| 掲載日:2001年1月9日 |
| イセエビは縁起物の王様! | |
| まいど、まいど。イダテンのゲンさんです! いやあ、まったく1年過ぎるのは早えもんだね! もう、ワシの年になると時間が経つのがグングン早くなってきやがってな。よく言うだろ、『正月は冥土の旅の一里塚。めでたくもあり、めでたくもなし』ってな、ガハハハハハハ! まあ、そうはいうものの、日本人ならその年の正月をめでたく迎えて、何とか良い出足を切ろうっていうのが人情だ。 海のものには、喜昆布、目出鯛、子持ちワカメなんて、そんな縁起をかついだモンがいっぱいあるけど、一番は誰が何と言おうとエビでしょう! 中でもイセエビは、味も姿も縁起物の王様。 そんなわけで、今回は前回のタラバガニに引き続き、冬の豪華食材ってことでイセエビの話をいたしやしょう。 |
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| イセエビは縄文時代から尊ばれた? | |
| さーて、イセエビってえのはその姿も味のうち。その殻が縄文時代の貝塚からも発見されているように、
イセエビってえのは日本人に古くから尊ばれてきたんですな。『エビの脱皮は生命の更新を象徴する』から縁起物とされたって説があるけど、そんなコト言ったら毛虫だってめでてえや。まあ、そんな学者先生のご説はごもっともとだけど、そんなことより見かけの良さだろうよ。 イセエビはすでに、平安時代には『ホウライ飾り』と呼ばれ、神饌(しんせん)として飾られたというし、鎌倉時代には姿形が甲冑武士を思わせることから、色々な儀式に顔を出したらしいやな。今でも流鏑馬(やぶさめ)の神事にゃあ、イセエビを材料に『式包丁』の儀式が見られるっていうしね。 昔は鎌倉の海でも採れたらしく、江戸じゃあ鎌倉海老って呼んでたそうだよ。殻がヨロイ兜(具足)に似てるからグソクエビとも呼んだらしいや。 この整った姿が、武勇と長寿のシンボルとして見なされたんだな。これから正月の飾り付けとして、刺身や鬼殻焼き、具足煮など、殻ごと供され食べれるんだ。 見かけも味のうちてえワケで、赤い豪華な姿は旨味たっぷりのプリプリした身を、ますます美味しく感じさせてくれるってえ寸法だ。 |
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| イセエビの赤は目出たさと食欲のシンボル | |
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それから何と言っても、エビは茹でると赤くなるのが、めでてえし食欲をそそるわな。特にイセエビは生きてる時分は海老茶色(文字通りイセエビの色が語源)だが、茹でると見事に赤くなる。 これはイセエビの殻に含まれてる、カロチノイドっていう色素のせいなんだとよ。何? カロチノイドって何だって…?? ワシが知ってるワケねーだろ、えーと…ちょ、ちょっと待てよ、辞典によるとこうだ。 脂溶性の黄、オレンジ、赤または紫色の色素。動植物界に広く分布し、天然に300種以上見出されている。炭素数40のものが最も多く、窒素を含まない。云々…。 フムフム。なんかカロチノイドって、ニンジンとかトマトにも多く含まれてるらしいな。まあ、この紫系のカロチノイドが過熱によって赤く変化するわけだ。紫と茶色ってえのは、以外と近しい色なんで、海老茶が赤に変わるように見えるってワケだ。これはイセエビに限らず、他のエビやカニなんかにも同じことが言えるらしいよ。 |
| イセエビは養殖できる? | |
| それから希少性というのもイセエビが縁起物として尊ばれる要素だろうな。それにイセエビは数が減ってるんで、近頃はますます高くなる傾向があるんだよ。 和物のイセエビは産卵の時期は6〜8月で、当然この頃は禁漁だ。産卵はメスの腹部に抱かれたタマゴから、フィロソマって呼ばれている幼生が孵化するんだ。半透明で薄い葉っぱみたいなカンジだな。 1年くらいの浮遊生活をしたあと、プエルルスっていう体長2センチくらいの幼生に変態して海底で生活しはじめるんだな。これは体形はエビだが、透明なのでガラスエビっていうんだな。 イセエビは生殖できるようになるまで2年はかかるし、幼生時代が1年あるから、まだ養殖の商業ベースに乗せるのは難しいんだ。成熟に10年のタラバガニみてえに絶望的ってホドでもねえが…まあ、イセエビの養殖はまだ先のハナシだろうな。 |
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| オーストラリアのイセエビも旨いぜ! | |
| さてさて、エビ好き日本人のみなさまのために、ワシは来週からオーストラリアに出張さ。オーストラリアの西海岸にイセエビを買いに行ってきまーす! ま、オーストラリアとかニュージーランドで採れるヤツは、通称オーストラリア・ロブスターと言って、若干違った種類のモンだ。こいつらは南半球に多く採れる種類なんだな。 味はどうだって? それがさ、お客さん。えっへっへ。ウメーんだよ、安くってさ! なにしろ、自然の宝庫みたいなオーストラリアの海で生まれ育ったイセエビだ。美しい海で育った海の生き物だったら、何だって美味しいよ! 肉質はとても柔らかくって、甘味タップリだぜ。 |
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| 本場伊勢でもオーストラリア・ロブスター | |
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このオーストラリア・ロブスターは最高に美味しいよ! 外見も似てるけど、味だって日本のイセエビに負けないぜ。最近は本場の伊勢半島や伊豆なんかでも漁獲量の減少から、このオーストラリア・ロブスターを売っていたりするトコも多いけど、それは日本の物と比べてもまったく遜色がないからなんだな。 その上、イセエビってえのは、わりあい輸送で鮮度が落ちないんだ。こいつらは箱の中に湿らせたおがくずと一緒に入れておけば、生きたまま運ぶことができるんですよ。温度管理をきちんとすれば、空輸で運んでもけっこう安く売ることができるからね、バカにしたもんじゃないよ。 それにオーストラリアは工場の衛生管理や水質、死んだイセエビを使ってないかなど、検査基準がすっげえ厳しいからね。守らないヤツは、輸入差し止めに加えてライセンスの剥奪! 業者にとっちゃ大変だが、食べるお客さんには嬉しいハナシさね。 |
| オーストラリア・ロブスターの4タイプ | |
| オーストラリア・ロブスターにも色々種類はあるが、主に食べられてるのは4種類だ。 1番目はインド洋側に生息するヤツで、ウエスタン・ロック・ロブスター。こいつは日本のイセエビに一番味が近く、活け物としていっぱい輸入されてる人気者さ。ワシんトコはこいつを扱ってるんだな。へへ、プリプリしてるのに柔らかくって、こいつの品の良い甘味はた、たまらねえぜ! 2番目はあのタスマニア周辺に生息するサザン・ロック・ロブスター。 3番目はニュージーランドに近いトコに生息するイースタン・ロック・ロブスター。 4番目はオーストラリア北に生息するトロピカル・ロック・ロブスターで、日本でも沖縄とか与那国島でも採れる俗にニシキエビ呼ばれるド派手なヤツだ。 まあ、何ちゅうても真打ちは、1番目のウエスタン・ロック・ロブスターだがね! |
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| 冷凍イセエビはオススメだぞ | |
| さーて、ワシのトコは活ものより、冷凍のオーストラリア・ロブスターを扱ってるんだ。ワシにいわせりゃ、こいつは下手に生きてるヤツより、よっぽど旨えんですよ。 何てったってモトが新鮮な上物だ。それをマイナス196度で超瞬間凍結してるから、鮮度がほとんど失われないんだ。うちじゃあこれを『活冷伊勢海老』って言うんですけどね。 海のモンは生きてさえいれば旨いってもんじゃねえ。死にかけたエビなんて、酵素作用で自己消化を起こして変な臭いを出すし、身も痩せてくる。(これは前回説明したカニも一緒だよね)。生きたままなんか輸送すると、イセエビもストレスを感じて美味しさに影響することがあるんだ。 |
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| 冷凍はこうするんでえ! | |
| まず、うちじゃあパージングっていって、水槽の中でしばらく餌抜きをして生かしておいて、イセエビの胃腸の残留物を抜いてしまう。 それから温度を下げて仮死状態にして、生きたまま凍結して姿を守るんだ。イセエビはひげが取れてたりすると、価値がなくなるからね。 最後に窒素凍結トンネルフリーザーってえのを導入して、マイナス196度にして10〜15分で超瞬間凍結! まあ食べてごらんよ。うっふっふっふ。ワシが食べたって活きてるイセエビと区別できないくらいだからさ。 それに、ライブのヤツは仕込みはじめてから30分経つと黒くなりはじめるが、うちの『活冷伊勢海老』はそれが遅いというメリットがあるから、時間の読めない宴会なんかにはもってこいさね。 また1年中、品質と価格が安定してるのもありがたいよ。使う時は流水で解凍してくれれば、ライブのイセエビと変わらない味が楽しめるって寸法さ。 イセエビの部屋はこちらだぜ。 >>http://www.shokuzaishiire.com/shop/ |
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| 日本のイセエビは、どこでどうやって採れる? | |
| さて、イセエビは暖かい海を好むんだ。日本では主に千葉県から南の大平洋から、九州の西海岸に生息してるんだな。浅い海の岩礁がこいつらの寝床さね。昼間は岩穴に潜んでいて、夜になるとノソノソ出てきて、貝やゴカイ、小エビやカニなんかの小動物を食べるんだよ。 この習性を利用して、夜にエサを入れたエビ網を海底に沈めておいて、翌朝引き上げる底引き網なんてえのが、イセエビ漁法だな。細い糸でできた網が殻に絡んで、もう脱出不可能ってワケだ。 反対に昼間に漁をする『のぞき漁』ってのもある。イセエビの天敵タコを使った漁法だ。タコのヤローも人間と同じで、イセエビが大好物なんだ。漁師の話だと、いっぱいイセエビがかかってるのに妙に軽い時は、中身をタコに食われちまってることが多いらしいや。 そのタコ被害を逆手にとった漁法がのぞき漁さ。ガラス箱で海底を覗いてイセエビの穴を見つけたら、生きたタコをたらし、びっくりしたイセエビを捕まえるってえ漁法だ。 まったく人間ってえのはひでえことするわな。ガハハハ! イセエビ漁が盛んなのは、文字通り伊勢をはじめとして、伊豆や長崎の浅い岩礁だ。 伊勢でたくさん採れたから伊勢海老と呼ばれるというのが定説だそうだけど…。まあ、何でもイセエビの赤は伊勢神宮のお膝元、伊勢湾で二見浦の日の出を浴びて朱色に染まったなんてえ言い伝えもあるらしく、お伊勢さまとは縁が深いことだけは確かなようだね。 |
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| イセエビ、その味の秘密 | |
| イセエビの味の秘密はエビ類の旨味のモト、アミノ酸の組成はグリシンとアルギニンだ。イセエビはクルマエビや甘エビほどはグリシンが多くないから、あっさりした甘味をしているんだ。 クルマエビなんかに比べると、イセエビは肉質がしっかりしてる反面、茹ですぎたりすると固くなっておいしくないんだな。イセエビは肉質が緻密で、茹でるとすぐ固くなるから、味をしみ込ませる料理じゃなく、味をからませる料理に向いてるんだ。 殻を器にしたグラタン、クリーム煮、ケチャップやチリソースを使った炒め煮なんか最高だよ! でも、新鮮なモノだったら、まず刺身をワサビ醤油で食べてみるのが一番かな。 そうそう、『湯霜造り』も忘れちゃあいけんえや。イセエビの身を日本酒で5〜10秒洗ってから、少量の塩が入った湯に5〜10秒湯通し。すぐに氷水でシメて食べるワケだ。また、しゃぶしゃぶなんて贅沢な食べ方もいいやね。 それから、イセエビを縦2つに割って焼いた鬼殻焼き。 殻ごとブツ切りにして煮る具足煮なんておススめさ。イセエビは体の大きさに比べて、刺身にできる部分はそうたくさんないんだ。頭の部分からいいエキスが出てな。豆腐やネギなんかを入れて味噌汁にするなんてえのも贅沢なもんだよね。 レシピはこちらだぜ。 うちの『活冷伊勢海老』を使ったレシピを見てくんな。 >> http://www.shokuzaishiire.com /『湯霜造り』 まあひとつ、年のはじめには旨いイセエビでも食べて、めでたく21世紀を迎えたいもんだよな! |
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