ご案内所 ショップ 商品検索 ヘルプ ホーム  
水産物 医食同源
食いねぇ、食いねぇ、寿司食いねぇ! (寿司その十、イカ編)
掲載日:2003年08月01日

 
 まいど、まいど、イダテンのゲンさんです!
 お客さん! スイサンドンヤ・ドット・コムさんの新カタログ「食材仕入事典」はお手元に届いたかい? 
 何? もうとっくに注文したって? 
 おお。そりゃ、失礼しやした。
 それにしても、まだお手元に届いてない方は、大至急連絡しておくんな。イダテンの名に恥じないスピードでお届けしやすぜ。
 ともかく新システムが7月21日からブチ上がってから、注文が殺到して大変な騒ぎさ。毎日早朝から深夜まで、スタッフもゲンさんもフル稼動で嬉しい悲鳴を上げてる真っ最中だよ!
 スイサンドンヤ・ドット・コムさんの新システムは本当に凄いんだ。 品揃え、価格の安さ、品質、利便性など、どれをとってみても『ほかの業者さん。ゴメンなさい』ってカンジなんだぜ!
 今回のカタログは、以前までの大漁旗をイメージしたようなデザインから一新。あっしは前のは前ので好きだったけれど、今度のものは「食材仕入事典」の名に相応しく、ものすごい商品数とボリュームだ。見ているだけでワクワクするカタログに仕上がってやすぜ。
 なんせ以前からリストにあった米や肉、生鮮青果に加えて、ワインや日本酒のブランド品や、チーズおつまみ、調味料など、およそ食品と名のつくものは、すべてこのサイト市場ですべて手にはいっちまう。
 パルミジャーノ・レッジャーノなんてチーズは、都心の小じゃれたスーパーで買うと、ひとかけら数1000円もするけど、こちとらスイサンドンヤ・ドット・コムさんで買えば1kg…おおおおお! 驚異の安さで最高のクオリティの食材が手に入るって寸法さ。
(あっしの若い頃にゃあ、『粉チーズ』なんて呼んでたもんだが、隔世の感があるってえのは、このことかな)。
 11月にはまどか出版さんから、あっしの本が発売になる予定だし…お客さん、今後もスイサンドンヤ・ドット・コムさんと、あっし「イダテンのゲンさん」をよろしくお願いしやすぜ!
   イカは1年を通じて旬なネタ
   さて、今回は寿司も10回め。そろそろネタがつきそうなもんだが、まだまだ聞かせ倒したいことがいっぱいというのが、寿司という食い物の底知れないところだ。
 今回はイカをとりあげてみよう。スルメイカなんざあ、初夏から秋口にかけて美味しくなる旬の素材だしな。
 もっともイカってえのは、以前にも取りあげた通り種類が多い上に、呼び名が色々ある水産物だ。
 アオリイカは春から夏。ヤリイカは春から秋。コウイカ、モンゴウイカは秋から冬と、旬の直は種類によってさまざまな上に、今は冷凍技術が発達しているから…まあ、1年を通して美味しく食べられるネタのひとつと言えるだろうよ。
   寿司には煮イカが旨い!

 

 イカをネタにした寿司というのは、現在は生イカを用いるのが主流になっているが……ちょっと昔まで イカは煮物ネタだったんだよ。
 今でも昔気質の寿司屋には、あくまでイカを煮物ネタとして出している店もある。
 たしかに、生のイカというのは刺身やイカソーメンなどで食べると実に美味しい。しかし寿司ネタにした場合 、あの粘りのあるモチモチとした食感が、シャリとは合わないという職人もいるんだ。
(まあ、若い今のお客さんの中には、煮イカの寿司なんて食べたことのない人も多いだろうから、イカの寿司というのは生イカを使うモンだと思っているかもしれないな)。
 あっしもイカ刺しやイカソーメンは大好きだが、寿司で食べる生イカに関して言えば、そりゃよほど新鮮なものでないと満足しない。
 まあ、生イカの寿司ってえのは…あれはあれで旨いもんだが、マグロやコハダ、アナゴといた、いわば横綱級のネタじゃあねえ。いいとこ小結か前頭筆頭くらいじゃあないかな。
 それに比べて煮イカってえのは、(煮ものの寿司としては)アナゴを横綱とするなら、煮イカは大関にあたる旨さを持つモンだと、あっしは思っている。
 ただ、ちょっくら手間がかかるのと、イカの種類によって煮方の塩梅が違うのと…それから、消費者のみなさまの嗜好もあるんだろう。近頃じゃあ、煮イカをメインに出すところは、めっきり少なくなっちまったようだ。

   生イカは関西からやってきた
 

 もともと生イカを寿司にするってえのは、江戸前にあったネタじゃあねえ。意外に思うかもしれないが、もとは前回お話したクルマエビのオドリと一緒で、戦後になって関西からやってきた新参モンなんだ。
 今でこそ江戸前寿司が全国に広まったものの、周知の通り、関西って地域は鮒ずしやどじょうずしといった熟れずしや押し寿司が中心だったトコだ。
 だからこそ反対に、関西の寿司屋が東京の寿司に目をつけた時、それを導入する時に『東京じゃ、何でも寿司には生ネタを使っている』とカン違いをしたんだろう。もともと関西地方は瀬戸内から大阪湾にかけて、良い漁場を持っている。
『サカナの鮮度なら東京モンに負けへんで』(へへ。すまねえ、すまねえ。おかしな関西弁つかっちまってよ!)とばかり、握り寿司用に何でもかんでも、生ものを使いはじめたのがはじまりのようだ。
 閑話休題になるが、あっしも商売がら、何度か通天閣や天王寺界隈、飛田の新地あたりで勉強させてもらったことがある。そいつが意外に、東京の下町界隈に似てやがるんだ。 そう。景色も気質も人柄も…よく似てるんだよ。
 大阪で江戸っ子風を吹かせたりすれば、嫌われちまいそうなもんだけど…(まあ、たまたま相性が良かったこともあるだろうが)あっしの場合、江戸っ子であることがマイナスになったことは、ただの一度もない。
(ただ、あっしが関西弁を使うと、むこうの連中は口をそろえて『ゲンさん、頼むからそれだけはやめてくれ』って言われるけどな。がははははは!)
 まあ、そんなことで関西人が作り出した江戸前寿司のレシピってえのは、けっこう東京で広まってるんだ。新香巻の細巻きも関西生まれだっていうし、店の中に生け簀を設置するアイデアも関西人ならではのモンだ。

   イカの印籠ずしをご存じかい?

 

 それはそれとして、江戸っ子のあっしっとしては、今は少数派になっている煮イカ寿司の旨さを、ぜひともお客さんがたに味わっていただきたい。
 イカの煮物が美味しいことは、どなたもご存じだろう? 北海道の駅弁でおなじみイカ飯を食べてみれば、煮イカとご飯の相性がどんなに素晴らしいかは、言うまでもないこった。
 イカ飯?てえのは、スルメイカの胴の中に餅米と刻んだゲソを詰めて煮込んだもんだが、これと近い姿をした寿司に、イカの印籠ずしってえのがある。 (印籠づめとも言う)。
 印籠ずしってえのは、空洞のある食物(あるいは素材に空洞を作る)に詰め物をしたもんだ。イカの印籠ずし場合、煮込んだイカにシイタケやオボロ、刻んだカンピョウを混ぜた五目酢飯を詰め込んだもんだ。今でもこれを出している店は、寿司屋より居酒屋のようなところが多いかもしれない。
 スルメイカ以外ならヤリイカなんぞが、印籠ずしに向いているな。
 こういった詰め物の場合、素材の持ち味以上に、詰めて切った時に、一口で食べられる丁度良い大きさになるってえのは大切な条件だ。当然ながらモンゴウイカなんかだと、大き過ぎて胴の中にいくらでもおまんまが入っちまう。印籠ずしには不向きなんだ。
 お客さんのとこも、印籠ずしなどおひとつ試してみてはいかがかな?  

※ 「水戸黄門」でもおなじみ、印籠とは薬入れである。もとは朱肉と印鑑を入れていたそうだが、室町時代あたりから薬入れと変わり、江戸時代には武士の必携品として使われるようになった。

   イカをイカにしてサバく
 

 お客さん方、玄人衆にはシャカに説法かもしらんが、イカの下ごしらえについてお聞かせしよう。最近のスイサンドンヤ・ドット・コムさんは客層が広がってきたもんで、細かいことでも説明してくれって方が多いもんでな。
 知ってるお客さんも、ついでにおつきあいしてくれれば有難いってもんで。
 …そう。イカのサバき方ってえのは、イカの種類によって若干変わってくるんだ。
 スルメイカやヤリイカのような、細長いイカの場合は胴を切り開かない。胴と足がくっついてる部分を、頭部(足のある方だよ。イカやタコは)から指を入れてはがして、引き抜くと足とワタが抜き出せる。
 大型でまるっこいコウイカやモンゴウイカは(連中、別名スミイカというくらいで)、墨袋を潰して黒くないように気をつけたいもんだ。 形の似ているアオリイカ(実はヤリイカの仲間に近い)もサバキ方は同じ。
 まず甲を縦に包丁で切り裂き、そいつを両側で観音開きにして、手で甲をはがすように取り出すのさ。片手で胴の上をつかみ、もう一方の手でワタを潰さないように…そう、はがしとるように抜きとるのさ。
 刺身や天ぷらにする場合は、イカの薄皮は必ずむく。煮イカの場合、必ずしもその限りではないが(イカ飯なんざ、皮つきがほとんどだからな)、寿司ネタに使う場合は、歯ざわりのよくない皮はしっかり剥いておきたいものだ。
 胴の表皮は布巾を使うときれいに剥けるが、煮イカにする場合、ここからが肝心だ。
 なに? スイサンドンヤ・ドット・コムさんのイカなら、コウイカ、モンゴウイカだろうと何だろうと、みんな皮が剥けたスキンレスの状態だって?
 お客さん。今、あっしが言おうとしたところなのに、人の仕事を取らねえでおくれよ。最近はお客さんの方がよくわかってたりするから、ありがてえような、困ったような…。でもともかくも、ありがとうよ!
(イカに限らず、こういったサカナのサバき方は、11月に発行される『イダテンのゲンさんの本』で、イラスト付でタップリ説明されやすぜ。お客さまにもプレゼントがあるかもしれねえ。どうぞ楽しみにしておくんなせえ)。
 すっかり皮を剥いて水洗いした胴を、塩をひとつまみ入れた熱湯に3〜4秒ほどくぐらせる。湯からはなしたら、即座に冷水の中に入れないといけねえ。周知の通り、イカの身は熱に敏感だから、この火の通りの見きわめが職人の腕に関わってくるってえワケだ。

   イカとみりんの相性やイカに?
   いったん茹でて氷水に入れたイカは、胴体がまるまると張り弾力が出てくる。そいつを醤油1、砂糖をその3分1。水を少々の煮汁に入れて、転がすように煮込んでいくんだ。イカの大きさによって、煮汁の量は変わるんで、そいつは臨機応変にやっていただきてえ。
 イカってえのは水分が多いから、そいつも計算に入れて煮ないと煮汁が薄くなっちまうんで、充分注意してくだせえよ。
 なに? 煮物なのにみりんは使わないのかって?
 うーん。そいつは難しいところさね。最近の料理本なんかを見ると、イカでもなんでも、煮物には必ずみりんを使うように書いてある。
 だが、実は江戸前寿司ではイカにはみりんを使わないし、カンピョウ巻きにもみりんは使わない。イカの場合、身が固くなるということ以外に、スルメイカなどが持つ独特の香りがみりんによって、打ち消されてしまうんだな。コウイカなんぞの場合はそれほど気にはならないが、まああえて使うこともないだろう。
 あっしの感想だと、イカ飯なんかにみりんを使うのは、さほど問題ないと思うが、寿司の場合、みりんとイカの相性というのは、今一歩だというのが正直なところだ。
 さーて、こうして仕込んだイカには握ったあとアナゴ同様煮ツメを塗る。
 ほーら。食べてみい、お客さん。
 …へへ。旨いってか、ありがとうよ!
 前頭筆頭くらいをウロウロしている、そこいらの生イカの寿司にくらべると、この煮イカ…やっぱり大関クラスの味わいはあるだろう?

 さーて。これから、スイサンドンヤ・ドット・コムさんの新システムに伴って忙しくならあな。今日も築地で寿司のひとつでもつまんで、明日からの仕事に備えるとするか。
 じゃあ、次回をお楽しみに!

   
戻る

go top

Presented by 食材仕入ドットコム All Rights Reserved.
Copyright© 2006, Food's-Foo 推進機構All Rights Reserved.