厚く、皮までパリっと香ばしく、しかもお買い得! 唯一の欠点は身が厚いんで、上からみるとちょっくら小さく見えることくらいかな。 食べ方は簡単。ラップしたあと、レンジで強めにチンするのが、皮の香ばしさまで楽しめる一番美味しい食べ方だ。熱いドンブリご飯の上に乗せて、うな丼で食べれば、それこそ夏バテなんぞは、どこかに吹き飛んでしまうこと、受合いだぜ!。 おっと、最後は興奮して関係ねえ話になっちまって、どうもまっぴら御免なすってなあ。 さて、ご好評をいただいたマンマミーア・イタリアンも今回まで。 次回からは夏にふさわしく、日本人の大好きな食べ物「カレー」について、聞かせ倒すことにいたしやしょう。 じゃあ、お客さん。次回もお楽しみに! |
|||||||||
|
|||||||||
|
|
| Presented by 食材仕入ドットコム All Rights Reserved. Copyright© 2006, Food's-Foo 推進機構All Rights Reserved. |