ご案内所 ショップ 商品検索 ヘルプ ホーム  
水産物 医食同源
食いねぇ、食いねぇ、寿司食いねぇ! (寿司その十三、マグロ編)
掲載日:2003年10月01日

 
 まいど、まいど。イダテンのゲンさんです!
 いや〜、4週連続の本格漬け魚は大好評のうちに終了いたしやした。ご注文くださった、お客さん方。まいど、ありがとうございやす! おかげさまで漬け魚の注文は殺到。ともかく、注文してくださったお客さんの評判がすこぶる良いんだよ。
 この漬け魚はこちとらイダテンのゲンさんが、自信を持ってみなさまにオススメする商品だ。あっしとは長い付き合いになる老舗の漬け魚屋さんに、この白 髪アタマを下げて特別にお願いした商品だよ。(そりゃまあ、口説き落とすのが大変だったんだから…)。
 なんせ、漬け魚のことしか考えてない頑固一徹の職人さんが、ひとつひとつ時間をかけて丹念に漬け込んでもらった品だ。自惚れちゃあいけないが、そりゃ、旨くねえハズがねえ。
 だが漬け魚のサービスは、まだまだほんの序の口さ。リニューアル後のスイサンドンヤ・ドット・コムさんは、お得なオススメ商品が目白押しだよ!
 中でも秋季限定…今年は特に旨い生鮮の生サンマは、イチオシの逸品! どうか、この機会を逃がさねえでおくれよ。
 こいつらは生鮮魚介類のアイテムに入れられているだけあって、刺身やたたきでも美味しく食べられる、新鮮そのもののサンマさまだ。言うまでもなく、塩焼きは脂がのって最高さ。
 サイズは「大型秋刀魚」と「中型秋刀魚」の2種。「大型秋刀魚」は、サンマの中でも超特大サイズで鮮度バツグンの高級品だ。そんじょそこらのサンマと違って脂のノリは抜群だよ。「中型秋刀魚」は通常サイズだが、今年のサンマはひと味違う! 大漁に加えて脂ノリはすこぶる良好。何より価格を見ておくんな。これ見て買わなきゃ損す るぜ!
 ほかにもおつまみ30%オフの特売セールや、本マグロ中トロスライスの小分け販売、超厚切りトンカツなど、魅力的な商品を数多く揃えて、日々これお客 さま方にご奉仕の連続だ。
 ともかくも遠慮はいらねえ。ご注文のほど、ジャンジャンお願いいたしやすぜ。
   真打ちマグロをお気楽に
 

 さて、今回の医食同源・寿司の話だが、前回はカツオの話をしたから、今回は「カツオとくればマグロ」ってなもんで…お気楽にマグロの話を聞いておくん な。
 何? ゲンさん、タコの時も同じようなことを言っただろうって?
 マグロはタコと違って、いわば寿司でいえば真打ちだって言ったのはゲンさんじゃないか…てか?
 気楽にマグロの話なんてとんでもないってか?
 まあまあ、そう目を三角にしないで聞いておくれよ。お客さん。ハバカリながらあっしも築地じゃ、ちったあ名の知れた男さ。マグロが寿司にとってどんな 存在か、知らないわけじゃない。
 ただ、そんなネタだからこそ、あえて特別あつかいせず気楽に話をしてみてえんだ。もちろん『マグロ』は、スイサンドンヤ・ドット・コムさんでも、まるまるで1アイテム費やしてる大ネタだが、その価格を御覧になってもわかる通り、な るべくお求めやすいお値段でみなさまに食べていただこうという気持ちがある。
 そんなワケで寿司ネタの真打ち・マグロさんのお話、ちょっくらお気軽に聞いておくんなせえ。(マグロについては以前の医食同源でも、3回に分けて話したことがあった。今回は寿司ネタとしてのマグロだが、若干、話がダブるところがあるのはご勘弁 のほどを)。

   肥料にされた江戸のマグロ

 

 それじゃ、何でマグロは寿司にとって真打ちにあたるんだろう?
 それはその貴重さはもちろんのこと、やはりマグロというサカナは寿司ネタになることによって、最大の旨味を発揮するからだろう。
 お客さんの中にもマグロのブランドイメージは定着していて、寿司をよく知る人も知らない人にも、「お、マグロか」と言わしめる存在なわけだ。寿司屋の 命運はマグロによって左右されていると言ってもよいだろう。
 ところが、そんな貴重なマグロも明治時代くらいまでは、冷凍技術が発達していなかったために下魚とされて、たいして有り難られなかったのは以前にもお 話した通りだ。
 江戸後期の文政頃(1825年頃)の医師、曳尾庵南竹(ひきおあんなんちく)は、その随筆の中でマグロの大漁をこう記している。(ちょっくら読みにくいので、ライターの方に翻訳してもらいやした)。

「師走頃に至りて、おびただしいマグロが水揚げされる。豊漁なのは良いが、あまりに採れすぎたため下肥えにするほかは、さても引き取り手はなし。
 頭などは往来に捨ておくが、山のごとく積み上がり、そのおびただしさと臭いには、犬も恐ろしがって近寄らぬありさま。
 日増(ひまし)のマグロは猛毒とも言われ、下々の人間でも口にしない者も多く、日本橋魚河岸にても、あまりの大漁はことのほか迷惑とのこと」


 これを読むと、採れ過ぎたマグロさんは、本当に肥料にするしかなかったんだろう。まったくもったいない話だが、保存方法がなかった昔は仕方なかったん だな。
 ただこの記事を読む限り、マグロが下魚とはされながらも庶民の口に入っていたことは間違いないようだ。「日増のマグロには毒がある」というのは、カツオの毒と同様、昔は腐りかけたマグロで食中毒にあった人がいるということだが、それは逆の意味でかえせ ば、けっこう食べる人がいたということだ。食べる人間がいなきゃ、いくらなんでも山積みになるほど採りゃしないしな。
 サンマやイワシ、サバやコハダが下魚といわれながら食べられていたように、マグロも同様で、落語の熊さん八っつあんの酒の肴として食されていたのかも しれない。
   マグロの握りは「天保の改革」が生んだ?
   マグロの握り寿司が登場したのは江戸後期、老中・水野忠邦、鳥居耀蔵らによる「天保の改革」がはじまった頃だと言われている。
 ご存じの通り、天保の改革というのは徹底した倹約令だ。
 ぜいたくを禁止し、物価値下げを断行するという…今で言えばデフレを推奨する、とんでもない改革政治だったもんで、結果的には失敗に終わったことで知 られている。
 経済的には失政だった天保の改革だが、それがマグロの握りを生み出した一因になったと、あっしは個人的に思っている。
 なぜかって?
 そりゃあ、当時マグロは下魚だったからさ。
 この時代、マグロの大漁が何度かあったらしく、魚河岸をはじめ、江戸中にマグロが溢れかえったそうだ。高級魚のタイやヒラメを食べたりすれば、「ぜいたくはまかりならん!」と、お上の目のうるさいところだが、下司ザカナのマグロなら、いくら食べても文句言われなかったってワケさ。
 それをビジネスチャンスにした店が、日本橋は馬喰町(ばくろちょう)にあった恵比須ずしというお寿司屋だったんだな。この店がはじめてマグロを寿司ネ タとして扱った…それが寿司屋仲間では通説になっている。
 「天保の改革」に加え、マグロのランクが当時は低かったこと…マグロの握りが登場するには、そんな時代背景があったと、あっしは勝手に考えている。
   與兵衛ずしにマグロはなかった

 

 江戸前寿司は花屋與兵衛(はなやよへい)によって、江戸の町で大ブレイクしたのは以前にもお話しした通りだが、どうやらマグロの握りに関しては、「與 兵衛ずし」も後発部隊だったみたいだ。(以前、お話した『医食同源/マグロ大好き!』だと、與兵衛ずしがマグロの握りをはじめたように誤解される言い方をしてたけど、実際は少し違う。いやはや、お客さんがた。どうも、まっぴらご免なすって…)。
 江戸前寿司が屋台からはじまったのはご存じの通りで、もちろん與兵衛ずしも、屋台でパッと入りパッと食べる…そんなファーストフードの形式をとってい た。ところが成功した後は、きちんとした店舗を構え、次第に高級店へと変わっていったんだ。
 今で言えば屋台で成功したラーメン屋が、最初は店舗を持ち、次にはチェーン展開をし、その後は高級店を持つというパターンに近いかもしれない。(みなさまお客さんの中でも、そんな風に展開しつつある店があるかもしれないな。このイダテンのゲンさんが、スイサンドンヤさんと一緒にしっかりとサポ ートするから、どうぞ、しっかりとがんばっておくんなせえよ)。
 江戸前寿司を普及させた與兵衛ずしだが、すでに高級店になっていたため、江戸は天保年間くらいでは、まだマグロを扱うことはしていなかったようだ。
 ところが嘉永年間、世の中が幕末の動乱に近づくと、「與兵衛ずし」や「松のすし」といった一流店も、時代の流れには勝てなかったのか、マグロのヅケな るものを扱いはじめたようだ。
 それから明治末期くらいになった時には、寿司ネタとしてなくてはならない存在にランクが上がり、現在に至っては、押しもおされぬ寿司ネタの真打ちに なったってワケなんだ。

   マグロを食べるならヅケをどうぞ!
 

 今の寿司ネタというのは、刺身にして食べるような生を用いるのが主流だが、何度も言うように、もともと寿司というのは、下ごしらえに手間をかけて握る のが本来の姿だとあっしは思っている。
 マグロのヅケは、その代表格…というより、「ヅケと言えばマグロ」…それも赤身を指す言葉になっているが、昔はたいていのサカナがヅケにされていたらしく、明治に出されたレシピ本「鮓のつけかた」には、このように記されている。「当今、しょうゆ漬けと申しますと、世間ではマグロに限ったように思われていますが、これは甚だ不見識です。
 今から70余年前も前には、しょうゆ漬けと申しますと、タイかヒラメに限ったもので、これは八百善その他、一流の料理店でも今なお刺身にマグロを用いず、ヒラメやタイに限られているのと同じです」
 てな具合に続くわけだが、これを読むと当時から70年前…逆算すると江戸時代の享保年間くらいになるだろか。その時代に生魚のネタは、ほとんどが醤油 か甘酢(あまず/砂糖やみりんなどを用いて甘みをつけた酢)に漬けていたんだ。
 まあ、冷凍技術が発達していなかった時代に、醤油に漬け込んだり、甘酢などにとおしたりといった下処理を行ったのというのは、ごく自然なことだったんだな。
 それが結果的に、寿司ネタとして独自の味を出していったわけなのさ。
 余談ながら、この八百善って店は創業が江戸は享保(1716〜1736)という老舗だ。歴代の将軍に料理をお出ししただけじゃなく、あのペリー提督にも饗応料理を受け持ったことで知られている。(今でもこの店は元気にやっていて、なんでも新宿南口にある某大手デパートに行くと、ここの料理が食えるそうだ。興味のある方は行ってやっておくんな)。

   ヅケのレシピは店によってまちまち
 

 ヅケの下ごしらえはシンプルだ。
 店によってつけ汁のレシピは微妙に異なるが、基本的には醤油と酒を混ぜて煮たたせ、そこに出し汁を入れて火を止める。
 醤油と酒の割合は、だいたい7:3くらいだろうか。
 出し汁は昆布とカツオのダシを合わせだったり、カツオ節をそのまま入れたりと、店によって独自の方法があるが、寿司屋で用意された、いわゆる煮きり醤 油で醤油特有の臭さが抜ける。
 漬けおく時間も店によりまちまちだが、3〜5時間くらいのトコが多いかな。
 こうやって手間をかけたマグロの味は格別だ。最近はヅケが見直されてきたのか、出す店がずいぶん増えてきた。いい傾向だよな。
 マグロのヅケこそ江戸前寿司の真骨頂! 少なくとも、あっしはそう考えている。
 おおお。いけねえ、いけねえ!
 まだ話すことがあるのに、こんな時間になっちまった! 気楽にマグロなんて言ったけど、話し出すと、どうしても口数が多くなっちまうなあ。
 残りのマグロ談義は次回にするとして、あっしは河岸の行きつけで、ヅケ丼でも食べていくかな。
 それじゃ、お客さん! 次回をお楽しみにな! 

   
戻る

go top

Presented by 食材仕入ドットコム All Rights Reserved.
Copyright© 2006, Food's-Foo 推進機構All Rights Reserved.