| 掲載日:2004年3月3日 |
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| 美形のサカナ・イトヨリダイはいかが? | ||
今回は「あやかりタイ」の2回目。 |
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| イトヨリダイは振り塩がポイント | ||
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イトヨリダイはちょうど秋口くらいから旨味を増し、冬場に旬を迎える。 新鮮なものだったら、見た目を楽しむという意味でも、ぜひ刺身にして食べてほしい。皮目の美しさを生かした皮霜造りなんてえのは、イトヨリの味と見た目を生かしたレシピとしてオススメだ。 レシピはタイの皮霜造りとほぼ一緒だ。ただ、タイに比べてイトヨリダイの方が身が柔らかいサカナなんで、女性を扱うような細やかな気持ちがさらに必要だ。 最初にウロコを引く時でも、タイのような剛毛ならぬ剛鱗ではないので、力加減は調節しておくんな。ウロコを引いたら3枚におろし、小骨を抜き取る。ちまたの女性と一緒で、見かけによらず鋭い小骨が多いから、慎重に取り除いてほしいもんだ。(へへ、お客さん・・・小骨も取れねえ男でいちゃあ、いけねえよ)。 ここでイトヨリの柔らかい身を締めるため、振り塩をするのがポイントだ。塩を振ってから30分ほど寝かすと、丁度良い塩梅に締まってくる。 そしたら次に湯引きをするんだが、布巾をかぶせてから熱湯をかけて、素早く氷水の中で締める。こうすることによって身が白くならず、ちょっくら皮目が縮んだ状態になるのさ。 こいつを水気を切ってからお造りにすれば出来上がりだ。 皮霜造りってえのはワサビ醤油や梅肉醤油はもちろん、酢醤油やおろしショウガでも何でも合うんだ。見た目も美しいし、淡白で上品な味わいが何ともいえない逸品さね。ぜひ一度試しておくんなせえ。 |
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| イトヨリのアクアパッツァはいかが? | ||
| イトヨリダイはフランスでもルーシュと呼ばれ、レストランだけでなく一般家庭でも好んで使われる素材として知られている。 もともと、こいつらはヨーロッパの地中海沿岸地域でも、よく食べられているサカナさね。淡白で上品な味わいは和洋中華エスニックなど、いかようにも料理できる。 イタリアやスペインで魚料理を売りにしている店では、調理する前の魚がパッドに氷と一緒に入れられて、カウンターの前などに並べられている。お客さんはそいつらから好きなものを自由に選んで、好みのレシピでリクエストできるんだが、ここでもイトヨリダイは人気のサカナだ。 イトヨリを使った西洋料理であっしのイチオシは、何と言ってもイタリアンの定番・アクアパッツァだ。 何? ゲンさん、最近ガラにもなく横文字が多いって? 前は『アクアパッツァ』なんて言葉を使ったら頭から火い吹いて怒ってたって? へへ、まあいいじゃねえか・・・。 あっしも昔は「江戸っ子が毛唐の料理なんか、食えるか!」ってタイプだったんだが、年と共に「旨けりょいいじゃねえか」という風に変わってきた。横文字もまた良しだ。どうか、あっしにも西洋の言葉を使わせておくんなせえ。 アクアパッツァというのは、イタリア語で「奇妙な水」という意味だそうで、ブイヨンなどを使わず、魚を水だけで料理するレシピのことを指す。 イタリア料理らしく、調理法は至ってシンプルだ。 まずフライパンにオリーブオイルをひいて熱したら、イトヨリを皮目の方から焼き始める。日本料理の場合と違ってこの時、振り塩をしないのがポイントだ。 魚から出る油はキッチンペーパーでふき取り、イトヨリにこんがりと色がついたら、アサリやトマト 、ケイパー、オリーブの実、サフランに水をコップ2杯半入れる。アサリの口が開いて水分が半分ほどになったら、さらにオリーブオイルを入れ、パセリを入れる。 フライパンを前後にゆすり、スープがトロ〜リとして乳化してきたら一丁上がりって塩梅さ。 イトヨリダイは癖のない白身なもんで、照焼きや塩焼き、ムニエルや香草焼き、フライ、天ぷら、唐揚げなど、バリエーションは融通無碍だ。 ついでと言っちゃ何だけど、スイサンドンヤ・ドットコムにも美味しいイトヨリがあるぜ! これまで鮮魚に頼るしかなかったこのサカナをワンランク上の鮮度で仕上げたものだ。タイプはフィーレと開きの2種! どうぞ、おひとつ試しておくんなせえ。 |
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| 高貴な魚・アマダイくん | ||
| もう一丁、関西で人気の「あやかりタイ」の代表格に、アマダイがある。 アマダイは体が長く扁平で、額の部分がストンとナタ型に傾斜した、独特の体形をしている。タレントの所ジョージを思わせる、ちょっくら間の抜けた面をしたサカナだが、こいつも「あやかりタイ」の中では外様大名で、タイとは何の関係もないサカナだ。 もっとも京都あたりじゃ、アマダイとは呼ばず「グジ」と呼び、これまた本家タイに負けない高級魚として人気があるんだ。 交通の発達していなかった時代――若狭湾で採れたアマダイに塩をして、一晩かけて京都に運ぶうちに味がなれて美味しくなるという「若狭グジ」は、鯖街道のサバと同様、有名だったんだ。 ひょうきんなその顔に似合わず、淡白で上品な「グジ」の味は、京懐石の大切な素材として欠かすことのできない存在になっているのさ。 また静岡ではアマダイを「興津鯛」という呼び方をする。 これは、江戸城大奥の女中だった興津の局(おきつのつぼね)が、駿河の生家に宿下りした際、富士の形をした鱗を持つアマダイを土産に持たされたことに由来する。 早速、そのアマダイを一塩に用いて徳川家康公に献上したところ、将軍さまはこの上品な白身魚をことのほか愛でたそうだ。 何と言っても鯛の天ぷらで死んだと伝えられる家康だ。「以後この魚を興津鯛と呼ぶがよい」と言ったのが、この「興津鯛」の名の由来だそうだよ。 |
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| アマダイ三役揃い踏み | ||
| アマダイと一口に言うが、日本で食用にされているものはアカアマダイ、シロアマダイ、キアマダイの3種類だと言われている。 アマダイの色はどれも薄いピンク色に覆われているが、その濃淡や背びれの色でそれぞれ、赤・白・黄といった名前が付けられているんだ。 いちばん味の良いのがシロアマダイで、成長した時の大きさも約60cmと一番大きい。こいつは鮮度が良ければ刺身で食べることもできるんだ。 一般的に多く流通しているのはアカアマダイで、成長すると体長40cmくらいになる。もともとアマダイは身の柔らかいサカナだが、アカアマダイの身はそのままだと少し水っぽいんで、ちょっと刺身にはオススメできない。おもに一塩にしたり、干物、みそ漬けなどで食され、一般にアマダイというと、このアカアマダイを指すことが多い。 家康が喜んだ「興津鯛」ってえのは、おそらくアカアマダイのことだろう。生態は3種類でそれぞれ若干異なるが、シロアマダイとアカアマダイは砂泥の海底に生息している。昼間は穴蔵生活を行い、夜間に餌を求めてウロウロし、エビ、カニ、シャコ、クモヒトデなど何でも食べるんだ。 キアマダイだけは少し深いところに住んでいて、体長も30cmと小さい。漁獲量も少なく、味も落ちると言われてるので、市場に出ることは少ないサカナだな。もっとも塩干しにしていちばん旨いのはキアマダイだという人もいて、そのあたりは板さん次第ってことになるのかな。 |
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| スイサンドンヤ・ドットコムさんの赤甘鯛はいかが? | ||
| さて。蛇足ながら、スイサンドンヤ・ドットコムさんにも「赤甘鯛」がアイテムに加えられているんで、ちょっくら言わせておくんなせえ。 アマダイは再三申し上げてるように、身が柔らかく身くずれしやすいんで、普通に料理すると皮側に縮まる欠点があるが、こいつはちょっとしたコツで簡単に解決できるんだ。 まずは、冷蔵庫にて自然解凍。お急ぎの際は流水解凍でOK。 一塩した後、30分から1時間ほどおくことによって水分を取り除く。 それから皮側に切りこみを入れる。 火を入れる際は、皮の方からではなく身の方から! フライパンの場合は身の方を最初に下にするのがポイントさ。 西京漬け、塩焼き、椀種、天ぷら、蒸し物、フライ、ムニエル、中華の揚げ物 など、さまざまな用途に使えるよ。どうぞお試ししておくんなせえ。 さて、あっしはこれから関西へ出張だ。イトヨリダイやらアマダイの話をしていたら、あちらの吸い物やらみそ漬けが食いたくなってきちまった。 じゃあ、お客さん。次回をお楽しみに! |
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