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水産物 医食同源
(餃子・前編)皮が命!の餃子さまのお通りでぇ!
掲載日:2004年5月11日
 まいど、まいど、イダテンのゲンさんです! 
 お客さん方、ゴールデンウィークはどうお過ごしだったかい?
 何でも今年は海外脱出組が大変な数って話だが、それと同時に近場の旅行が伸びたそうだ。もっとも、それは日帰り旅行が主流なわけで、消費者の財布のヒモはまだまだ固いのが現状だが・・・ともかくも人の流れができるってえのは、わるい話じゃねえ。
 まあ、景気回復などと言われても、明るさの兆しが出てきたくらいのこと。まだまだ、お先油断はくれぐれも禁物だが、あっし自身はこれからは、結構良くなるんじゃねえかと踏んでいる。チャンスをにらみながら、これからも奮闘ってワケよ。
 幸先が良いと言うべきか、あっしの「さかな通」は早くも増刷だ。
 おかげさまで、毎日新聞や日経の書評でも取り上げられ、版元のまどか出版さんは「通」のシリーズ化を決定したそうだ。次の配本は別の著者さんで「そば通」が予定されているが、あっしの著書として「さかな通レシピ編(仮称)」も11月配本予定さね。
 こいつも合わせてお願いいたしやす!
   今回は「餃子」で行こうかい!
 

 こないだはアボカド、オレンジ&グレープフルーツと、サカナじゃない品目を続けたところ、意外とお客さんからは喜ばれた。オレンジの濃縮液をタンカーで運ぶなんてえ話は、ちょっと関わっている人なら常識だが、知らない人からすると驚くべきことらしいや。
 専門のサカナ以外の話をするってえのは、下調べをしたり、業者さんに話を聞いたりと、なかなか手間のかかる話ではあるんだが、それはそれで楽しいことさね。
 てなワケで、今回は先日発信したスイサンドンヤ・ドットコムさんの自信作「寿司職人の手作りぎょうざ」のご案内に合わせて、ちょっくら「餃子」を取り上げみよう。
 もっとも本来は餃子ってえのは、「ちょっくら」って言うような食材じゃねえ。餃子もこないだの寿司シリーズみたいに10回20回くらいに分けて発信したい大ネタだが、今回ばかりはあえて、お気軽に話をいたしやしょう。

   古い古い餃子くんの歴史

 

 ともかくも餃子ってえのは実に古い食べ物だ。
 なに? 中国四千年の歴史なんだから、古いなんて当たり前だろうって?
 お客さん、テレビにすっかり乗せられてるね。前にも言ったかもしれねえが、「中国四千年」ってえのは、さるコピーライターが作った企業の広告文句に過ぎないのさ。実際に中華料理が今のような形で花開いたのは、俗に言う満漢全席(まんかんぜんせき)から――つまり清の西太后の時代だから、19世紀そこそこの話なんだ。
 イタリア料理のトマトも、インド料理のカレーも、17世紀の大航海時代以降の話だし・・・食生活というのは、常に変化しているためか、今あっしらが常識に考えている食べ物も、その歴史は意外に浅かったりするもんなのさ。
 その中にあって、餃子の歴史は本当に古い。その起源は2000年前とも1400年前とも言われるが、正確なことは誰にもわからない。
 ただ最近になって、本場中国で餃子の化石が発見されたことで、その歴史的な古さがさらに明らかになったのさ。
 シルクロードは新彊(しんきょう)ウイグル自治区のトルファンから、唐の時代(618〜907年)と見られる餃子くんの化石が出土されたんだ。てえことは――少なく見積もっても餃子が1000年以上前に、中国で餃子が食べられていたことだ。
 その化石を見るとびっくり! 一目で餃子とわかる半月形をしているのさ。おそらくは作り方もよく似たものだったのだろう。形からして小麦粉の皮で具を包んで加熱する、今のレシピと同じような食べ物だったんだろうな。
 この餃子、食べられないのが実に残念だなあ〜。
   小麦粉のウンチクをお聞かせいたしやしょう!
   昔から中国では南で米が穫れて、北では小麦が収穫された。つまり、小麦粉を用いる食品は中国北部で生まれたものが多かったってことさね。もちろん餃子のように皮に小麦粉を使ったものも、北部で生まれたものだろうと推測されている。
 小麦はグルテンというタンパク質が多く含まれているので、大昔から粉にして練り込む食品に加工されることが多い。
 そして小麦粉を練りこんで作る食べ物というのは、麺類にしてもパンにしても、単純ではあるが奥が深く、極めるのに精進と努力を必要とするものが多いんだ。
 この餃子の皮というのも同様で、実に塩梅が難しく――また餃子の命ともいえるものだ。餃子は皮の出来不出来で味が決まると言っても過言ではない。
 ここでまず、知っておきたいのは小麦粉の使い分けだ。
 小麦粉には強力粉(きょうりきこ)と中力粉(ちゅうりきこ)、薄力粉(はくりきこ)などがある。このサイトのお客さんがたは、そのくらいのことはよくご存じだろうが、脱サラしてご商売はじめようなんて方もいらっしゃるだろうし、粉ものは門外漢という方も少なくないはずだ。
 そんな方々は耳の穴、かっぽじってよっく聞いておくれよ。
   強力粉・中力粉・薄力粉の使い分け
 
  1. 強力粉は硬質小麦と呼ばれる種類を粉にしたものだ。
     グルテンという小麦のタンパク質が多く含まれており、こねた時に強い粘りが出るのが特徴で、主にパンや中華麺、ピッツァの生地、そして餃子の皮にもこいつが多く用いられる。
     餃子の場合、強い粘りは皮を伸ばしにくいというレシピ上の難しさがあるものの、もちっとした食感や歯ごたえを作るところが魅力だ。
  2. 中力粉は中間質小麦と呼ばれる種類を粉にしたものだ。
     文字通り、強力粉と薄力粉の中間くらいのタンパク質が含まれている。粉を水でこねたときの伸びがよく、主にうどんや冷や麦などの乾めん&ゆでめんに用いられる。
  3. 薄力粉は軟質小麦と呼ばれる、タンパク質の含有量が少ない小麦を粉にしたものだ。
     粉にして水でこねたとき適度にやわらかく、ケーキ等の菓子や天ぷらに用いられる。餃子の皮に使えることは使えるんだが、伸ばしやすい反面、コシの面で物足りない部分がある。
     ただ、冷めてもあまり固くならないという利点もあるんだな。
     どれをどう用いるか――お店によって、餃子の皮の塩梅ってえのは色々変わるし、水餃子にするか、焼き餃子、蒸し餃子にするかでも違いが出てくるが、ここでは強力粉と薄力粉を半々に使うことをすすめておこう。店によっては中力粉を使ったり、地粉を用いたりとバリエーションは色々だがね。
     強力粉と薄力粉を半々に使うと、コシが出る上、火を通したあと時間が経っても固くなりにくいといった、両方の良い面が生かされるんだよ。(まあ、もちろん上手に練り込んだらの話だがね)。
   餃子の皮は酵素で活性?
   小麦粉を練り込んで弾力が出る理由は、グルテンの効果だけじゃねえ。
 粉を水でこねてからねかすと、酵素によって小麦粉の発酵が促され、より粘りが出て歯ごたえが良くなるんだ。
 酵素というのは温度によって力を得たり――また反対に力を失う性質があるから、より効果的に働いてもらうためには、その適温を知ることが必要だ。
 パンでも何でも、こねたあとに生地をねかせておくことが多いのはそういうことだな。
 こね上げた生地玉は40℃が最適とされているが、今の時期だったら室温で十分だろう。冬の寒い時期でも、暖房の入った部屋にものの30分も置いておけばOKさ。
 それより大切なのは、粉を溶いて練り込む時の水温だ。
 今、申し上げたように酵素は熱によって力を失うから、餃子の皮に粘りを持たせたいのなら熱湯は禁物だ。熱湯を使ってこね上げた生地玉は、いくらねかせても粘りを持つことはなくなってしまう。(ただ、小麦のデンプンがペースト状になるため、生地としては扱いやすくはなるがね)。
 本場中国では、餃子の皮を練り込む時にわざと熱湯を用いるものがあるそうだが、そんなのは例外で――やはり水かぬるま湯を用いて、小麦粉を練り込むのが普通だろう。
   餃子の皮は手間がかかるもの
   まずは強力粉100gに薄力粉100g。それに対して水かぬるま湯を100g用意しよう。
 水で小麦粉を溶いた場合、グルテンが徐々に固まっていくので、「コシ」の強い生地が得られる利点がある。
 ぬるま湯で小麦粉を溶いた場合は、酵素が活性化するので、「粘り」のある生地を即座に得ることができる利点がある。
 え? コシと粘りとどう違うんだって?
 うーん。このあたりの表現はむずかしいところだなあ・・・。コシは言うなれば歯ごたえと弾力性みたいなもの。粘りというのは、いわば皮の持つ強さみたいなもんかな。
 このあたりの使い分けは、ともかくもその職人さんの経験とカン、そしてコツみたいなもんだ。まずは試しておくんなせえとしか言いようがねえや。
 ボールに入れた強力粉と薄力粉を菜箸で軽く混ぜ合わせたら、100gの水を3回くらいに分けて、回しながら入れる。するってえと、粉がポロポロした細かいかたまりになっていくんだ。この時、ボールに粉がこびりつくから、その時の粉もこそげ落して混ぜて行っておくんな。この間は手を使わず、菜箸で作業するのがポイントだ。
 かたまりが大きくなってきたら、その時から手を使い、押し出すようにこね上げていく。 全体がしっとりした感じになったら、丸くまとめていくわけさ。
 生地玉はぬれ布巾をかけて30分、室温でねかせておくんなせえ。
   これで餃子の皮、30丁あがり!
   30分経った生地玉は打ち粉をふった台の上において、手首を押し出すように練り込んでいく。打ち粉は強力粉でも薄力粉でも、どちらでも構わない。ただ、打ち粉をあまり振りすぎると、滑らかな食感が失われるから注意が必要だ。
 生地玉がなめらかに仕上がったら、3等分に切り分け、それぞれを棒状に伸ばす。
 さらにその生地の棒を10等分に切り分けるってえと、つごう30個分の餃子の皮が得られるわけだ。
 棒状に伸ばした生地は、90℃に回転させながら切り分ける。包丁を入れた時に生地が真っ平らにつぶれるのを避けるためだ。このあと、生地が丸く広がりやすくするためだな。台に打ち粉をふり、生地を押しつぶし平らにしたら、今度は麺棒でひとつひとつ伸ばしていくのさ。
   「寿司職人の手作りぎょうざ」はいかが?
   餃子の皮のレシピてえのは実に難しく――あっしも実地で試してみたんだが、いやはや思ったような塩梅にゃ行かないもんさね。
 まあ、餃子の皮に限らず自分で打ったものは、蕎麦にせよ、うどんにせよ、美味しく感じるもんだが――そいつをお客さまに出すことを考えると、さて勝手が違う。
 
 だからこそお客さん! 
 スイサンドンヤ・ドットコムさんの「寿司職人の手作りぎょうざ」がオススメなのさ!
 作った職人さんは千葉県で知らぬ人がいないというほど有名なお寿司屋さんだ。寿司屋が何で餃子なのかなんてえ、野暮は言わないどくれよ。
 超一流の寿司職人が、長年の経験から得た食材の知識を応用し、研究に研究を重ねて作り上げ餃子くんだ。俗に「マニアにかなう専門家なし」なんて言うけど、本当にそんな感じの餃子だよ!
 餃子ってえのは冷凍適性も良いらしく、作り立てのものとまったく遜色のない仕上がりさ。中華料理屋さんはもちろん、居酒屋さん、お寿司屋さんなど、あらゆるご商売の副食材にお使いいただけるぜ!
 また餃子ってえのは、ある意味の完全食品だ。
 デンプンの皮を用い、肉や魚に野菜をタップリ混ぜた具を使う。美味しく、体に良く、餃子がどのお店でも人気メニューであることは間違いない。
 次回はそんな今回話きれなかった、医食同源にまつわる餃子の話、具の話、種類の話をいたしやしょう。 
 いやはや、サックリ話すつもりで、やっぱり餃子ってえのは簡単に話が済まねえや。何だか疲れちまったぜ。
 仕方ねえ! 疲労回復のため、あっしはこれから点心と紹興酒で一杯と洒落込むとするかな。
 それじゃあ、お客さん。
次回をお楽しみに!
   
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