| 掲載日:2005年5月11日 |
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| 医食同源は炭水化物から | |||||
今回のマンマミーア・イタリアンは、ご好評いただいている「地中海式ダイエット」の続き――まずはダイエットの大敵と「誤解」されている糖質、炭水化物※1の話からはじめよう。お米でもパンでも麺類でも、炭水化物の食材は「主食」と呼ばれるほど、あらゆる食事の中で、最も大切な要素のひとつと言って良いだろう。 タンパク質が血肉を作るなら、糖質はその体を動かす動力だ。こいつらを不自然に削ることは、生き物としての活動を制限することになる。運動してダイエットをしようにも、燃料をきちんと体に入れなければ、脂肪も燃やしようがないからなあ。 また糖質ってえのは、体温維持や筋肉運動はもちろんだが、脳の活動にも不可欠だ。なんせ脳ってヤツは、人間が使う全カロリーの30〜40%を消費するほど、燃費のわるい部位だからな〜。 それなのにダイエットに夢中になっている人――特に女性は、炭水化物を控えたがる傾向にある。だが、そいつはホドホドに願いたいモンだ。(そこのお嬢さん! ご飯をちゃあんと食べないとバカになるから、お気をつけなせえよ!) 繰り返すが、Dietの本来の意味は「1日の食事」。人がこの先、何10年と生きていくために通過しなきゃならねえ、1日1日のおまんまのことさね。人間ってえのは実にだらしないもんで、寝るのと食べるのをガマンすることはできない。体を壊したり、リバウンドで苦しんだりしないためにも、健全な食事は必要だ。 そんな中、オススメの食材はご存じ南イタリア式パスタなのさ。今まで、何度も取り上げてはきたけれど、まずはパスタによる医食同源から話をはじめてみようかい。 |
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| 太るパスタ、やせるパスタ | |||||
なに、ゲンさん。以前、パスタが体に良いって言うから、毎日ナポリタンやミートソースを食べてたら、体重が7kgも増えちまったって?うーん。あっしの言葉が足りなかったのか、どうやらお客さん――太るようなパスタの食い方をしちまったみてえだな〜。そいつは、まっぴら御免なすっておくんなせえよ。 本来は、地中海式のパスタってえのは太らないようにできてるもんだ(理由はあとで申し上げるよ)。だが、世界中に広がっていったパスタ料理の多くは、高カロリーで高飽和脂肪の食事に変わってしまったかもしれねえや。 お客さんの食べていた、ナポリタンやミートソース然り。 ピッツァならぬピザパイ然り。パルミジャーノ・レッジャーノならぬ粉チーズ然りだ。 みなさん先刻承知なように、最近まで日本でイタリア料理に思われていた洋食は、実はアメリカ経緯で入ってきたものが殆どだ。もともとは南部イタリアの移民たちが伝えたレシピだったが、ハンバーガーをこよなく愛す彼らの舌に合わせ、次第にアメリカナイズされていったというワケさ。 |
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これらのレシピだと、あらかじめ茹でておいたスパゲッティを水で冷やして作り置きし、調理の時に暖め直してソースに絡める方法がとられている。たしかにこの方法は効率的で、特にアメリカのドライブインなどでは、大量の客を次々にサバいていくことができる。 だが、一方で食感としては、どうしても芯のない軟らかいものになり、ソースも大量に吸い込んでしまう。そのソースもベーコンやソーセージなど、肉類を大量に用いたものが中心で、しかもサラダオイルやバターで炒めたものを使っていれば、どうしたって高カロリーの高脂肪食になっちまうって寸法よ。 まあアメちゃんたちの多くは、ハンバーガーとアイスクリームがなしでは生きていけない。南イタリア風の軽やかなパスタより、高カロリーのスパゲッティの方が舌に合うのかもしれないがね〜。 |
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| パスタは噛むことを極意と心得よ! | |||||
| 南イタリアのパスタがダイエットに良い理由は、アル・デンテ(al dente)――つまり「歯ごたえのある」茹で加減に由来する。わずかに芯を残して茹であげるアル・デンテは、ソースを絡めた時に、余分なソースを吸うことがなく、しかもよく噛んで食べるために満腹感を得られて、食べ過ぎを防ぐにも丁度良いわけさ。 その上、南イタリアのソースの基本はシンプルだ。 ペペロンチーニと呼ばれる、茹でたパスタにニンニクとトウガラシ、オリーブオイルを絡めたもの。あるいはマリナーラ・ソースという、トマト(赤)、ニンニク(白)、オリーブオイル(緑)という、イタリアの三色旗の食材を使ったソースがベースなんだ。 |
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こいつを日本で言えば、ご飯をよく噛んで食べることに似ている。それも白米ではなく、玄米や胚芽米、五穀米といったものを固めに炊いて、ゆっくり噛んで咀嚼する食べ方さ(あっしなんざは、江戸っ子なもんで銀シャリ――白米が大好きなんだがねえ)。 またパスタの原料になるデュラム小麦には、糖質以外に良い成分が実に多く含まれている。特にパスタ類はタンパク質が豊富で、ほかにも食物繊維やカルシウム、鉄分、ビタミンB1などの含有率がすこぶる高いんだ。食材として玄米に近い価値があるのも、そのあたりにあるんだろうな。 またパスタの糖質は吸収が穏やかなので、食後の急激な血糖値の上昇を抑えることができる(糖尿病患者さんに最適だね)。 また一方で、パスタの糖質は食べてすぐにエネルギーになるから、運動選手では試合の前にパスタを食べる人も少なくない。ともかくも栄養学的に見てオススメの食品であることは、間違いないってことさね。 (もっともあっしらの年代だと、アル・デンテの一方で、弁当に入っていた軟らかいナポリタンにノスタルジアを感じることも少なくない。あれはあれで旨いもんだからな〜。 最近の料理人の中には、アル・デンテでなくって、美味しいパスタを出す――という考え方の人もいるようだ。フレンチなどはソースの味を重視するし、洋食屋さんもしかりだ。まあ、食には「これ」って決まりがあるわけじゃねえ。 要は美味しくって、体に良ければいいんじゃねえかな)。 |
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| 肉にもアル・デンテがある? | |||||
不思議なもんで食感の好みというのは、お国によってさまざまに異なる。パスタにしてもアル・デンテを好むのは、イタリア人以外では最近の日本人くらいのもんで、アメリカでもフランスでもドイツでも、パスタを注文すると、だいたいがクタクタに軟らかくなったものを出してくる。 日本人の場合、麺類はシコシコ、野菜はシャキシャキといったように、歯ごたえのあるものを好むのに対して、肉類は「舌の上でとろけ」「箸でちぎれる」ほど柔らかいものを好む傾向がある。 また、あっさり味を好む日本人だけど、肉に関して言えば、スキヤキやしゃぶしゃぶに使う霜降り肉や、トンカツのロース肉のように、適度に脂身が入った濃厚なものを好むようだ。これは肉ってえものが高級なもので、しっかり食べておきたかった時代の名残りかもしれねえな〜。もちろん外人だって、スキヤキやトンカツを旨いと言って食べるけど、彼らにとっての肉のスタンダードは、霜降り牛でもなければ、ロース豚でもない。 欧米人は全般に歯ごたえのある肉を好むのさ。 特にステーキなどで柔らかい肉は、連中にとっては物足りないみたいで、いかにも「肉を食べてる!」っていう感じにはならないらしい(それでも本当に美味しい和牛は、彼らも喜ぶけどね)。 まあ、アル・デンテの本来の意味が「歯ごたえ」とするならば、肉にもアル・デンテがあるってことかもしれねえな〜。 |
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| 肉も体に良いぜ! | |||||
| 日本で食べられる機会は少ないが、ヨーロッパの肉ってえのは実に旨いもんだ。特にイタリアやフランスのは、牛にせよ豚にせよ独特の香り、フレーバーがある。 特に仔牛などをソテーにして食べると感じることだが、ちょっとミルクのような甘い香りがするんだ。それは和牛とは違う味わいだし、米国産やオージービーフとも一味違った、別の上品さがあるんだ。 さて南イタリアの場合で言えば、人気があるのは仔牛肉や仔羊肉といった、クセも脂身も少ないものが好まれる。脂が少ないせいか、肉本来の持つ旨味がタップリ凝縮されており、 生命をそのままいただく有難さってえのかなあ・・・そらあ実に旨いもんさね。 |
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最近の研究では高齢者の場合でも、肉も適度に食べた方が良いと言われているが、こうした赤身の肉ってえのは、実に体に良い。脂肪分の少ない肉は高タンパクの低カロリー食だし、加えて言えば、そんな肉には人間を幸福にしたり、元気にさせる酵素が含まれているそうだ。さて、南イタリアには豚肉の赤身を使ったレモンソース炒めがある。 赤身の肉を大量のレモン汁に漬け、塩胡椒で味付けをしたあと、オリーブオイルでレモン汁が蒸発しするまで炒める、実にシンプルなレシピだ。 こいつは低カロリーで満足感も得られるため、ダイエットする娘さんにオススメの逸品だ。だまされたと思って、いちど試しておくんなせえ(ただしレモンには、防カビ剤不使用のものが良いだろう)。 さ〜て、時間が来やがった。 それじゃお客さん。次回をお楽しみに! |
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