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水産物 医食同源
今が旬!食いね〜食いね〜、ハマグリ食いね〜
掲載日:2001年4月5日

   値切る、オマケをもらうは、アキンドの基本だ!
   まいど、まいど、イダテンのゲンさんです!
 いや〜、すまねえな。すっかり間を開けちまってよ。しばらくだったせいか、ワシが知らねえ間に、ワシのことを、誰かがマンガに描きやがったみてえだな。
 この『イダテンのゲンさん』も、マンガだと随分セコいヤローにされちまったけど、まあ、いいやな。値切る、オマケをもらうくれえはアキンドとしちゃあ、当たりめえのことさ。そうやって安く仕入れて、ワシはお客さまに安くって良い品を提供するってえ寸法さ。
「文句があるかい、ベラボーめ!」ってなワケで、今回は今が旬のハマグリとアサリ、特にハマグリを取り上げてみようかい。
   ふざけるな、貝塚!
   またまた貝塚の話からはじめよう。
 ワシが医食同源の話をする前、いつも資料に目を通すんだが、イセエビでもカキでも、殻のあるもんでおよそ貝塚から見つからなかったものはない。だけどよ、ふざけやがって。どの資料見てもイセエビがいちばん多かったとか、カキがいちばん多かったとか、自分が一番二番って書いてやがる。その例にもれず、ハマグリやアサリもそうなんだな。
 まあ、何が貝塚でいちばん多く発見されたかなんて、どーだっていいや。おそらく日本全国の貝塚を集計した正しいデータなんてないんだろうからな。それより、それくらい日本人が昔から魚介類から生命をいただいていたてえことの方が大切なワケさ。
   品よく貝合わせと洒落こもうかい

 

 ハマグリは…アサリもそうだが、塩分濃度の薄い内湾の砂泥底に棲んでいるんだ。つまり、昔は適当な浜辺にいけばいくらでも採れたんだ。それを昔の日本人が食べなかった手はねえやな。
 文献上、ハマグリは最古の食材だそうで、もう日本書紀に景行天皇が『白蛤(うむぎ)を膾(なます)に為(つく)りて』なんて記されているらしいや。
 ハマグリが古くから日本人に好まれていたしるしに『貝合わせ』がある。平安時代にはじまった、王朝の遊びだよ。漆をハマグリの殻にほどこした百人一首なんか、いやはや見事なもんだぜ。ハマグリは同じように見えても、決してほかのものとはピッタリ合わさらないため、婚礼の引き出物に欠かせなかったんだとか。
 へへへ、『貞婦二夫にまみえず』ってえ意味だってよ。笑わせやがって、ぬかしやがるぜ。(まあ、日本人がいかにタテマエを大切にしてきたかって、証拠かな。ははは)。
 だがハマグリが婚礼に相応しい、魅惑の食材であることは一点の曇りもない事実だがね。
   ハマグリの蜃気楼
   同じ二枚貝で、どちらも塩気の薄い浜辺に暮らしているけど、アサリは生涯棲む場所を変えないのに対して、ハマグリは環境が悪化すると移動する性質がある。ハマグリは水温や水質、底質などが変化すると、他の二枚貝にマネできないほど遠くに移動するんだ。
 ハマグリを食べると独特のぬめりみたいなものがあるだろ? あれは水管の根元にある粘液腺から分泌されるものなんだが、ハマグリは環境が悪くなると、そこからゼラチン状の粘液を紐のように吐き出すんだ。するってえと、その浮力によって潮と波にひきずられ沖に逃げ出すってえわけさ。
 これを漁師たちは「ハマグリの蜃気楼」っていうんだが、いやなに、話は逆さね。
 蜃気楼の蜃は、中国では大ハマグリのことを指すのさ。それも普通の大きいだけのハマグリじゃなく、何百年も生きて巨大化し、妖怪に変じたオバケハマグリのことをいうんだ。
 この怪物ハマグリがとてつもない気を吐き出すってえと、その中に楼閣があらわれる。そんな伝承から、蜃気楼って呼び名がついたっていうんだが、いやはや昔の時は実によく自然現象を観察してたもんさ。
 ハマグリ養殖に必ず移動防止に囲いをするのは、そんな理由があるんだな。
   脚気と生ハマグリ
   さて、基本的にハマグリは生食をしない。スシにしたって、必ず火を通して食べるんだ。
 ハマグリを生で食べないは栄養学的にも理にかなってるんだな。なぜなら、生のハマグリにはアノイリナーゼってえ酵素があって、腸内のビタミンB1を分解してB1欠乏症にさせる恐れがあるからだ。過熱すればアノイリナーゼは分解されて、その心配がなくなるって寸法さ。
 お客さん! ビタミンB1が欠乏すると、どうなるか知ってる貝?(へへ、いけねえいけねえ。また、うちの女子社員にきらわれちまうな!)
 なんと、あの有名な江戸の流行り病・脚気になるんだぜ。脚気というのは、文字通り脚が動かなくなり、しびれ、筋肉痛、心臓肥大、そして知覚麻痺を引き起こし、しまいにゃあ心不全をおこして、あの世にいっちまう恐ろしい病さね。
 江戸っ子はビタミンB1の豊富な玄米を食わず、銀シャリばかり食べてたから脚気になったんだ。食料の選択がたくさんあった時代じゃなかったから、食事はほとんど白米ばかりの1種類。当然、栄養は偏る。(まあ、ワシのご先祖さまにこう言ったらいけねえが、まさしく粋がって病気になったわけだ)。
 ただでさえビタミンB1が欠乏しているトコへもって、さらにB1を分解する生ハマグリなんかを食べたら、さあ大変だ。
「ありがたいねえ、ハマグリかい。ちょいと精をつけるのに、生のままいただくこう
かね」
 なんて、生ハマグリを食べたら突然心の臓をおさえて、そのままポックリ行っちまったなんて…そんなヤツらが、大勢江戸っ子の中にいたんじゃないかな。 まあ、これはワシの推測だがね。
 なんでもフランス人は生ガキ同様、生のハマグリにレモンを絞って食べるそうだが、ヤツらの主食である豚肉にはビタミンB1が豊富に含まれているわけだし、ハマグリなんて、そんなたくさん食べるモンじゃないからな。あんまり気にしなかったのかもしれないな。
 まあ、これもワシの推測の域を出ない話だがよ。
   ハマグリの生命エキスをいただきます!

 

 まあ、ハマグリの旨味というのは身の中よりも 、殻に残っている体液にあるんだ。だから吸い物のように、身の中のエキスを溶かして味わう…すなわち過熱した料理の方が美味しくいただけるってことさ。まあ、リクツなんて、あとからついてくるもんだがね。
 味の面からみても、ハマグリの過熱調理は理にかなってるわけだ。
 そんなハマグリの旨味はグルタミン酸、タウリン、グリシン、アラニンのようなアミノ酸にある。それがハマグリの濃厚で品の良い旨味のモトなわけだな。カキの苦味成分にあたるアルギニンやバリンというアミノ酸は、ハマグリではキモや内臓などに含まれてるだけなんだ。
   必殺! ハマグリ女房
   ところで、昔話に『蛤女房』なるものがあるのを知ってるかい? ある男に助けられたハマグリが、押しかけ女房となって、その夫に美味な料理を作ってやるっていう、なんだか鶴の恩返しみたい話だな。
「私が料理する姿は絶対見ないでくださいね」
 だが、見るなと言われりゃ余計見たくなるのが人情だ。ある日、そっと女房が料理しているところを覗くと、何と鍋にまたがっておしっこをしてやがる。
「見るなというのに、見てしまいましたね」
 女房はそう言って、もとのハマグリになって去って行ったんだとさ。下らねえ話だよな、ふざけやがって。
 でも、そのハマグリ女房の鍋を、いっぺん食べてみてえと思うのはワシだけかな?
   ハマグリのご機嫌うかがい
   なにしろ貝ってえのは、そのエキスにこそ味の魅力がある。貝の旨味てえのは格別なもんだよ。
 さて、ハマグリの調理の前には『ご機嫌うかがい』といって、ハマグリとハマグリを打ちあわせる。キンキンと澄んだ音ならOK。ボコボコと鈍い音のものはぜったい使わない。お吸い物なんか、たったひとつの死んだ貝で、全部ダメになっちまうからな。
 まあスイサンドンヤ・ドット・コムさんのハマグリなら、新鮮なヤツを選んでから、真空調理→冷凍にしてあるから心配いらねえぜ。安心して食べておくんなせえ!
   中国産のハマグリもイケるぜ!
   ところでハマグリは水質汚染などの環境変化にあまり強くないため、最近はめっきり数が減ってやがる。(今、騒がれてる有明干拓の問題からもわかるだろうけど、まあ困ったことさね)。
 そんなワケで、今はだいたいハマグリは韓国か中国から輸入してくるんだ。日本で採れなくなったのは残念なことだが、味は中国のものだってヒケはとらねえ。
 スイサンドンヤ・ドット・コムさんのハマグリはシナハマグリというもので中国産。それを真空パックした状態で過熱するのさ。真空調理にすると、貝料理でいちばん大切なエキスが身から出ないで食べられるんだ。解凍して調理するもよし、袋ごと湯煎して3分でも、そのまま美味しく食べられるのさ!
 この貝の旨味を封じ込めた、真空調理の美味しさはアサリでもかわりゃあしねえ。どうぞ、一度食べておくなせえ! (ムール貝も旨いぜ! ペスカトーレがおすすめだな)。
   ハマグリもアサリも一緒にすんなよ…
   そうそう、英語だとハマグリもアサリも『クラム』っていうそうだな。もっと正確にいうと…ええとアサリが『ショート・ネックド・クラム』。ハマグリはただの『クラム』かい。 いやはやハマグリもアサリも一緒なんて、何てランボーな連中だろうかね!
 さっきも言ったように、ハマグリの旨味の中心がグルタミン酸、タウリン、グリシン、アラニンのようなアミノ酸にあるのに対して、アサリの旨味はコハク酸。ハマグリが濃厚で上品な旨味を持つのに対して、アサリの旨味は下手な洒落じゃなくって、ホントにアッサリしてるのは、このあたりかな。
   アサリの砂抜き
   アサリの美味しい時期はちょうど今頃だ。身がパンパンに大きくなり、殻は反対に薄くなる。この薄殻のアサリを吸い物にして、残った汁をご飯にぶっかけてみな。それからアサリご飯の深川飯、深川丼。アサリの酒蒸し、ボンゴレ・ビアンコ!(ワシ、見かけによらずイタ飯好きなんだよ…)。 くううっ、たまんねえぜ。
 アサリは調理する前に砂を吐かせないといけねえ。特に潮干狩りで採ってきたやつならなおさらだ。
 おっと、釘や包丁を入れたってイミないぜ。あれは迷信だからな。アサリは釘で砂を吐くようなことはしねえんだ。海水とおなじ3%の食塩水に1〜2時間。水道水だったら天日にさらして塩素を抜き、塩も精製塩より自然塩がいいな。
 何、そんなのめんどくさい?
 へへ。だったらよ…。
 スイサンドンヤ・ドット・コムさんの二枚貝・三種の神器、アサリ、ハマグリ、ムール貝をどうぞ食べておくんなせえや!
   
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