| 掲載日:2003年10月23日 |
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| 廻る廻る時代は廻る、マグロも廻る | ||
| 今回は前回に引き続いて寿司ネタ・マグロPARTIIだ。 『お気楽にマグロの話』と言いながら、結局話すことが多くなっちまった。マグロ、恐るべし! …てカンジかな。 さて、食生活ってえのは、実はあっしらが考えているより、ずっと早く変化し、その上歴史が浅い。 TVのグルメ番組じゃ、中華料理を中国四千年とか銘打って出てくるが、実際に中華が今の形に体系化されたのは、西太后の満漢全席(漢民族と西太后の満 州民族のフルコース)からのことだから、せいぜい100年そこそこの話。 また、イタリア料理のトマトも、インドのカレースパイスも17世紀の大航海時代以降だから、これもせいぜい300年って話さね。 マグロもそれと同じで、その好みは時代とともに変化してきたのは、再三申し上げた通りだ。 縄文時代の貝塚から出土された話は以前にもしたけど、その後、古墳時代から奈良時代にかけて「万葉集」にもマグロは登場する。 |
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| あっしにはこの歌の意味なんざ、よく理解できないけど、どうやらこの時代にはマグロ漁がなされていたようだ。 山部赤人さんは、「鮪釣ると海人さわき」なんて言ってるそうだから、万葉のこの時代には大切なタンパク源だったんじゃないかと、あっしは勝手に考えてる。 それにしても、あの猛スピードで泳ぎ回るマグロをどうやって捕獲したんだろう? まったく昔の人は不思議な術を心得てたもんさね。 |
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| マグロのブランドイメージ | ||
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それが江戸時代になると下魚とさげすまれるようになったのは、これまでもお話した通りだ。 「薩摩芋、南瓜、鮪は甚だ下品にて 町人にて表店(おもてだな)の者は食することも恥じる体なり」 なんて書かれた記録もあるらしく、侍はもちろんのこと、商人でも地位の高い人間は口にしなかったようだ。 それにしても江戸時代…マシな冷凍技術がなかったとはいえ、「目黒のさんま」のように、イワシやサンマのような青魚が食卓にのぼっていたわけだよな。 マグロだって鮮度の良いうちに届くことだって、あったハズだから旨いマグロを口にする機会がけっこうあったはずだ。 食い物ってえのは、意外にブランドイメージが強い。 今だってTVのグルメ番組なんかじゃ、キャビアとかトリフという高級食材が出てくると、『キャ、キャビア〜♪』とか叫んで、派手なリアクションをする けど、きっとこの時代もそうだったんだろう。 マグロの旨さが本当に認められたのは幕末から明治以降の話だ。 トロがもてはやされるようになったのは、さらに戦後になってからのこと。 それまでは「アブ」とか「しもふり」「だんだら」「ズルズル」なんて滅茶滅茶な呼ばれ方をされて、捨てられていたんだな。まあ、適当な呼び名がなかっ たんだな。トロはその程度の存在だったわけだ。 しかし「しもふり」はともかく、「アブ」とか「だんだら」「ズルズル」で食欲の出る人はいないのも確かだ。 そこで三井物産の人が「どうでえ、口の中に入れたら『トロッ』とトロけるから『トロ』にしようや」てんで『トロ』になったのは、以前にも話した通りだが、これは食べ物のブランドイメージがいかに大切かを教えてくれる話だと、あっしは考えている。 |
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| 鉄火巻きは賭場で生まれた? | ||
| 鉄火巻きが生まれたのも戦前の話と新しい。いや、正確に言うと鉄火巻きの名前の由来が、戦前までは、日本全国どこにでもあったバクチ場…いわば鉄火場
から来てるというんだな。 その鉄火場に来る客人たちが、勝負の合間につまんでいったのが、鉄火巻きの語源だというわけだ。 握り寿司では、花札やサイコロを握る手がベタついて塩梅がわるいが、のり巻きならそんなことはない。まあ、ネタがマグロでなくとも、巻き寿司なら何 だって良いわけだが、やはり博打打ちがカッパ巻きやかんぴょう巻きでは格好がつかないということなんだろう。 ただ、こういう話は多分に俗説が多い。 人間ってえのは、いちばんはじめに聞いた話が適当に面白いと、根拠がなくともそのエピソードを信じちまうもんだ。江戸時代には鉄火ずしなるものがあっ たというから、この鉄火巻きと賭場の話はイメージだけの話かもしれない。 しかしこのエピソード、サンドイッチがカード狂いのサンドイッチ公爵を起源とする点、洋の東西を問わず博打打ちというは、ファストフードに行き着くと いうことだろう。 あっしも付き合いで囲むことはあるが、食事はゆっくり食いたいもんだがね。 ま、本当の博打打ちじゃねえってことかな。 |
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| マグロのおさらいはホンマグロから! | ||
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以前にもマグロの種類についてはお話したことがあるけど、今回は寿司ネタとしてのおさらいだ。 マグロの種類を大まかに分けると、ホンマグロ(クロマグロ、シビ) 、ミナミマグロ(インドマグロ、オーストラリアマグロ) 、キハダマグロ 、メバチマグロ 、ビンナガマグロの5つに分けられるのは、「マグロ大好き』でもお話した通りだが、寿司ネタにする場合、さらに細かい使い分けが出てくる。 当然、いの一番はホンマグロ。マグロの仲間ではもっとも美味で高価なことは、みなさん先刻ご承知のことだろう。 2歳魚くらいまでの90cm以内のものを「メジ」といい、4〜5月くらいが旬ってトコかな。薄味なんで刺身などにした人気はイマイチ盛り上がらないと ころはあるが、春先から初夏にかけてのメジは、寿司ネタとしちゃ最高の逸品と言って良いだろう。 20kg以下のものはマメジ、20〜30kgのものを中房と称しする。こいつらは脂も薄からず、成長したホンマグロほど脂も強からずで、これまた誠に 手ごろな寿司ネタと言って良いだろう。 特に冬の脂ののったシビは最も美味しいといわれるが、スイサンドンヤ・ドット・コムさんのホンマグロは地中海産が中心で、もっとも脂ののる春先に買い 付けてる。 あっしもイチオシの逸品だよ。どうぞ、食べておくんなせえ。 |
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| メバチとキハダは安くて旨いぜ! | ||
| メバチは文字通り目が大きくばちっとしているため、メバチと呼ばれるようになったのはご存じだろう? ずんぐりもっくりのメバチくんは、ホンマグロの味がコンニャクといわれるくらい落ちてしまう、春から夏にかけてが旬で関東以北で人気があるんだ。 昔は「バチ」といって、場違いに通じるところから一流の寿司屋じゃ、メバチマグロを使うのを恥としていたところもあったそうだ。 また、ホンマグロに比べて皮が薄いため、管理が雑なものは、独特の蒸れたような臭いがあって我慢して使っていた時期もあったという。 だが、冷凍技術の発達もあって、今やメバチで真打ちを立ててる寿司屋さんも珍しくない。 それからキハダの存在も忘れちゃならねえ。これもホンマグロの味が落ちる夏場が旬。肉の色はピンク色で色持ちが良いのが脂肪分は少ないが、さっぱり とした赤身は名古屋から西で人気があるんだ。 スイサンドンヤ・ドット・コムさんのメバチくんはブロックものが1kgでなんと1100円台! キハダくんは5kgで5000円台なんて爆安ものが中 心だ。もちろん、折り紙つきの新鮮だ。どうぞ、食べておくんなせえ。 さーて、これからマグロが美味しくなる季節だ。新鮮なマグロってえのは、人を幸福にする成分が含まれてるんじゃないかって思うくらい旨い。 今日は…そうそう。あっしの買い付けたイタリア産ホンマグロを出してる、銀座の老舗に顔を出すとするか。 近頃は肌寒くなってきやがった。 昼夜の寒暖差が大きい季節、どうか美味しいものでも食べて、風邪などひかず元気に働こうや! じゃあ、また次回をお楽しみに! |
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