ご案内所 ショップ 商品検索 ヘルプ ホーム  
水産物 医食同源
食いねぇ、食いねぇ、寿司食いねぇ! (寿司その九、エビ編)
掲載日:2003年07月09日

 
  まいど、まいど、イダテンのゲンさんです!「景気はどうだい?」って聞いて、「良い」と返事が返ってきたことのないこの頃だが、そんな中で、SARS問題もそろそろおさまりを見せてきたのは、近ごろじゃ嬉しいニュースのひとつだ。
 え…? ウイルスってやつは、湿気があるとあんまし増ないんだから、夏に終結しそうなのは当たり前だあ?
 それよか、来年の冬あたりがどうなるのかが心配だって?
 なんでえ、なんでえ。あんまし物事を悪く悪く考えちゃいけねえよ。
 ともかくも当面の商売は何とか動いてきそうだから、とりあえずいいじゃねえか。冬のことは冬を前にして考えりゃいいことさ。
 そんなワケで、これからこのイダテンのゲンさんも本領発揮ってとこだ。今まで遠慮していた、タイだのヴェトナムだので良いサカナをいっぱい買い付けてこねーとな。
 インターネットで商売をしていながら、こんなことを言うのも何だけど、ネットでお売りするのは、あくまで手段だ。
 そら買い付けまでデジタルで済まして、客さまにお届けするわけにはいかねーやな。やはりモノをきちんと見て、実際に食べてみたものをお客さまにお出しするのがスジってもんさ。
 まあ、何をみなさんに提供できるか、ひとつ楽しみにしておくんなせえ。
   あったら嬉しいクルマエビ
   では、今回は寿司の9回めとして、ちょっとエビを取りあげてみよう。
 …おっとっと、誤解しないでおくれよ。もちろんエビというは、『ちょっと取り上げる』ようなモンじゃあねえ大ネタさ。その上スイサンドンヤ・ドット・コムさんにとって、エビはもっとも得意な分野であり、重要な位置を占める食材なんだ。
 ただそんなおエビさまも、こと寿司においてはマグロやアナゴ、コハダほどの地位を占めるわけじゃない。でも、おそらく一般のお客さんにとっては、エビはあったら嬉しい彩りのひとつって感じだろう。
 そう。エビは寿司にとって最重要までは行かないにせよ、なくてはならない存在なんだ。
 今回は、そんな寿司ネタとしてのエビ…それもクルマエビ類を中心に聞かせ倒してあげやしょう。(クルマエビ類全体の詳しい話は、別の機会にタップリと話すことにいたしやす)。
   オーストラリアのクルマエビはいかが?

 

 ところで御承知の通り、エビってやつはバカに種類が多い。2000種類ほどもあるおエビさまを、大雑把に分けると「泳ぐエビ」と「這い回るエビ」に分けられる。「泳ぐエビ」にはクルマエビを筆頭に、サクラエビ、ボタンエビ、シバエビ、テナガエビ(甘エビ)など。「這い回るエビ」にはイセエビやオマールエビ、ウチワエビなどだ。
 さて、そのクルマエビ類の中で、寿司ネタとして用いられるエビをとりあげると…ブラックタイガーやオーストラリア・ブラウンタイガー、クマエビ、バナナエビ、大正エビ、メキシコブラウンなど枚挙にいとまない。
 これではひとつひとつに説明をつけないと、素人衆にはわからないだろうが、やはり代表格はクルマエビだ。
 そう。星の数ほどあるクルマエビの中でも、国産のクルマエビはホンエビ、マエビともいうくらい、その中でも味が良いと言われている。
 スイサンドンヤ・ドット・コムさんのクルマエビの場合、国産品は『生鮮魚介類』のカテゴリーで扱われている。こいつはエビの王者としての風格があり、肉質、甘味、共に申し分ない。なんせ、国産の養殖場で育てられた最高のモンを、築地の畜養場で活きの良い状態にして出荷したもんだからな。
 冷凍では中国のものを扱っていて、こいつもなかなか美味しいよ。
 そしてオススメは何と言っても、オーストラリア産の天然車海老だ! こいつはエクスマウス湾で漁獲される天然クルマエビ(ブラウンタイガープロウン)は、日本のクルマエビ(タイガープロウン・ジャポニカ)に最も近い品種なんだ。
 南半球のため日本と季節が逆のオーストラリアは、5月から11月の冬のみの漁獲のため、身が引き締まり甘味が強く、その風味は日本のクルマエビに勝るとも劣らない。
 天然もののため、多少調理に神経を費やす部分はあるが(トピックス「オーストラリア産天然車海老/キングプロウンの取り扱いについて」参照)、きちんと調理した時の味は格別だ。
 もちろん安全性については、入荷ごとに全ての衛生検査を行ったあとで販売してるので安心さ! 寿司だけなどといわず、天ぷらやフライなど、あらゆるレシピにて…どうぞ食べておくんなせえ。

   寿司で食うならサイマキでえ!
 

 さて。こいつらクルマエビは、体を曲げると黒いシマ模様が輪ッかのようになるため、クルマ(車)エビの名がある。
 だが寿司屋の場合、店によってはクルマエビという呼び名は使わないんだ。というのも市場で流通しているクルマエビでは大きすぎて寿司ダネにはならないんだ。
 何てったって、連中は成長すると15〜25cmくらいになる。(このサイズのものだと、塩焼きか天ぷらが美味しいけどな)。
 寿司屋さんで使うクルマエビは、マキとかサイマキ(コマキ)と呼ばれる成長段階のものなんだ。
 もともとこの呼び名は、重量によって分けていた。
 つまり1尾が3〜6匁(11,25g〜22,5g)をサイマキ。7〜9匁(26,25g〜33,75g)のものをマキ。10匁(37,5g)以上のものをクルマエビと言うんだ。
 しかし、体長によって呼びわけることもあり、10cm以下のものをサイマキ。10cmちょっとくらいのものがマキや中マキ。15cm前後のものをクルマエビといった分け方をすることもある。(ちなみに20cm以上のものは大車なんて呼び方もする)。
 そんな中で、「車海老といっても、<サイマキ>以外は一等品とはいえない」という人もいるくらい、寿司にして美味しいのはサイマキだと言われている。まあ、そいつはネタの活きとか産地にもよるんで、何ともいえないとこだけどな。

   おエビさまは、気ままなお嬢さま

 

 さて、たいていの寿司屋で出されるエビは、塩茹でされたものがほとんどだ。これはおそらく、冷蔵庫のなかった時代、『茹でる』『塩漬けにする』『酢漬けにする』など以外、保存方法がなかった時代に生まれたものだろう。
 またそれだけじゃなく、大事なことがこの塩茹でにある。エビのタンパク質は真水で茹でるより、塩水でボイルした方が早く固まるんだ。塩水でサッと茹でれば、エビの表面がより早く凝結するからそれで旨味を逃がさねえって寸法さ。(余談ながら剥いたエビは日本酒に30秒漬けてから揚げると旨味が逃げないんだ。おっと、こいつは馴染みの天ぷら屋から秘密って言われてることだけど…細かい話は勘弁しておくんなせえ)。
 そんなワケで、江戸時代はもちろんのこと、あっしの子供時代くらいまでは、寿司屋は海のシケそうな時に市場で魚を確保しておいたもんだ。
 中でもエビは生きたまま置いておいても、時間が経つとそいつらの持つ酵素作用で自己消化を起こす。身は痩せるし、旨味のモトはヘンな臭いに分解されて、ヘタすりゃ食中毒成分に変化するわけだから、なおのこと昔は茹でたり塩焼きにしておいたわけさね。
 余談ながら、寿司屋の間じゃ「エビのすしは3段に落ちる」と言われるほど、保存に神経を使うと言われている。
 エビの鮮度の『落ち』は、最初にこんなところから表れる。茹で上げて熨斗に開いた時、頭の皮と腹部の接点に、帽子をかぶったような朱色の下皮があるんだが…こいつが頭をとった時に、頭の方にくっついてしまうんだ。
 茹でエビで気をつけなければならないのは、まずこの点なんだな。
 第2。誰が見てもわかることだが、朱色に冴えがなくなる。
 そして第3はエビのシッポが黒くなる。こいつは2級品の冷凍エビにはありがちなことだけどな。
 兎にも角にも、おエビさまの扱いは気ままなお嬢さまを扱うのと同じくらい、注意と神経を使わないといけないってことさね。
 気をつけな、そこの若い衆。扱いを間違えたり、ほったらかしにしといたら一大事だよ。

   エビの茹で加減は職人の腕加減
 

 エビの茹で方ってえのは、そいつを見れば職人の腕がわかるほど、塩梅の難しいもんだ。
 店によってエビの茹で方は色々あるが、まずはあっしと付合いの長い、銀座の某老舗寿司店のレシピをご紹介しよう。
 まず10〜13cm前後のマキかサイマキを串に打つ。
 それから、熱湯に少量の塩を入れてからマキを入れる。(茹でるときにエビの頭を取ってしまうと、旨味が逃げてしまうから頭部はついたまま熱湯に入れること)。
 マキが踊りながら浮上し、沈まなかったら茹で上がりなので、手早く熱湯からすくい出し、冷水で急冷する。
 あわてて早めに上げてしまうと、皮を剥く時にきれいなオレンジをした皮まで取れてしまうから注意が必要だ。
 茹で上がって冷やしたエビから串を抜き、頭を丁寧に取って、熨斗(のし)状にする。串を抜いて、腹からのしに開く。
 次に薄い塩水に1〜2分ほどタテ塩(塩水に浸すこと)をする。そいつを水にくぐらすくらいに洗い、よく水を切ってから、乾燥したサラシかガーゼに身肉を下において、冷蔵庫に入れておく。
 そして最後は用いる寸前に、必要な分を甘酢(酢に砂糖、あるいはみりんを混ぜたもの)1〜2分浸して、ザルにあけてから酢を切る。
 こうして、はじめてクルマエビ…マキは握りとしてお客さまにお出しすることができるんだ。どうでえ。みなさん、知っていたとは思うけど、寿司ってえのは手間のかかるモンだろう?

   オドリも旨いぜ!
   寿司ネタとして、もうひとつマキの使い方に「オドリ」ってえのがある。
 文字通り、生きたマキをそのままサバいて寿司ネタにする、いわば踊り食いだな。動物愛護団体からは抗議がきそうな食べ方だが、新鮮なマキを使うとオドリは本当に旨いもんだ。
 言うまでもなく、オドリは活きが身上だ。生きてるマキ、それもピチピチ跳ね回るようなヤツでないと意味がない。(さっきも言った通り、エビは生きたまま自己消化起こすからな)。
 これもレシピはお店によってまちまちだが、先ほど紹介した銀座の某老舗寿司店は次の通りだ。
 まず活きマキを丸のまま、きれいな真水で洗う。
 そして頭を取って、皮を剥く。フライや天ぷらなどの場合は、尾っぽの皮を一段残すことが多いが、オドリの場合は背ワタを完全に除去するために、その店では尾の付け根まで剥いてしまう。(ちなみに申し上げると、フライや天ぷらなどが一段皮を残すのは、粉で尾っぽを汚さないように、残した皮部分を持って揚げる。また、揚がった時の姿が良いため…などの理由がある)。
 エビは通常、『背ワタを取る』などと言うくらいだから、身肉を背中から縦に開くのが普通だが、この場合。ワタで身肉をなるべく汚さないように腹開きにする。
 もちろん、背ワタを取り除いてから、もう一度水洗いするんだが、それにしても身がワタで汚れない方が都合が良い。サッと洗うくらいなら、身が水を吸わないで済むからな。いくら洗えば良いと言ったって、あまり時間をかけて水荒いすると、マキが水っぽくなちまうからな。
 洗い水は、当然身をシメる意味で氷水を使う。銀座のその店ではそれに少量の酢とみりんなどを落としているそうだ。
(だがスイサンドンヤ・ドット・コムさんでは、オーストラリアの天然車海老を、オドリ用に背開きにしてパックしたという商品もある。まったく、ここまでやられちまうと、寿司職人も困っちまうかもしれねえな)。
   あっしの本が出ますぜ!
   まったくエビの話をしていると、時間がいくらあっても足りねえくらいだが、実はこのたび…へへ。エビ太郎とあっしの本が11月に本になって発売されるんだぜ!
 版元はまどか出版さんって、エビ太郎の作者先生が「堪能ルーヴル」って本を出した出版社だ。
 エビ太郎とあっしが、ちょっとうるさい男のレシピ本みたいなことをブチ上げる楽しい本になる予定だよ。マンガを描いてるエカキの先生は大酒飲みのぐうたら野郎だが、ひとつあっしがシメてあげて、何とか良い本にしてやらあ。
 お客さまにもプレゼントする予定だよ。ここはひとつ、おつき合いのホド、よろしくお願いいたしやす。
 さーて。ここんとこ、何だか暑くなってきやがったなあ。ここはひとつ黒ビールにクルマエビの握りとでも食いに行くとするか。
 それじゃ、次回をお楽しみに!
   
戻る

go top

Presented by 食材仕入ドットコム All Rights Reserved.
Copyright© 2006, Food's-Foo 推進機構All Rights Reserved.